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2022年12月30日更新

【沖縄】【プロがつくる庭】沖縄の素材を多用 御城風の琉球庭園

大城正功さん宅(金武町)施工/ナカムラ造園土木

崩れ積みで力強さを演出

シーサーがのぞく額縁

金武町の大城正功さん宅。縁側から緩く湾曲した延段を進むと、透かし垣の向こうに隠れていた琉球庭園が見えてくる。

中央にはリュウキュウマツがそびえ、その足元から水鉢へと静かに水が流れていく。周りは、無加工の琉球石灰岩を組み合わせ、崩れた石が重なったように見せる「崩れ積み」の石組みが囲む。「小さいながらも自然の力強さを感じる」と大城さん。

マツの背後にある仕切りは一部が抜け、奥の景色を額縁のように切り取る。額縁の下部には赤瓦をうろこ状に重ねた塀があり、その陰から石が見える。大城さんは「シーサーみたいでおもしろい」と庭師の遊び心に頬を緩める。


琉球庭園の全景。中央のマツに向かって木の向きを合わせることで、全体の統一感を出している

手掛けたのは、大城さんの幼なじみでもある庭師、ナカムラ造園土木の仲村弘喜さん。「首里城(御城)にありそうな琉球庭園がテーマ。赤瓦や琉球石灰岩、リュウキュウマツ、ヤエヤマネコノチチなど、沖縄の素材をふんだんに使って沖縄らしさを演出した」と話す。

大城さんは「とても満足。寝る直前まで庭を眺めて過ごしているほどです」と笑顔で話した。

 

中央の透かし垣から回り込むように、敷石で作られた延段が緩くカーブを描きながら延びる

額縁部分。赤瓦を重ねたうろこ塀の向こうから、シーサーに見立てた石がのぞく
 

迫力ある石組みの間を粟石製の水路が通る。水鉢は古民家の束石(つかいし)を再利用した
 

設計・施工/㈲ナカムラ造園土木
電話=098・964・5670
 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1930号・2022年12月30日紙面から掲載

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出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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