包み込まれる心地良さ|フランク・ロイド・ライトの家具[04]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2017年8月4日更新

包み込まれる心地良さ|フランク・ロイド・ライトの家具[04]

執筆者の遠藤さんは、ことし6月21日から28日にかけて、アメリカ東部にあるフランク・ロイド・ライトの建築を巡るツアーの案内役を務めた。今回は、ライトの手掛けた家具とともに、ツアーの様子を紹介してもらう。

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ライトの建築を巡るツアーからバレルチェア(タリアセンイースト)

ライトも歌ったシアター

ツアーで最初に訪れたのは、この連載でもおなじみのライトの自邸と仕事場のある「タリアセンイースト」です。
丘の頂上ではなくその少し下、人間の顔で言えば眉の位置に家を建てたのが、タリアセン(輝ける眉)の名前の由来ですが、別棟にあるシアターの舞台の上には、その土地と建物の配置を幾何学模様で抽象的に表現した緞帳(どんちょう)が張られています。


タリアセンの別棟にあるシアターの緞帳。丘の上に建つタリアセンの配置が幾何学模様で描かれている

この舞台では週末になると、学生たちとライト夫妻が一緒になって、合唱や演奏会、演劇などが行われていました。


樽を思わせる椅子

タリアセンの寝室の一隅にはバレル(樽)チェアと名づけられた、丸い樽を思わせる形をした椅子が置かれています。

これは1904年にマーティン邸のためにデザインされた椅子で、マーティン氏は1903年にライトがオフィスビルを設計したラーキン社の幹事で、ライトの友人でもありました。

ちなみにラーキンビルは現代でもよく見かける、中央に吹き抜けがあって天窓から光を取り入れるオフィスビルの元祖といえる建物なのですが、残念ながら現存していません。

このバレルチェアはライト自身もたいへん気に入って、後に自邸に置くために何脚かを製作しました。

丸い座面に沿って背もたれと肘掛けも円を描くように作られていて、腰かけた時に全身が包みこまれるような、とても快適な座り心地です。背もたれの微妙なそり具合などは、直線的なデザインの多いライトの家具の中では独特の印象を与えます。

タリアセンの眼下にはのどかな田園風景がひろがり、いつまでも滞在していたくなるような、住居としても仕事場としてもうらやましい環境です。

次回も引き続き、家具と併せてツアーの行程をご紹介したいと思います。お楽しみに。



丘の上から眺めたタリアセンイースト。深い軒がどことなく日本の民家を思わせる



[執筆]遠藤現(建築家)
えんどう・げん/1966年、東京生まれ。インテリアセンタースクールを卒業後、木村俊介建築設計事務所で実務経験を積み独立。2002年に遠藤現建築創作所を開設し現在に至る。


『週刊タイムス住宅新聞』フランク・ロイド・ライトの家具<04>
第1648号 2017年8月4日掲載

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