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2021年6月18日更新

建材ピックアップ|タイル新スタイル

水や汚れ、火に強いタイル。浴室やキッチン、玄関などに用いられることが多い。最近では、ホテルのような高級感を求め、リビングや寝室に使う人も増えている。今回はタイルの長短所と人気のタイルについて、タイルメーカーやスペインタイルの輸入販売店に聞いた。

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 特徴  水や汚れに強く デザインも多彩

タイルは丈夫で吸水性が低いことから、室内外あらゆるところに用いられている。サイズや色、質感などバリエーションが豊富なのも魅力の一つだ。

タイルは素材ごとに三つのタイルに分けられる。「空間の用途に合わせ、適した素材を使うことでタイルの長所を最大限に引き出すことができる」と話すのは、KYタイル(株)沖縄支店の細川雅範支店長。

小さくてカラフルなタイルはかわいらしさを、大判でシックなタイルは高級感を演出する。「大判にすると目地が少なくなる。汚れやすい床などに用いられることも増えている」と話す。

最近は水回りだけでなく、リビングや寝室にタイルを用いる人も増えた。洗練された雰囲気になり、掃除がしやすいというメリットもある。「わが家のLDKの床をタイルにしたときは、飼っている犬が喜んでいた。特に夏場は冷たくて気持ちいいようで、いつもそこで寝ていた」と細川支店長。

注意点は「ガラスなどの食器を落とすと、食器がすぐ割れてしまうこと」と話す。


素材別タイルの種類

◆磁器質タイル
1200度以上の高温で焼き締めたタイル。三つの中で一番、緻密で硬く、吸水性も低いので外壁やアプローチの床、水回り、公共性の高い歩道などにも用いられる。

◆せっ器質タイル
1200度前後で焼いたタイル。瓦のような、素焼きのマットな質感で温かみのある風合いが特徴。吸水性は磁器質タイルよりは高い。磁器質タイル同様、外壁や床などにも用いられる。

◆陶器質タイル
1000度~1200度で焼いたタイル。吸水性は三つの中で一番高く、内装材として使われる。焼き上がりの収縮が少ないことから寸法精度が高く、台所や風呂場の壁など目に付きやすいところに用いられることが多い。

他にも、釉薬(うわぐすり)で表面をコーティングした「施釉タイル」と釉薬無しの「無釉タイル」の分類もある。施釉タイルは素地だけでは出せない色やツヤなどが出せる。無釉タイルは素地そのものの色が出る。


やわらかさ感じる製品も

スペインタイルの輸入販売を行うパンテックコーポレーションの山内直幸代表は、「タイルは紀元前にエジプトで誕生した。長く愛されているだけでなく、今なお進化を続けている」と話す。

カラーバリエーションが増えているほか、「平面的で硬い印象があるが、滑らかな凹凸を付けるなどして、やわらかさを感じさせるタイルも出ている」

例えば最近、人気なのが見た目や質感まで木や石のようなタイルだ。「耐久性が高く、紫外線や水、塩害による劣化が極めて少ない。タイルの機能性と、木や石の持つやわらかさを合わせた〝ハイブリッド建材〟です」。

「スペインと同じく、太陽の印象が強い沖縄はタイルがよく似合う。玄関やトイレだけでなく、室内外さまざまな場所に使える。選択肢の一つとして考えてほしい」と山内代表は話した。


 

石調リアルに再現「ディーバ」
パンテックコーポレーション(宜野湾市)​
ベランダの床に用いた大小さまざまな石のデザインで目地が分かりにくい
ベランダの床に用いた大小さまざまな石のデザインで目地が分かりにくい

外壁に用いると、ヨーロピアンな印象になる
外壁に用いると、ヨーロピアンな印象になる

重厚感のある石を再現した磁器質タイルの「ディーバ」。さまざまな大きさの石が一つになっていて、何枚か組み合わせると目地が分からなくなり本物の石づくりのような雰囲気を味わえる。「タイルなので吸水性が低く、コケが生えることもほとんどない。黒ずみが出ず滑りにくい。床だけでなく壁にも使える。重厚感を演出できます」と山内代表は説明した。



内外に使え一体感を演出「チャームストーン」
KYタイル(那覇市)


外や水回りの床に使うタイルは、ぬれていても安全に歩けるよう滑り止めが必須だ。だが、表面に細かい凹凸を付けた滑りにくいタイルは、ホコリがたまりやすかったり肌触りが悪いという短所もある。

そこで同じ色・大きさで、ざらつきのあるタイプと、つるつるのタイプを提供するのが「チャームストーン」(磁器質タイル)。例えば浴室なら床は滑り止めのあるタイプ、浴槽はつるつるのタイプを用いることで安全に一体感を演出できる=上写真。また「室内からテラスまで連続して使えば、開放感を演出できる」と細川支店長。表面の種類だけでなく、大きさも豊富なことからKYタイル沖縄支店で一番人気の製品。



光沢の有無選べる「ソフトマーブル」
KYタイル(那覇市)

ソフトマーブルの光沢のない「マット」タイプ。鏡面のようになりづらいため床材としても安心して使える

ソフトマーブルの光沢のない「マット」タイプ。鏡面のようになりづらいため床材としても安心して使える

大理石調の磁器質タイル。光沢ある方が高級感が増すけれど、鏡面のようになるため床材としては使いにくい。そこで光沢のタイプと光沢のないタイプの2種を用意したのが「ソフトマーブル」だ。用途に合わせて使い分けることで、リッチな雰囲気を演出しつつ、安心して滞在できる空間となる。


 

ザ・スペインタイル「スタッコ」
パンテックコーポレーション(宜野湾市)

浴室の一部に取り入れると、爽やかな印象だ

浴室の一部に取り入れると、爽やかな印象だ
 

 

キッチンの壁に用いた例。白壁に合う


スペインタイルらしいクラシカルなデザインの「スタッコ」。内装用の陶器質タイルだ。柄は派手だが、白と青というシンプルで爽やかな色の組み合わせだからキッチンや浴室にも取り入れやすく人気が高い。「壁全体に用いるのも良いが、インパクトのある柄なので一部に用いても存在感がある」と山内代表。ブルーのほかにベージュもある。空間をヨーロピアンテイストに彩りたい人におすすめだ。



見た目も質感も木「レインフォレスト」
パンテックコーポレーション(宜野湾市)
さっと洗えば汚れも落ちるため、玄関前などに使うのもおすすめだそう
さっと洗えば汚れも落ちるため、玄関前などに使うのもおすすめだそう

見た目はウッドデッキ。凹凸の付いた木材の質感までリアルに再現した磁器質タイルが「レインフォレスト」。水による腐食や紫外線による退色がほとんどなく、ささくれも出ないので安全でメンテナンスも楽。山内代表は「木の優しさとタイルの機能性を併せ持つ次世代のエクステリア製品です」とアピールした。

長尺サイズのタイル。凹凸の付いた質感もまるで木のデッキ材だ
長尺サイズのタイル。凹凸の付いた質感もまるで木のデッキ材だ



 問い合わせ 
「チャームストーン」「ソフトマーブル」は、KYタイル(株)沖縄支店 
 那覇市銘苅2-4-40 ☎098・869・3401 http://www.kytile.co.jp

「レインフォレスト」「スタッコ」「ディーバ」は(有)パンテックコーポレーション 
 宜野湾市大山6-45-10 ☎098・890・5567 http://www.pantech.co.jp


編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1850号・2021年6月18日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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