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2021年3月26日更新

【ひと】工事コスト正確に算出|平良一樹さん|(株)設備技研 常務取締役

マンション建築や公共工事などを請け負う(株)設備技研は、給排水設備や空調設備工事の費用を算出する積算業務の代行も行う。常務取締役の平良一樹さん(36)は「積算は正確なコストを出すのに欠かせない。専門的な業務を代行し、業界の人材不足解消の一助になれば」と話す。

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代行で業務を分担し効率化


平良 一樹さん
(株)設備技研 常務取締役


-積算業務とは?

建物を建てる際、気になるのが建築コスト。見積もり時点で正確なコストを出すことで赤字工事が防げます。そこで重要なのが、積算業務。工事着手前の詳細図面から実際に必要な材料や機器の量を読み取り、工事費を算出する業務です。

同業務は時間がかかる上、建設業者の営業マンや現場監督らが兼任するなど、深刻な人手不足が課題です。彼らが本来の業務に専念できるよう、わが社は2003年に積算部を開設。主にマンションやホテル、公共施設などの給排水設備、空調設備工事の積算業務を手伝っています。専門性を高め、材料を一つも見逃さない正確な工事費の算出を心がけています。


-どのくらい正確ですか?

わが社は独自のソフトを使って、配管の配置を示す「設備図」などの図面からダクトやバルブなどの材料の使用数や量を拾い出し、定価を掛けてコストを算出します。実際は定価以下で材料を仕入れられる場合もあるため、算出した額より下がることはあっても、上がる可能性はほぼありません。材料の使用数が正確に拾い出されるので無駄な発注も防げ、無理のない適正な工事につながります。

完成した建物からは見えない、図面とにらめっこを続ける地味な仕事ですが、建設工事に欠かせない「縁の下の力持ち」だと思っています。


-今後の目標は?

業務が多岐にわたる建設業ですが、分担することで効率的に仕事ができると考えています。今後は建築確認申請の代行業やアフターケア管理業などを展開し、建設業者のお手伝いができればと思います。

今後はそんな円満な取引をまねする業者が出てくるよう、丁寧な事業を続けたい。そして業界全体が、誰にとってもストレスのないものになればいいですね。



清掃・イベントで地域貢献 積極的にSDGs取り組む


清掃活動をする社員ら。毎月1度1時間かけて清掃する

「地域の一員として地域に貢献したい、盛り上げたい」と、設備技研ではさまざまな地域活動を行う。会社周辺の道路の清掃のほか、19年にはパフォーマーや歌手を呼んでチャリティーイベントを開催。集まった参加費は自治会など3団体に寄付した。「これらの活動はSDGs(国際社会共通の持続可能な開発目標)の一環でもある。次年度は通り会の活動も本腰を入れたい」と平良さん。

建設業の働き方改革に向けて、ジェンダーレスや若者育成にも積極的に取り組む同社。社員の平均年齢は38歳と若く、管理職で女性も活躍する。「生き生きとした会社だね、とよく言われます。積算部には女性社員が多く、丁寧な仕事をしてくれます」と話した。
 

たいら・かずき/1985年、うるま市出身。美里高校卒業後、米軍従業員として働き、2009年に設備技研へ入社。因幡電機産業(大阪本社)に4年間出向して積算業務を学ぶ。19年、常務取締役に就任。趣味はカラオケ。人を楽しませることが好きで会社のチャリティーイベントなども企画する
◆設備技研 沖縄市泡瀬1丁目10-13 電話098・934・1313

取材/川本莉菜子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1838号・2021年3月26日紙面から掲載

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