入居後をイメージしやすく|暮らしが変わるホームステージング[4]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

家づくりのこと

インテリア

2021年2月19日更新

入居後をイメージしやすく|暮らしが変わるホームステージング[4]

売買や賃貸物件を扱う不動産会社では、入居後の生活をイメージしやすいようにホームステージングを取り入れている。部屋の雰囲気に合わせた演出がポイントだ。
文/糸村 南(サキコーポレーション インテリアデザイン部主任)

不動産におけるホームステージング


早期契約にもつながる

一戸建てやマンションの売買、アパートの賃貸管理などを行う不動産会社では、近年、ホームステージングを取り入れているところが増えてきています。不動産におけるホームステージングは、空室に家具や家電などを置いて生活感のある部屋に仕上げるもので、弊社でも2017年から取り入れ始めました。

その最大の目的は、入居後の暮らしをイメージしやすくすること。何もない部屋では、そこでどんな暮らしができるのかをイメージするのは難しい。ですが、実際に家具や家電があれば、そこでの生活が想像しやすくなり、物件の魅力も伝わりやすくなります。

その結果、物件の売却や賃貸契約の早期成立につながったり、物件の魅力をうまく引き出すことで希望価格のまま売却できたりもするので、オーナーの方々にも好評です。中には、家賃がアップしたケースもあります。


部屋に合わせた演出を

ここで暮らしたいと思ってもらえるように演出しながら、部屋の情報を伝えるため、私が心がけていることがいくつかあります。

まず最初に、手に入れやすい家具や家電を使うこと。多くの人が知っているような一般的なものであれば、大きさを比較することができ、部屋のサイズ感が分かるようになります。インターネットの写真を見て物件を判断することが多い現代においては、とても大事なポイントです。

次に、部屋の雰囲気やターゲット層に合わせて、色やテイストを統一すること。例えば、女性向けのワンルームであればかわいい印象の家具を使い、男性であればクールな印象にします。

築年数がたった物件であっても、アンティーク調の家具を使ったり照明をランプにすることで、部屋と家具の雰囲気がマッチ。私の場合、和室であれば、ベッドではなく、あえて布団を敷くこともあります。部屋の雰囲気に合わせた演出がポイントです。

居心地の良さを感じてもらうため、私がよく使うのがグリーン。どんな部屋にも合いますし、空間にぬくもりも出ます。大きな観葉植物だけでなく、小さな多肉植物などでも印象を変えられます。

キャンドルや食器などの小物類も効果的。それらをテーブルの上や窓回りに飾るだけで、ちょっとしたポイントになります。高価なものでなくても、100円ショップで買えるもので十分。実際、私も食事の際に使うランチョンマットの色や柄を変えたりするのですが、それだけで気分が変わります。家族から「雰囲気が変わったね」など反応があると、うれしい気持ちにもなります。

物件はそれぞれ広さも間取りも雰囲気も異なるので、私も毎回悩みます。ですが、ちょっとしたことで印象は変えられるので、テーブルに小物を飾るなど手軽にできることから、空間の演出を始めてみてはいかがでしょうか。


 ファミリー向けの事例 ​
ファミリーやカップル向けなど、複数の部屋がある物件の場合、リビングにソファ、寝室にベッドといった具合に各部屋の役割が分かるように家具や家電を配置する。そうすることで、入居後の暮らしがより具体的にイメージしやすくなる。


Before


After。ナチュラルな雰囲気にホームステージングをしたダイニング。ダイニングテーブルや冷蔵庫、食器棚などを置くことで、何もない部屋に比べて部屋の広さが分かりやすい。入居後のイメージ作りにも役に立つ


Before

After。テレビやソファを置いて、リビングだと分かりやすくした事例



 単身者向けの事例 ​
ワンルームでは、限られた空間を効率良く使えるような、多機能な家具などを使用。写真の事例では、入居者が家具なども気に入り、購入して入居後もそのまま使っている。


Before

After。高さが変えられるテーブルや、下が収納のベッドなど多機能な家具を用いることで、空間を効率良く使えるように演出したワンルーム。床や扉の枠まで白くリフォームしたのに合わせ、家具や食器まで白で統一している




 グリーンや小物を生かした事例 ​
グリーンや小物を上手に使えば、アクセントとなって、部屋の魅力が増す。100円ショップで買える小物類でも、印象はガラッと変えられる。


Before

After。窓辺に小さな多肉植物を置いたり、何もない空間に観葉植物を置くだけでおしゃれな印象になる


Before


After。パソコンや新聞を置くことで、カウンターの大きさが分かるだけでなく、ワークスペースとして使えることも分かる



執筆者

いとむら・みなみ/ホームステージャー2級。(有)サキコーポレーション インテリアデザイン部主任。ホームステージングのほか、リフォームの提案なども行う。VRにも力を入れており、今後はバーチャルでのホームステージングも手掛ける予定。
098・936・6000 www.saki-corp.jp/


◆ホームステージングとは
片付けや掃除、インテリアなどの専門知識・技術を活用しながら、家を整えることで、暮らしの質や家の価値を高めること。(一社)日本ホームステージング協会では、ホームステージングの普及とその担い手であるホームステージャーの育成に力を入れている。詳しくは同協会ホームページ(https://www.homestaging.or.jp/
 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1833号・2021年2月18日紙面から掲載

インテリア

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:975

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る