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2020年7月3日更新

【ひと】会員活動支え地域に貢献|金城傑さん (公社)沖縄県建築士会会長

2020年6月に、(公社)沖縄県建築士会の会長に就任した、(有)K・でざいん代表取締役の金城傑さん(65)。「まちづくりなど地域に貢献する活動を行い、スキルアップにもつながる会にしたい」と抱負を語る。

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(公社)沖縄県建築士会会長  金城傑さん
(有)K・でざいん代表取締役


-県建築士会の活動は?
本会は県内建築士の技術向上を図り、地域社会や建築文化の振興に貢献することを目的とした公益団体です。現在、千人余りの建築士が入会、15の支部があり、県内全域を網羅するマンパワーがあります。それを駆使し、建築的な視点から各地で町おこしに関わっているのが、他建築関係団体との違いだと私は考えています。活動は主にボランティアですが、設計などの実務にも生かされるスキルや情報など、得られるものは大きいと実感しています。
県建築士会の活動の一つにヘリテージマネージャー養成講習会があります。講習会の修了生は、これから地域行政と連携して、文化財を生かしたまちづくりを実践していくことが期待されています。彼らの活動を支えるためにも、スキルアップや情報収集がしやすい体制を整えたいと考えています。

-会長としての抱負は?
まだ戸惑いはありますが、会員が楽しく明るく活動できるよう何にでも一生懸命に取り組んで、風通しのいい体制を引き継いでいきたいです。


-今後の目標は?
2019年改正の「建築物省エネ法」は当初、寒さ対策といった県外の気候が基準でしたが、本会はじめ県内建築3団体が国に働きかけ、沖縄の気候風土に適する独自の基準設定につながりました。今後は、その裏付けや評価につながるデータ収集に注力できればと思います。国際交流では韓国済州島に加えて台湾にもパイプをつくり、会員の知識・技術向上につなげていきたいです。
 


地域文化財守り生かす
ヘリテージマネージャー養成


ヘリテージマネージャー(地域歴史文化遺産保全活用推進員)とは、社会的に認められた建築の専門家(建築士など)で、さらに歴史文化遺産の保全活用の手法を習得した人のこと。県建築士会は、文化財の保全や活用、地域づくりに生かす方法を学ぶ養成講習会を2018年から開講している。これまで44人の修了生を輩出し、首里のまちづくりなどの地域活動に取り組んでいる。修了するためには座学とフィールドワークの全日程に出席しなければならず、ハードルは高い。今後は昨年座学分の補習講座を行う予定で、修了生の増加にも力を入れるという。



2019年の講習会で、沖縄市こどもの国内にある古民家の実測演習を行った時の様子


きんじょう・すぐる 1955年、竹富町小浜島出身。東京電機大学卒。一級建築士。県内設計事務所で沖縄県庁舎をはじめ公共・民間施設の設計・監理に携わり、91年に(有)K・でざいんを設立。2014年から建築士会副会長を務め、20年に会長就任。趣味は陶芸とジャズベース。
◆(公社)沖縄県建築士会事務局 電話=098-879-7727

 

取材/川本莉菜子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1800号・2020年7月3日紙面から掲載

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