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2020年7月3日更新

住宅建築のトラブル|すまいのQ&A

沖縄県住宅供給公社では、住まいに関する悩みや相談に応える「住まいの総合相談窓口」を開設している。そこによく寄せられる疑問や質問を紹介する。今回は住宅建築のトラブルと対処法について紹介する。

Q・設計事務所や建築会社と契約をしたが解約したい

A.施主が、設計事務所や建築会社に手付金を交付している場合には、手付金を放棄することで解除することができる場合があります(民法557条)。
 ただし手付解除は、設計事務所や建築会社が履行に着手してしまった後はできなくなります。なお解除をする側(施主)が履行に着手した場合(例・内金や中間金の支払いした場合)も、解除を妨げることができないため、新民法557条はこの点を明確にしています。さらに新民法557条は、履行の着手をした側(解除ができないと主張する側)が立証責任を負うことも明確にしています。
 相手方の契約違反を理由に解除をする場合には、債務不履行に基づく解除をすることとなり、損害があれば損害の賠償を求めることとなりますが、事案により、既施行部分の解除ができない場合もありますので、注意が必要です。
 新民法の634条では、①注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったときや、②請負が仕事の完成前に解除されたときについて、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなすとしています。この場合、請負人は注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができることとなります。
 相手方に契約違反がない場合でも解除すること自体は可能ですが、その場合は、解除に伴う損害を賠償しなければなりません。いずれにせよ、契約書の内容が優先されますので、解除の場合の違約金の定めなども確認しなければなりません。
 話し合いで解決しない場合は、調停や訴訟などになりますが、その場合は法律関係が複雑になる可能性が高いため、早い段階で弁護士に相談する方がよいと思われます。



Q・建築中の住宅の工期が大幅に遅れており、理由も納得できない。
A.契約時に工期が定められている場合には、履行が遅滞していることとなり、契約違反となります。工期が遅れていることに正当な理由もなく、約束の期日までに完成することが難しい状況になった場合には、解除をすることも考えられます。ただし、既施行部分は注文者にとって利益となる場合が多いことから、未施工部分しか解除できないこともあるため注意が必要です。
 新民法の634条では、①注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったときや、②請負が仕事の完成前に解除されたときについて、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなすとしています。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができることとなります。
 いずれにせよ、工期が遅れたことで損害が発生した場合には、その損害の賠償を請求することとなります。もし、契約書に履行遅滞の際の違約金の定めがあれば、原則として、その定めに従って処理することとなります。 

※県住宅供給公社のホームページ(http://www.ojkk.or.jp)「住宅相談Q&A」より抜粋。

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住まいの総合相談窓口とは
各種専門機関の協力による相談・情報ネットワークで住まいに関するさまざまな疑問・不安に応える。窓口や電話、メールで相談できる。例えば…賃貸契約でトラブルになったら、住宅にかかる税金って、住宅の建築やリフォームをしたい、公営住宅に入居したい、土地や建物を購入する際の注意点など。

相談場所:那覇市旭町114-7(沖縄県土地開発公社ビル2階)

受付時間:午前9時~午後5時

定休日 :土日(第3を除く)、祝日、年末年始

電話番号:098-917-2433 メールsumaino@ojkk.or.jp
 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1800号・2020年7月3日紙面から掲載

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