企業・ひとの取り組み
2020年6月5日更新
【ひと】家族の暮らしに沿う木造|座間味修さん (株)木の家Green House代表取締役
(株)木の家Green Houseは社名の通り、木造の注文住宅を専門に手がける。座間味修代表取締役(49)は「インタビューや訪問により、家族のスタイルにぴったりの住環境を提案します」と力を込める。
家族の暮らしに沿う木造
-会社設立の経緯は?
もともと県内のハウスメーカーで、鉄骨造を中心とした住宅営業を担当していました。そんな中、県内で木造が注目を集め、自分も興味を持ち始めました。
次第に、「断熱性や調湿性に優れた木造なら、より良い住環境が提案できるのでは」と考えるようになり、木造についてしっかり勉強するため県外の工務店に再就職。台風などの揺れに強い構造をはじめ、木造住宅のノウハウを学んだあと、沖縄に戻って会社を設立しました。
-心掛けていることは?
お客さんがどう暮らしたいのか、本音を聞き出すこと。家族の要望を聞くだけでなく、写真付きの資料を見せるなどして潜在的に求めていることを明確にしていきます。
さらに、現在の暮らしぶりを知るため、必ず訪問もします。朝起きてから出かけるまでの家族一人一人の動き方などを細かくインタビューしたり、収納の中まで見せてもらうことで、趣味や嗜好(しこう)、課題なども把握できます。
-やりがいを感じる瞬間は?
ファーストプランを見せるとき。聞き取りや訪問で得た情報を基に、現在の課題なども改善して提案するので、最初のプランで決まることがほとんど。そのときの喜ぶ顔をみると、とてもやりがいを感じますね。
-今後の目標は?
時代とともに変化する暮らしや家族の形に寄り添いながら、棟数などの数字を求めるのではなく、一つ一つ丁寧に木造住宅をつくり上げていきたい。そのためにも、固定観念にとらわれず、お客さんに対しても親戚のような対等な立場で提案していければと思います。
「プレウォール工法」で耐震
構造見学会やセミナーも開催
(株)木の家Green Houseでは、台風や地震への耐久性を高めるため「プレウォール工法」を採用している。柱と柱の間に、断熱材と一体化した構造パネルを挟み込む工法で、「連続する揺れに強く、品質も安定しやすい」と座間味さんは説明。
また、柱や梁(はり)には、木の板を組み合わせた集成材を使う。「集成材は強度を数値で示すことができ、構造計算が成り立つ。性能が証明できるので、安心感も高まります」
構造見学会や木造についてのセミナーなども開く。「木造の中でも選択肢があることを知ってもらえたら」と話した。
木の家Green Houseが手がけた住宅。床には杉の無垢(むく)材が敷かれている
ざまみ・おさむ 1970年、沖縄市生まれ。96年、県内のハウスメーカーに入社し、鉄骨造住宅の営業を担当。2015年、木造について学ぶため、県外の工務店に就職。17年に沖縄に戻り、(株)木の家Green Houseを設立、代表取締役に。宅地建物取引士。映画鑑賞とバイクが趣味。
(株)木の家Green House 宜野湾市真志喜593-3 1F 電話098-975-9710
取材/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1796号・2020年6月5日紙面から掲載
この連載の記事
この記事のキュレーター
- スタッフ
- 出嶋佳祐
これまでに書いた記事:224
編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。