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2018年1月19日更新

知ってる?耐震化「安全の思い込み 家族を危険に」

地震国、日本。7年前には東日本大震災、一昨年は震度7の熊本地震が発生。沖縄でも同様の地震は発生すると想定される。その際わが身と家族を守るカギが住宅の「耐震化」。2回にわたりNPO沖縄県建築設計サポートセンターが耐震化への疑問に答える。

Q.そもそも耐震化って何?

耐震化とは、既存の建物に「数百年に1度の大地震」でも倒壊しないために必要な性能を持たせること。「大地震でも倒壊しない」という点がポイントです。
過去の大地震の死因で上位に挙がっているのが、柱が上の階を支えられずに落ちてきて、建物が崩れ、中の人が圧死するケース。それを防ぐためにできたのが1981年に施行された新耐震基準です。建物の耐震化では、まずこの新耐震基準に沿って今ある建物がどのくらいの耐震性能を持っているかを把握する「耐震診断」を実施します。そこで耐震性が低いと判断された場合は、必要な補強工事を行う方法があります。
 

Q.耐震化が必要な建物は?

1981年以前の旧耐震基準で建てられた建物です。新耐震基準の建物との大きな違いは「大地震では倒壊の恐れがある」こと。「倒壊」が死につながることは前述の通りですね。ちなみに新耐震基準で建てた建物は、大地震でたとえ建物に損傷が生じても倒れず、人命が損なわれることがないよう設計されています。
そもそも建物の耐震性は設計当時の耐震基準によって差があり、第1~第4世代に分けられます(図)。中でも1981年の建築基準法改正では構造計算の基準そのものが改訂されたため、1981年以前を「旧耐震基準」、以後を「新耐震基準」として耐震性能を大別しているわけです。
実際、阪神淡路大震災では、第3世代以降の新耐震基準で設計された建物の地震被害は少ないことが確認されています。ちなみに図内にある中地震とは「数十年に1度程度発生する地震」を指します。

旧耐震基準と新耐震基準|知ってる?耐震化
 

Q.沖縄でも耐震化は必要?

実際、2010年には糸満市で震度5弱の地震が起こっており、今後30年の間に震度6弱の大地震が来る確率は決して低くはありません(写真)。大切な命を守るために耐震化は必要です。
サポートセンターでは耐震化に関する相談窓口を設置しており、県民から柱、梁、壁のひび割れやスラブ、手すりの劣化といった、建物の耐久性に関する不安が多く寄せられています。その際、「耐震診断をしてみませんか?」と勧めても断られるケースがほとんど。「診断結果を知ったところで、どうしようもない」「老い先短いので住宅をどうするかは子どもに任せている」「費用が高額」というのがその理由です。
相談者の多くは「大地震は来ると思う」と関心は高い。にも関わらず対策をしない最大の要因は、「沖縄は地震より台風に気をつけるべき」「たとえ大地震が来てもすべての家が倒壊するわけではない」「多分、自分の家は大丈夫だろう」という合理的な根拠のない「思い込み」にあると言えるでしょう。この思い込みで不安を解消しようとする限り、あなたと家族の命は危険にさらされたままです。
「大地震が来るかもしれない」ということは、「来たら実際に家がつぶれて家族が死んでしまう可能性がある」ということ。「大地震は来る。だから建物の安全性は大切なことだ」と一人一人が認識を変えることが先決です。
市町村によっては経済的負担を減らす補助もありますので、1981年以前に建てた建物に住まわれている方は、サポートセンターにご相談ください。


防災科学技術研究所HPの地震ハザードステーションの全国地震動予測地図で、上は豊見城市近辺で今後30年間に震度6弱以上の地震に見舞われる確率を色分けし示したもの。地図上をクリックすれば地域を限定することもできる。豊見城市名嘉地地域の予測は37%となった

<知ってる?耐震化>
安全の思い込み 家族を危険に
劣化止めても耐震性は上がらない!


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1672号・2018年1月19日紙面から掲載

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徳正美

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