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2016年9月16日更新

塾生に自発性の芽 学び、議論する場|楽しい!ものづくり 沖縄未来建築塾2016より⑥

JIA沖縄支部(當間卓支部長)が6月からスタートさせた沖縄未来建築塾も半ばに差し掛かりました。建築家を目指して勉強、修行中の若い皆さんが学び、自ら声を発し、議論する場としての私塾です。目的は県内での建築家・設計に関わる人材の意識改革と向上、さらに世界の建築界に通用する人材の育成です。


初回の授業では大先輩方の話を聞き、生徒たちは感じたことをプレゼンテーションした。アウトプットに四苦八苦する生徒たち。たどたどしさはあったが、皆熱い思いを語ってくれた


半ばを迎え感じる「化学反応」
初回は「沖縄建築の行方」と題して、小倉暢之琉球大学教授、建築家の國場幸房氏、島田潤氏をお招きし、長年にわたり沖縄で建築活動を通して考えてこられた背景を熱く語っていただきました。本連載の4回目(7月15日発行・1593号)で既報されています。
塾生の反応は、この初回から大変良く、「受講する学生の目つき、建築に対する姿勢がかなり前向きになってきた」と、普段指導されている先生から報告をいただいております。
おそらく回を重ねるごとに各人の思いや発言などが互いに化学反応を起こしながら、高いステージに到達しうるものと予測されました。
そんな初回の熱気冷めやらぬ中、第2回沖縄未来建築塾は7月に久茂地の総合資格学院で開催しました。沖縄建築賞の受賞者とアンダー40コンペ優勝者をお招きし現在の沖縄建築について俯瞰していきました。
お招きしたのはクレールアーキラボの畠山武史さん、久友設計の蒲地史子さん。JIAからは私が参加し、それぞれの作品の設計過程などを多数のスライドを交えながら紹介していきました。
塾生たちとあまり年齢が離れていない講師ということもあって(細矢だけは離れていますが)将来を明確にイメージできたと思われます。
畠山氏の作品(自邸・宮古島の住宅)は、大きな開口と深い庇を設けることで沖縄の風土性に呼応しながらも、ドラマチックな風景を獲得する手法が示されました。蒲地氏が全面改修を手掛けた名護湾を望む展望台の「Subaco 名護城公園ビジターセンター)」からはリノベーションの可能性が示されました。建築家を目指す若い方々にとって、スタンダードな指標として、数年先の沖縄建築をイメージ出来る貴重な場となったことと思います。

アウトプットに重きを置いて
毎回最後にチームを組んで意見発表の時間を設けているのがこの塾の特徴です。感じたことを自分なりにアウトプットすることで思考を明確に定着するだけでなく、発表すること自体に慣れてほしいという意図があります。
中盤を迎える塾は、受講者を含めた参加者全体の議論の場、としてはまだ未成熟な段階ですが、受講者の皆さんの中には熱い思いが芽生えているはずで、自発的なものづくりや活動が促される予感がしています。
4回目の授業は9月21日(水)に、東京とカンボジアの首都・プノンペンを中心として活躍されている建築家・川辺直哉氏をムーンビーチホテルにお招きして夜通しで名建築と建築家、塾生の三位一体のセッションをする予定。これは大変魅力的な場です。さらなる議論の場として、塾生の化学反応を期待しています。

執筆/細矢仁(細矢仁建築設計事務所代表、JIA沖縄支部教育副委員長)

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1602号・2016年9月16日紙面から掲載

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