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2025年1月17日更新
おいしい料理と家族との時間を味わう|ラグの世界⑪
イランやトルコなどの中東で手織りされるラグを取り扱う那覇市西の「Layout(レイアウト)」のバイヤー、平井香さんによるイラン旅記。今回は番外編「イランフードの世界」。ケバブやスープ、スイーツから家庭の味まで、平井さんの好きなイラン料理を紹介する。
エピソード⑪ 番外編・イランフードの話
旅に欠かすことができないもの。それはやっぱり「食」だと思っていて、イランでも毎日のフード事情はラグの次に重要だ。
イランの食では、「ハラール」について知っておく必要がある。イスラームの国ではハラールという食べて良いとされるものと、ハラームという食べてはいけないとされているものがある。食べないものとして代表的なのが豚肉とアルコールだが、イランでも、レストランやスーパーなどではこれらの食材を含むものは置いていない。だが、お肉は羊、牛、鶏が食べられるし、普段からお酒を飲まない私はノンアルコールビールで満足できる。野菜も果物もナッツも豊富で食材も豊かな国だ。
味付けは全体的に優しい味が多く、スパイシーで辛い物はあまりないので、日本人の口に合う料理が多い。
イランの食では、「ハラール」について知っておく必要がある。イスラームの国ではハラールという食べて良いとされるものと、ハラームという食べてはいけないとされているものがある。食べないものとして代表的なのが豚肉とアルコールだが、イランでも、レストランやスーパーなどではこれらの食材を含むものは置いていない。だが、お肉は羊、牛、鶏が食べられるし、普段からお酒を飲まない私はノンアルコールビールで満足できる。野菜も果物もナッツも豊富で食材も豊かな国だ。
味付けは全体的に優しい味が多く、スパイシーで辛い物はあまりないので、日本人の口に合う料理が多い。
家族みんなで囲むイランのおうちご飯
ケバブやサフランアイス
イランフードの代表といえばやはりケバブ。そのケバブの中でも代表的なものは「クビデ・キャバーブ」と呼ばれるラムのミンチをつくねのようにして串で焼いたもので、ラム肉にハーブや玉ねぎなどが混ざっていて食べやすく、サフランとバターのご飯とも相性抜群だ。
また、私がイランで絶対に食べたいのが「スーペ・ジョー」という大麦のスープ。プチプチとした麦の食感がたまらない。店や家庭によってそれぞれの味があり、さっぱりトマト系スープもあればクリーム系の優しい味の店もある。ただ、レストランでスーぺ・ジョーを頼むと、これ1杯でおなかいっぱいになってしまうことだけが残念。
イランに長く滞在するとケバブを食べたくない日もある。もしパスタが食べたくなったら、「アルフレッド」がオススメ。ほぼ確実に濃厚なマッシュルームのクリームパスタが出てくる。カフェなどにもあることが多く、私の救世主メニューである。
左の3本がクビデ・キャバーブ
そしてデザートにはサフランのアイスを。町のキヨスクのような小さな売店でも売っているイランの定番アイスだ。日本ではパエリアくらいでしか使われることがないが、イランのサフランは有名で、サフランを使った料理もデザートもたくさんある。
イランではポピュラーなサフランのアイス
やっぱり母の味が一番
イランでは外食の選択肢が多くなく、家庭料理の方がバリエーションがあっておいしい。
イラン各地で家にお邪魔してご飯を一緒に食べさせてもらったが、やっぱり家の味にかなうものはない。「うちのお母さんが作るご飯が一番おいしいんだよ!」と力のこもったプレゼンの時点で、すばらしいごちそうであることは間違いない。
家族みんなで食べるのが彼らにとっては日常で、食のシーンでのコミュニケーションがイランにはまだ当たり前にある。日本でひとりで食事をする機会も多い私には最初、その光景がとても新鮮に映った。
家族との時間や絆をとても大切にする人たちだからこそ、ラグの技術や伝統を何千年もの間受け継ぎ、今に残すことができたのだと感じた。イランへ行く機会があれば、是非おいしいイランフードとともに彼らの温かさに触れてほしい。
執筆者/ひらい・かおり
ラグ専門店Layout バイヤー
那覇市西2-2-1
電話=098・975・9798
https://shop.layout.casa
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2037号・2025年01月17日紙面から掲載