夏場の観葉植物 水・風・光に注意[緑のある暮らし②]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2024年8月30日更新

夏場の観葉植物 水・風・光に注意[緑のある暮らし②]

当コーナーでは家庭菜園やガーデニング、観葉植物など緑を楽しむ暮らしをプロが伝授。今回は、那覇市の老舗㈲わかば種苗の照屋清司さんと、世界中から集めた珍しい観葉植物などを取り扱う「W-PLANTS」(那覇市)のスタッフ翁長優菜さんに夏場の観葉植物の育て方を教えてもらった。

夏場の観葉植物 水・風・光に注意


枯らす最大要因「水やり」

観葉植物は比較的、水やりなどの手間が少なく、初心者でも育てやすい。

しかし、枯らしてしまう最も多い要因が「水やり」。「水は与え過ぎても少な過ぎてもダメ。土が乾いてから、たっぷり水をやるのが基本です。鉢底からあふれるくらい与えましょう」と照屋さんは説明する。

夏場は暑さや冷房などの影響で乾燥しやすい。まめに植物や土の状態を確認しよう。

一方で翁長さんは「初心者は、水のやり過ぎで枯らしてしまうケースが多い。ずっと土がぬれた状態だと根腐れしやすくなるので、やり過ぎないようにしてください。水やりのタイミングを教えてくれる水分計を利用するのも手です」と話す。


過度な日射や西日避ける

次に置く場所。「観葉植物はもともと、生い茂った木の根元(日陰)に生育していた種類が多い。そのため、ある程度の明るさや風通しを確保しつつ、直射日光や西日が長時間当たらない場所に置きましょう。私はベランダの日影に置いています」と翁長さん。照屋さんは「昼から夕方にかけて日差しが入り過ぎる窓際はカーテンなどで対策してください」とアドバイスする。

また、植物にエアコンの冷気が直接当たらないようにすることも大切。「風向きを加減したり、サーキュレーターや扇風機などで冷気が当たらないように調整してください」。

ちなみに、「W-PLANTS」の店内は、植物にエアコンの冷気が当たらないようシーリングファンを回しているほか、日が当たりにくい場所では植物育成用のLEDライトを活用している。ほかにも「西日が当たる場所は遮光ネットを設置しています。遮光ネットは100円ショップでも購入できます」と翁長さん。

夏場でも水やりと置き場所に注意すれば元気に育ってくれる。涼を呼ぶ爽やかなグリーンで空間を彩ってみては?


 乾燥好む多肉植物 

サボテンや多肉植物をトイレやキッチンなど水回りに置いている人もいるが「多肉植物やサボテンは乾燥を好み、湿気の多い場所を嫌います。基本的には直射日光が当たり過ぎず、雨ざらしにならない屋外に置くのがおすすめです。どうしても室内に置きたい場合は、定期的に外へ出して外気浴させてあげましょう」と翁長さんはアドバイスした。


 置き場所や育て方のポイント 

水やりは土が乾燥してからたっぷり

観葉植物を枯らしてしまう要因で最も多いのが「水やり」。初心者は水のやり過ぎで枯らしてしまう人が多いそうだ。「水やりの目安は『土が乾燥したら、鉢底から染み出すくらいたっぷりあげる』こと。常に土がぬれた状態だと蒸れて根腐れを起こしてしまうので、やり過ぎに注意」と照屋さん。「逆に葉に張りがなくなり、しおれていたら水不足のサイン。すぐに水をやってください」とアドバイスする。

便利アイテム「水分計」
水分計とは、土に挿しておけば水やりのタイミングを数値や色の変化で教えてくれるガーデニングアイテム。観葉植物用なら数百円から購入できる


エアコンの風を直接当てない

エアコンの風が直接当たると、葉が乾燥しやすく、病害虫の発生リスクも高まる。さらに急激な温度変化で植物が弱ってしまう。風向きを調整したり、扇風機やサーキュレーター、シーリングファンなどを併用して、風が当たらないように調整しよう。


置き場所は適度に明るく風通しが良い場所

観葉植物は、森林の日陰で生育していた種類が多いため、直射日光や西日に当たり過ぎると弱ったり、葉が焼けたりする。程よく明るくて風通しのよい場所に置こう。窓辺に置く場合は、レースカーテンなどで昼間から夕方の強烈な日射を遮る。

通気性も重要。湿気がこもった場所に置くと、水切れが悪くなって根腐れしやすくなる。風を通し、程よく土を乾かすことも大切。


便利アイテム「植物育成ライト」
植物の光合成を促す人工の光源。植物にとって十分な光量を照射し続けられるので、明るさが足りない場所での育成も可能。蛍光灯やLED、ハロゲンライトなどがある


植物の元気がないときは・・・

①虫が付いていないかチェック
虫が付いている場合は「私は手作業で1匹1匹駆除しています。植物用の殺虫剤を使う場合は、植物を屋外に出して噴霧してください」と翁長さん。

②根詰まりを起こしていないか確認

鉢の中で根がギュウギュウに詰まった状態になっていないか確認する。根詰まりしていたら、根をほぐして1~2回り大きな鉢に植え替える。

③1〜2週間、外(雨ざらしにならない日陰)に出す

虫や根詰まりが原因ではない場合は、「1~2週間、外に出して外気浴させましょう。その際、直射日光が当たり過ぎず雨ざらしにならない日陰に置くこと。適度に日や自然の風に当てることで植物が元気を取り戻すこともあります」と翁長さんは説明する。

④液体肥料をあげる
外気に当てても元気にならない場合は、即効性の高い観葉植物用の液体肥料をやって様子を見る。


 夏の庭におすすめ 「ドライガーデン」 

夏場も外でガーデニングを楽しみたいという人におすすめなのが、暑さや乾燥に強い「ドライガーデン」だ。砂漠などの乾燥地帯をイメージした庭で、サボテンや多肉植物、砂利や石などで構成する。ワイルドでかっこよく、水やりの手間が少なくメンテナンスもラクなため、特に男性に人気。「よく日があたる場所で、水はけの良い土にすれば比較的、簡単に育てられる。沖縄に適したスタイルだと思う」と照屋さん。W-PLANTSでも、ユッカ・ロストラータやサボテン(鬼面角)などのドライガーデン用の植物が売れ筋だそう。


教えてくれた人

(右)てるや・きよし/創業約70年の老舗「(有)わかば種苗(那覇市樋川)」の種苗部長。野菜ソムリエの資格も持つ
なが・ゆうな/世界中の観葉植物などを取り扱う「W-PLANTS」スタッフ
わかば種苗
電話=098・832・5422
https://www.wakabaseed.com/


W-PLANTS
覇市樋川2−3−1 のうれんプラザ1階
電話=098・987・5466

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2017号・2024年8月30
日紙面から掲載

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