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2021年12月31日更新

【沖縄】トイレから考える SDGs|世界遺産にあるトイレ|ベンチがトイレに

SDGsには、海や陸の豊かさを守ったり、住み続けられるまちづくりを目指すゴールもある。ここでは、微生物によって排せつ物を処理するトイレや、災害時に役立つトイレを紹介する。

トイレから考える SDGs
 

自然の力で処理

微生物や太陽光発電生かし海や山を汚さない

今年7月、世界自然遺産に登録された本島北部のやんばるの森。そこに位置する与那覇岳(国頭村)の登山道入り口付近には、バイオトイレが設置されている。

ポイントはトイレの下にある、おが粉の入った処理槽。排せつ物はその処理槽で攪拌され、そこに住む微生物が水と二酸化炭素に分解していく。おが粉は定期的に追加・交換され、衛生を保つという。

そのため、汚水などが流出し、山や海を汚すことはない。さらに、攪拌のための電力は太陽光発電によって賄われており、エネルギー面でもクリーンなトイレとなっている。

一方、糸満市の光建設(株)は、(株)沖創工とアルコ(株)と共同で「ミニソフィ」を開発。これは20フィートのコンテナの中に、汚水処理システムと多目的トイレを収納した、循環型水洗トイレだ。

汚水処理システムは天然土壌を用いたもので、土壌に住む微生物の働きによって汚水を処理し、再びトイレの洗浄水として使えるようにする。消費電力はわずかで、太陽光発電と併用すれば、インフラが整備されていない場所にも設置でき、災害時にも役立つ。

トイレスペースは2・8㍍×2・2㍍の広さがあり、車椅子利用者と介助者が一緒に入ることもできる。

既存のトイレに汚水処理システムだけを導入することも可能で、設置場所などのニーズに応じられるという。


 世界遺産にあるトイレ 

与那覇岳登山道入り口付近のバイオトイレ。水道が通っていないため、微生物で処理するトイレが導入された。登山の際は安全面から地元ガイドを伴うことが推奨されている

 循環型水洗トイレ 

コンテナの中に汚水処理システムと多目的トイレが入ったミニソフィ。水を循環させて使える

 ミニソフィ内部の平面図 


 

 

災害時に力を発揮

病気予防や被災した町の早期復旧につながる

「災害時、食事は我慢できても、トイレは我慢できない」。そう話すのはNPO法人防災サポート沖縄の長堂政美理事長。トイレを我慢すると病気になる恐れがある上、災害時にトイレが使えれば地域の人たちがそこを離れずに済み、早期復旧にもつながるという。そこで、長堂さんに災害時に使えるトイレを紹介してもらった。

例えば、嘉手納町のロータリー広場にあるトイレは、屋根の上に高架タンクがあり、断水時にも利用可能。多目的トイレにはストーマ装具などを洗浄するための設備もある。

沖縄市のマンタ公園にあるのはトイレになるベンチ。普段座っている座面の下に便座があり、座面を上げるだけでトイレとして使えるようになる。

また、マンホールトイレもある。下水道のマンホールを開け、そこに便座などを設置して用を足す。そのため排せつ物は直接下水道に流れていく。



 ベンチがトイレに 

沖縄市マンタ公園のベンチ。平時の状態

非常時の状態。ベンチの座面を上げれば便座が現れ、トイレとして使える。使用時は周囲からの視線を防ぐため、テントなどで囲む

 断水に備え 

嘉手納町のロータリー広場にあるトイレ。上に高架タンクがあるため断水時でも使える


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 <年末年始特別号>
第1878号 第1集・2021年12月31日紙面から掲載

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