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2021年9月24日更新

[沖縄]特集・不動産の日|危険な不発弾! あなたの土地は大丈夫?

9月23日は全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が制定した不動産の日。不動産活用・取引をテーマに特集を展開します。

危険な不発弾!
あなたの土地は大丈夫?


2013年12月、糸満市喜屋武の磁気探査業務で発掘された1㌧爆弾について、陸上自衛隊第101不発弾処理隊が信管安全化処理作業を行っている様子。作業中は、万が一に備え、旅客機の運航路も変更されたという。(スキルエンジニアリング提供)

今も1906㌧ 年600件発見

住宅やアパートを建築している最中に、不発弾が爆発したら―。先の大戦で激しい爆撃を受け、熾烈な地上戦が繰り広げられた沖縄なら、どこででも起こり得ることだ。県は、地中には今も1906㌧もの不発弾が埋没していると推定。ことしも県内各地から発見され続けており、その件数は年間約600件にのぼるという。

沖縄タイムス2013年12月13日付紙面より

こうした現状を踏まえ、建築現場で行われているのが、特殊機器を使って不発弾埋没の可能性を見極める「不発弾探査」。2012年からは、申請すれば住宅などの民間工事予定地でも、自己負担なしで行えるようになった。

孫子の代まで安心して住み継げる家づくりや、安全な土地活用のためにも知っておきたい「不発弾探査」と補助事業について紹介する。


探査で発見 1140件


1974年3月2日に那覇市小禄の聖マタイ幼稚園内で起きた不発弾爆発事故の写真
(沖縄タイムス2014年8月10日付紙面)

沖縄総合事務局の沖縄不発弾等対策協議会の資料によると、不発弾に対する取り組みのきっかけとなったのは、1974年3月2日に那覇市小禄の幼稚園敷地内で発生した不発弾爆発事故=上写真。下水道工事中に不発弾が爆発し、園児を含む4人が死亡、34人が重軽傷を負い、117棟の家屋や多数の車輌などに被害が及んだ。県防災危機管理課不発弾対策班の棚原康之班長は、「これを機に不発弾の危険性を再認識。県民の生命や財産を守るため『沖縄不発弾等対策協議会』が設置され、翌1975年から不発弾処理事業が始まった」と説明する。

1974年3月2日に那覇市小禄の聖マタイ幼稚園内で起きた不発弾爆発事故から41年目に行われた記念碑建立式典の報道。この惨事が不発弾処理対策の転機になった
(沖縄タイムス2015年3月3日付紙面より)


その後、2009年1月14日に発生した糸満市での不発弾爆発事故=下=を機に、公共工事の不発弾探査が義務化。一方、民間工事については施主の判断に任されており、経済的な問題から十分に探査が行われているとは言えない状況だった。「そこで民間工事における不発弾探査の支援・促進を図るため、12年に『住宅等開発磁気探査支援事業』を創設。住宅の新築・建て替えやその他の民間工事予定地を対象に、探査費用を原則100%補助している」。昨年度の事業費は約15億円。これは不発弾等の処理全体に充てられる交付金の半分余にあたる。


公共工事の不発弾探査義務化のきっかけとなった糸満市の不発弾爆発事故の報道記事(沖縄タイムス2009年1月14日付紙面より)

同支援事業による探査実施件数は年々増えており、「一昨年まで年200件程度だったが昨年は257件実施。ことしは9月1日時点で140件の申請を受理した」。申請方法は、所定の申請予定票に記入し、必要書類を添えて市町村の担当窓口へ。

建て替え工事で発見

不発弾処理事業開始から昨年度までに探査を実施したのは3873件、うち1140件で不発弾が発見されており発見率は29・4%。

糸満市喜屋武の岩場で見つかった1㌧爆弾。事前探査で大きな磁気反応を示した(スキルエンジニアリング提供)

棚原班長は「今年に入ってからも不発弾は発見され続けており、南風原町や名護市では磁気探査で、西原町では工事中などに偶然見つかった」。このうち西原町の住宅地で見つかった5㌅砲弾は8月15日に処理作業が行われたが、半径88㍍以内の20世帯、11事業所が避難。西原IC―那覇IC間などが通行止めになった。

「現在も、那覇市の住宅密集地で建て替え工事のための解体中に5㌅砲弾が発見された件で、処理方針を協議中。同ケースは、知らなかったとはいえ爆弾の上に住んでいたことになる。戦後に建築された住宅の建て替え時期にきている今、甚大な事故を防ぐためにも支援制度を大いに利用してほしい。また万一、工事中などに不発弾を見つけたら、速やかに警察に連絡し指示を仰いで」と呼び掛けた。


棚原康之班長
県防災危機管理課不発弾対策班

 

住宅予定地も100%補助

住宅建築やその他の工事を行う際に不発弾探査を補助する「住宅等開発磁気探査支援事業」が、申請を受付中だ。事業の対象や申請方法、費用負担や万が一不発弾が見つかった場合の対処法など、同事業にまつわる内容を、Q&A形式でまとめた。

 

Q1 対象は?
A住宅の新築・建て替えや、その他の民間工事予定地

住宅の新築や建て替え、学校・福祉施設・病院・各種事業所・店舗・工場・ホテル・構造物・土地造成といった民間の工事予定地が対象です。面積による制限はありませんが、過去に同事業の補助を受けたことがある土地は対象外です。

Q2 申請方法は?
A建設予定地の市町村窓口に、「申請予定票」を提出


沖縄県防災危機管理課、各市町村の担当窓口で配布中のパンフレット=右=にある「沖縄県住宅等開発磁気探査支援事業申請予定票」に記入し、建設予定地の市町村窓口に提出を。詳細は下囲み参照。

Q3 費用はどれくらい?
A原則、申請者の負担はなし 費用は100%補助されます

不発弾探査の費用は、毎年度の予算の範囲内で交付決定を行います。原則100%補助されるため、申請者の負担はありません。ただし、樹木の伐採や所有物の撤去などは、申請者自身で行う必要があります。

Q4 補助を受けられないケースは?
A交付決定前に探査を実施すると補助が受けられません

不発弾探査は、補助金の交付決定後に申請者と探査を行う業者が契約し、着手します。交付決定前に探査を行ってしまうと、補助が受けられなくなるので注意を!

Q5 不発弾探査とは、どんな調査?
A不発弾の有無や埋没位置を適切に把握するための探査方法

不発弾などの危険物が主に鉄類でできていることを利用し、磁気変化を探査計で測定する方法。不発弾の有無や埋没位置を適切に把握できる。比較的浅く埋没した不発弾を広い区域にわたって探査する「水平探査」、基礎杭を打設するなど地中深くまで工事する際に行う「鉛直探査」=写真=などがある。

写真)精巧エンジニアリング提供

Q6 万一、不発弾が見つかったら?
Aすぐに警察へ連絡を。建設予定の市町村、県、自衛隊で処理方法を協議し、後日処理作業を実施

不発弾探査中に不発弾が見つかったら、建設予定地の市町村、県、自衛隊で処理方法を協議の上、後日処理作業を実施します。費用はすべて公費で賄われます。万一、不発弾探査を実施していない土地で建築工事中に見つかった場合は、即刻工事を中止し、速やかに警察へ連絡を!

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https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/chijiko/bosai/jyuutakujikitannsa.html

 

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1864号・2021年9月24日紙面から掲載

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