地域情報(街・人・文化)
2021年4月2日更新
アクセス便利でコンパクトな街-沖縄市登川-
[歩いて見つけた!地域の住み心地-43-]沖縄市の北部に位置する登川地域は、沖縄自動車道・沖縄北インターがあり、交通の便が良いのが特徴。5年前に中頭病院が移転、主要道路は飲食店やスーパーなどが軒を連ねる。商業地の地価は上昇率県内5位で緩やかに上昇しており、他市と比べてコロナショックの影響は小さいようだ。住宅地はコンパクトで旧集落の名残を感じるのどかな雰囲気。北インターは本年度から渋滞緩和のための工事着手予定で、物流倉庫などの土地需要に期待が高まる。
◆学校区◆
北美小学校、美里中学校
◆家賃◆
相場は標準的。新築2LDKは5万~6万円、3DKは6万~6万5000円ほど。駐車場は1台分付きが多い
◆土地の相場◆
宅地は坪当たり38万~42万円ほど。希少価値が高い
◆地域を通るバス◆
登川地域内の国道329号を通るバスは、90番(具志川BT~登川~胡屋~宜野湾~那覇BT)、75番(金武~登川~胡屋~北谷)、朝夕1本のみの123番(金武~登川~胡屋~中城~那覇BT)がある。県道224号線は沖縄市循環バスの北部ルートが運行し、美里小学校や美里中学校近くを経由する
商業地の地価は上昇続く
1 県道224号線の沿道。写真左側に県道が通り、コンビニや飲食店が並ぶ。中央に見える大きな建物が中頭病院
病院移転でにぎわい
沖縄市の北部にある登川。沖縄北インターがあり、本島全域へアクセスしやすい便利さが特徴だ。国道329号はひっきりなしに車が往来し、沿道にはスーパーやファーマーズマーケット、飲食店などが並ぶ。
2016年に中頭病院が同地域へ移転。翌年にはうるま市川崎・昆布とを結ぶ県道224号線が全面開通し、地域外の人も足を運ぶようになった。それに伴って県道沿いにも飲食店やコンビニなどのチェーン店が続々オープンし、商業でにぎわう。
ことし3月23日に発表された「令和3年地価公示」で、登川国道沿いの商業地の上昇率はプラス2・4%(9万700円/平方メートル)。那覇市などの観光商業地をはじめ、コロナショックで各商業地の地価が下落または横ばいとなったことで、登川は上昇率県内上位5位に押し上げられた。住宅地の地価は横ばい(7万6000円/平方メートル)で、新型コロナによる地価変動の影響は小さいようだ。
2 登川団地付近の公園から住宅地を見る。写真左に見えるのが団地。区画整理された場所には小さな公園がいくつかある。国道や県道のにぎやかさとは打って変わって、住宅地内は緑も多くのどかな雰囲気。アパートも3~4階建てと高さは抑えられていて、街並みになじむ
家賃は標準も土地高め
国道や県道沿いが商業でにぎわう一方、その内側は閑静な住宅地が広がる。県道36号線側は旧集落の様子を残し、赤瓦の住宅も見られる。県道26号側は平成の初めに区画整理が完了。公園がいくつかあり、歩道や敷地内の植栽が充実していて、緑が多い印象を受ける。
沖縄市内で長年不動産業を営む開邦不動産の宮城章さんは、「コンパクトな住宅地でのどかさもある。交通のアクセスが便利なので住みやすい地域ですよ」と同地域を紹介する。「旦那さんが那覇や浦添で勤務、奥さんが沖縄市やうるま市などの出身の家族には好まれやすい。通勤しやすく、子育ての際に奥さんの親元を頼りやすいですから」
賃貸物件はファミリー向けが主流。「家賃は標準的な相場で、新築だと2LDKが5万~6万円、3DKが6万~6万5000円ほど。駐車場は1台付きが多いです」。区画整理から年月がたち、成熟した地域のため、「宅地はほとんど市場に出ず、希少価値がついているようです。売買の相場は、場所にもよりますが、坪当たり38万~42万円ほどと高めです」。
元は原野や畑が多い地域で、県道36号線より北側や国道329号より北西側に今でも残る。「交通が便利で土地が広いため、倉庫など物流関係の需要が高いです。沖縄北インターの渋滞緩和整備は、宅地需要に大きな影響はないかと思いますが、物流関連には期待が大きいのではないでしょうか」と宮城さんは話した。
3 登川公民館付近の住宅地は、旧集落の様子を残し、赤瓦の民家や昔ながらのRC住宅が並ぶ。アパートは少なく、1~2階建ての一戸建て住宅が多い
登川周辺の賃貸物件
うるま市兼箇段 日当たり良し
「登川は賃貸の空きがほとんどない」と開邦不動産の宮城さん。紹介してくれたのは、登川の隣の地域、うるま市兼箇段にある物件だ。「ファミリー向けの2LDK。築古ではあるが、洋室に大きめの窓があって日当たりがいいのがオススメポイント」と話す。 鉄筋コンクリート造3階建ての3階にある角部屋。家賃は4万円、駐車場1台分付き。共益費は2000円。問い合わせは同社(電話=098・932・5075)。 |
インター入りやすく渋滞緩和に期待
2021年度から工事着工予定
国道329号沖縄北IC交差点を知花向けに見る。整備後は、写真左車線に右折レーンが、右車線に左折レーンが増える予定
国道329号の沖縄北インター交差点は、インターに進入する車が国道の車の流れを止めるため、特に朝夕の通勤ラッシュ時の渋滞が課題だ。ことし3月に開かれた「沖縄地方渋滞対策推進協議会(沖縄総合事務局開発建設部)」で、本年度から渋滞緩和のための工事に着工する予定との報告がなされた。工事では、インターに進入しやすくするために、国道の右・左折レーン、県道36号線の直進レーンを増やす。また、インター側も進入車線を増やすなどして、渋滞緩和を図る計画になる。開通時期は未定であるものの、しばらくは工事のための混雑が予想される。 |
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1839号・2021年4月2日紙面から掲載