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2021年3月26日更新

第24回卒業設計作品選奨|(公社)日本建築家協会 沖縄支部

県内の建築系の学生による2020年度の卒業設計の中から優れた作品を選ぶ「卒業設計作品選奨」の審査が3月13日、那覇市内であった。最優秀賞には琉球大学4年の福地秀真さんの作品が選ばれた。

学生ならでは 発想力光る


居酒屋の中に住居、布の建築物など学生ならではの柔軟な発想が光った。社会性・独創性・現実性のバランスには欠けるものの、一つに秀でた個性的な作品も多く、審査委員長の美濃祐央さんは「審査は非常に難しかった。とても刺激になった」と話した。

24回目となる今回は大学部門に4点、短期大学・専門・専修学校部門に6点の応募があった。最優秀賞には福地秀真さん(琉大4年)の「余白とタームスケープ」が選ばれた。

宜野湾市で生まれ育った福地さんは、同市大山地区の水田と商・工業地の間にある余剰空間を特産品の田芋で活用することを提案。「田芋の直売所やキッチンスペース、加工所を配置した」

第24回卒業設計作品選奨の受賞者と審査委員。前列左から2人目が最優秀賞を受賞した福地さん=13日、県立博物館・美術館

必要な空間を探るため、「田芋農家のサンキューファームさんで働かせてもらった。農家同士のつながりが薄いことを知り、コミュニティースペースを設けて、情報交換ができるようにした」。

「積極的に行動し、見えた課題を設計に落とし込めたのが良かったと思う」

最優秀賞作品 福地秀真さん(琉球大学4年)
「余白とタームスケープ」

福地さんは、出身地である宜野湾市大山の余剰空間に特産品である田芋の直売所や加工所、農家同士が交流するコミュニティースペースなどを造る提案をした

6月には全国大会へ

美濃審査委員長は、福地さんの作品を「地域性にきちんと向かい合った」と評価した。総評では「沖縄独特の環境を考慮しつつ、多彩な要素を整えるのは難しい。試行錯誤しながら取り組んだ跡が見えた。受賞した人もしなかった人もこの場に作品を出し、プレゼンしたということが重要。今後の糧にしてほしい」と語った。

福地さんはことし6月に行われる全国卒業設計コンクールへの出場権を得た。「図面や模型を作り直し、受賞を狙う」と意気込んだ。

受賞作品一覧

【最優秀賞】
福地秀真さん(琉球大学4年)「余白とタームスケープ 宜野湾市大山水田と都市を接続する6次産業化施設」
【優秀賞】
三藏南華さん(琉球大学4年)「布 よめ入り1日前の建築」
宮里奈央さん(沖縄職業能力開発大学校2年)「脇役建築 風景を魅せる建築」
仲本滉輝さん(沖縄職業能力開発大学校2年)
「銀天街バス停広場活用計画 銀天まち」
【佳作】
大林賢矢さん(琉球大学4年)「居住的酒場道」
本多琴美さん(琉球大学4年)「山での暮らし」
大城茉綸さん(沖縄職業能力開発大学校2年)
「沖縄県立郷土芸能劇場の計画・設計 伝統芸能の伝承を図る施設」

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