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2022年2月18日更新

【沖縄】家電は好きなだけ増やせる?|今ある家をバージョンアップ[22]

文・豊見山智(リノベーション協議会沖縄支部 副支部長)

case22
「住宅の電気容量」

◆相談&課題

IHや食洗機のついたキッチンにしたい。クーラーの数も増やしたい。
◆リノベのプロが提案!
決められた電気容量があるので、場合によっては容量アップの工事が必要に

リフォーム、リノベーションの主役ともいえる、キッチンや水回りの工事。IHクッキングヒーターを入れたり、食洗機を付けたり、オール電化にしたりと、設備も最新に変えていく中で、気をつけないといけないのが「現在の建物の電気容量」です。特に築40年以上の建物だと、家電だけでも電気容量が足りない場合もあります。

現在の電気容量をチェック

分電盤(ブレーカーが入っているところ)を開けると、大きなブレーカーがあり、そこに「◯◯A」と表示されています。その◯◯の数字が電気容量です。この数値を超えると家全体の電気が使えなくなってしまいます。30~40年前は40Aくらいが標準でしたが、最近はそれだと足りない場合も出てきています。

その理由は、昔と比べて家電の数が増えたから。特に沖縄では、クーラーも必需品ですし、1部屋に1台設置することも珍しくありません。

最近の家電やクーラーは省エネタイプも普及しているので、あまり電気は使用しないのでは、と思われるかもしれません。しかし、家電の数が増えると、やはり使用する電気量も全体的に多くなっていきます。特にシステムキッチンに入れるIHクッキングヒーターや食洗機、ユニットバスに取り付ける浴室乾燥機などは、今までなかった設備ですので、単純に使用する電気量がプラスされます。

■築40年ほどの住宅と最近の住宅の電気容量の違い

築40年ほどの住宅の分電盤


電気容量は40A

最近の住宅の分電盤。IHクッキングヒーターや電気温水器のスイッチもある


電気容量は100A

電気容量を上げるには工事が必要

電気工事をすることにより、その家の電気容量をアップさせることができます。特にIHクッキングヒーターや電気温水器の設置となると電気容量のアップは必須です。

また、IHクッキングヒーターでも、家電屋さんで購入できるものなど通常のコンセントで使える程度のものなら問題はありません。ですが、キッチンに組み込むタイプだと、使用する電気量が大きいため電気容量が足りなくなるなど、電気工事が必要になる場合もあります。

最近はユーチューブなどで「自分で◯◯やってみた」といった動画もあるので、なんとなく自分でも組み込むタイプを設置できるんじゃないかと思いがちです。しかし、このように電気容量の問題もありますので、やはり電気工事のできる資格を持ったプロに任せることをお勧めします。

    ◇        ◇

電気容量をアップするのは難しいことではありません。もちろん資格を有するプロに任せる必要はありますが、昔の容量のままだと、これから増えていくであろう家電の量にも対応できなくなる可能性もあります。リフォーム、リノベーションをする際は、設置予定の家電や設備も伝えながら相談してみてください。


執筆者
とみやま・さとる
1977年3月3日のひな祭り生まれ、宜野湾市出身。建築設計、開発申請、事業企画、公共設計など幅広い分野に携わってきました。2022年、(株)アーキラボラフィット入社。ムーミンの名言集をバイブルとしています。

◆(株)アーキラボ ラフィットの強み
考え方や好みは、十人十色。既成概念にとらわれず、住む人、使う人に寄り添い、「デザイン」「住み心地」「価格」のバランスを大切に一緒に作り上げます。
沖縄市明道1-3-2(2階)  電話098-988-5128 https://al-lafit.co.jp/



リノベーション協議会とは 消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体。全国1000社弱の企業等が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅(R住宅)」を定め、普及推進している。その年のリノベNo.1を表彰する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」も年々注目が集まっている。https://www.renovation.or.jp

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1885号・2022年2月18日紙面から掲載

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