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2021年11月26日更新

【沖縄】税金を軽くする資金援助|今ある家をバージョンアップ[18]

文・嘉手苅麗子(リノベーション協議会沖縄支部 会員)

case18
「贈与税の非課税制度」
 

「実家をリノベして二世帯住宅にしたい」という相談の中で、お客さまが頭を抱えるのは名義と税金に関連する問題です。しかし制度を上手に利用すれば、贈与税などの負担を軽減できます。

◆相談&課題
住宅のための資金援助なら贈与税が非課税になる制度を利用する。

◆リノベのプロが提案!
高さを生かし、猫と人との距離を確保。働く人の声も反映させる。

最大1500万円まで非課税に

実家暮らしだった息子さんの結婚を機に、二世帯住宅を計画したお客さま。親名義の建物に対する工事代金を、子が住宅ローンを組んで負担した場合、子から親への贈与として贈与税が課税されるので、「この機会に」と生前贈与で名義変更をされました。

計画を進める中で「二世帯住宅になるので工事費用も援助したい」と親から申し出がありました。しかし名義は子に移っているため、親が子の工事代金を出すと贈与と見なされます。そこで「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」を利用することに。これは住宅のための資金なら、最大1500万円までの贈与に対する贈与税が非課税となる制度です。

細かい要件のクリアが必須

増改築の工事でこの制度を利用する場合、いくつかの要件を満たす必要があります。

まずリフォームを行う人が所有し、居住する家屋であること。今回は資金贈与を受ける人(子)が事前に名義を変更して建物を所有し、増改築以前も住んでいたので対象となりました。建物の名義が親のままだったり、増改築前に子が住んでいないなど、ケースによっては対象とならないため注意しましょう。

築年数は要件に含まれず、リフォーム後の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下、工事費が100万円以上、適用の対象となる工事内容(大規模な修繕や模様替え、水回りやリビングなどの床や壁の修繕など)であること。また、それらを工事完了後に「増改築等工事証明書(住宅取得資金の贈与の特例用)」などで証明できることなどが適用条件として必要です。

さらに「相続時精算課税制度」または「暦年贈与」の併用も可能。工事の契約時期によって限度額は変動しますが、今年の年末までの契約なら、住宅取得等資金贈与の非課税措置も含めて最大4千万円までの贈与に対する贈与税が課税されなくなります。



利用の意思を工事前に伝えて

これらは非課税で贈与できる額が増えるありがたい制度ですが、手続きが必要な上、工事内容の制限や期限もあります。また、税金を抑えるための最善策はケースにより異なるため、制度を利用したい時などは税理士などの専門家に一度相談するのがおすすめです。

他にも、すまい給付金やグリーン住宅ポイント制度など家づくりを支援する多くの制度があるので、条件に合うものがあれば活用してみてはいかがでしょうか。制度によっては証明書の発行なども必要になるため、各制度を利用したいという意思を工事が始まる前に業者に伝え、工事内容の確認や手続きを相談しておきましょう。


執筆者
かでかる・れいこ
(株)アーキラボ ラフィット取締役。お客さまの一番身近な存在になることを目指し、一緒に楽しみながらおうちづくりをサポート。お金に関する資格も複数取得。マイホームの資金計画もおまかせください。


◆(株)アーキラボ ラフィットの強み
考え方や好みは、十人十色。既成概念にとらわれず、住む人、使う人にとことん向き合い、「デザイン」「住み心地」「価格」のバランスを大切に一緒に作り上げます。
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リノベーション協議会とは 消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体。全国1000社弱の企業等が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅(R住宅)」を定め、普及推進している。その年のリノベNo.1を表彰する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」も年々注目が集まっている。https://www.renovation.or.jp

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1873号・2021年11月26日紙面から掲載

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