リノベ
2021年10月15日更新
【沖縄】仕事場でも猫を飼いやすく|今ある家をバージョンアップ[17]
文・川端ゆかり(リノベーション協議会沖縄支部 会員)
case17
「猫もヒトも快適なオフィスにリノベ」
不動産業を営んでいると、中古物件を購入したお客さまからリノベーションの相談を受けることがあるため、実験的なリノベにチャレンジしています。今回はその中から自社オフィスのリノベをご紹介。テーマは「猫もヒトも快適な空間を求めて」です。
◆相談&課題猫と人がストレスを感じることなく働ける、猫中心の事務所にしたい。
◆リノベのプロが提案!
高さを生かし、猫と人との距離を確保。働く人の声も反映させる。
「慣れはイカン」でリノベ
27歳の1人暮らしの時から40代の今に至るまで、自宅を4回(賃貸含む)ほどリノベーションしてきた私。ほかにも、民泊物件、賃貸物件など、思い返してみると毎年どこかしらチクチクトントンと改装しています。もう、リノベマニア。リノベ中毒。
オフィスも「慣れはイカン!」ということでリフレッシュすることに。事務所内で飼っている猫2匹の運動不足解消も目的でした。
まずは使う人がプラン作成
プランは、最初に事務所のスタッフでじっくり考えて手書きの図面を作成。そのプランに施工担当のアドバイスを加えていきました。過ごす時間が長い空間の場合、まず空間の利用者である自分たちで考えていった方が、後々悔いがない気がするからです。
例えば「靴箱の高さがあと5センチほしい」「キッチン横にウオーターサーバー置き場を」などの細かいことから、「仕事に集中しながらも来客時は気付けるよう、デスクは入り口に対して正面ではなく横向きに」など。働いているからこその声を反映していけます。
(1)中央にキャットタワーがあるデスク。猫と人がほどよく距離を取ることができる上、インパクトもあるので来店した人に「おもしろい」と言ってもらえる
Before
(2)
After
しっぽ型のキャットウオークがある接客スペース。ディープな相談も包み込むようにと回していたミラーボールはそのまま生かした
(3)入り口に設けた網戸。換気をしつつ、猫の脱走も防げる
「オモシロい」や「好き」もプラス
そうしてできた空間は、なんということでしょう! デスクの真ん中にキャットタワーがあり、常に猫に見張られている状態=写真1。猫は距離を置きたくなったら上で寝て、甘えたい時は降りてきてと、うまく距離感を調整。社員が業務に集中し過ぎていると「少し休め」と言わんばかりに降りてくることも。
猫のしっぽをイメージしたキャットウォーク=写真2=もあります。が、残念なことに猫はあまり歩いてくれない。2匹は断然、地上派のよう。たまに歩いているのを見るとラッキーデー! スタッフで大盛り上がりします。
オフィススペースは、仕事中にもどこか遊び(オモシロい)が生まれるよう、レイや貝殻の装飾品、風景画などでハワイ風にしました。また、入り口に新設した網戸は、換気や猫の脱走防止に大活躍=写真3。ベランダスペースも、猫が苦手なお客さまがいらした時や、猫の日光浴に役立っています。
昨今のコロナ禍でリモートワークが推進されていますが、リアルオフィスに動物がいると免疫力アップ!? な上、笑顔がうまれるきっかけにもなります。空間に「好き」や「オモシロい」をプラスできるリノベで、オフィスライフにも彩りを!
執筆者
かわばた・ゆかり
1971年、浦添市出身。短期大学卒業後、那覇空港地上職・地元情報誌編集・建設会社不動産部勤務を経て、1999年、(有)とまとハウジング設立。趣味は猫とお酒と読書、仕事が絡まないゴルフ。
◆とまとハウジングの強み
8人とネコ2匹からなる不動産売買専門のプロ集団。「ちいさな会社だからできる細やかなサービス」をモットーに、不動産売買エージェントが、プロの視点から最適な売買プランを提案し、お客さまを全力でサポートします。浦添市伊祖3-2-1 電話098-876-7380
https://www.tomato-okinawa.com/
■リノベーション協議会とは 消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体。全国1000社弱の企業等が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅(R住宅)」を定め、普及推進している。その年のリノベNo.1を表彰する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」も年々注目が集まっている。https://www.renovation.or.jp
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1867号・2021年10月15日紙面から掲載