【沖縄】住みながらリノベは可能?|今ある家をバージョンアップ[16]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

リノベーション

リノベ

2021年9月17日更新

【沖縄】住みながらリノベは可能?|今ある家をバージョンアップ[16]

リノベーションの相談の中で「住みながら工事ってできますか?」という質問をいただくことがあります。
文・豊見山智(リノベーション協議会沖縄支部 副支部長)

case16
「改装工事中の住まい」

リノベーションの相談の中で「住みながら工事ってできますか?」という質問をいただくことがあります。例えば、内装を全て一新するようなフルリノベーションの工事なら「住みながらはできないな」と想像できるでしょう。でも部分的な工事ならどうか、もしくは工事の順番によっては、住みながらでも工事できそうな気がします。

◆相談&課題
実家を二世帯にしたいが、親が暮らしている状態で工事はできる?

◆リノベのプロが提案!
水回り共有なら難しいが、別ならOK。仮住まいする際は民泊が便利。

工事と生活分けられる分離型

住みながら工事できるかの確認は、実家を二世帯住宅にリノベする際に多い傾向があります。「そこに住む親も引っ越す必要があるか」が気になるようです。そのため、二世帯住宅でのリノベを例に話をしていきます。

まず、1階と2階で世帯を分ける分離型の二世帯住宅にする場合。よくあるのが「両親は1階を中心に暮らしており、2階の寝室や子供室は物置状態。その2階部分を子世帯の住宅にリノベしたい」というケースです。

このとき、1階にキッチンや浴室、トイレなどの水回りがあれば、両親が1階で暮らしている状態で2階のみを工事するのは難しくありません。2階に水道を接続するため、1~2日は1階も水が出ない日があるかもという程度でしょう。

工事する階が違っても、水回りさえ使えれば、住みながらの工事は問題ないと思います。




3カ月 水使えない同居型

次に、水回りを共有する同居型二世帯住宅へのリノベの場合。キッチンや浴室などの水回り設備の入れ替えを伴う工事をするなら、住みながら工事するのはほぼ不可能です。

というのも、改装工事では、水回りの解体からスタートするものの、取り付けは工事の終盤になるのが一般的だからです。その間、水道も止めておきます。つまり、工事の規模にもよりますが、2~3カ月はキッチンや浴室が使用できなくなります。寝室などを工事しないのであれば、その部屋は使用できそうですが、住むというのは難しいでしょう。

ただし、キッチンの取り換えや浴室のみだと、現場での工事期間を詰めれば、1週間ほどで使用できる状態になることもあります。


広々して使いやすい民泊

このように、住みながら工事していくのはハードルが高いです。その場合、短期間の仮住まいが必要ですが、最近はマンスリーマンションや民泊を利用する人が増えています。

特に民泊は、多くが住宅をベースにしているので広い、賃貸のような敷金・礼金・年単位の契約期間がない、宿泊費に水道光熱費が含まれるなどのメリットがあるようです。

しかし、どうしても住みながら工事をしたい場合は、専門家を含めて話し合い、工事箇所の制限や、工事期間を長くとることで可能になることもありますので、しっかりと検討してみてください。


執筆者
とみやま・さとる
1977年生まれ、宜野湾市出身。2008年、LSDdesign株式会社参加。取締役。誕生日が3月3日のひな祭りです。


リノベーション協議会とは 消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体。全国1000社弱の企業等が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅(R住宅)」を定め、普及推進している。その年のリノベNo.1を表彰する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」も年々注目が集まっている。https://www.renovation.or.jp



リノベーション協議会とは 消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体。全国1000社弱の企業等が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅(R住宅)」を定め、普及推進している。その年のリノベNo.1を表彰する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」も年々注目が集まっている。https://www.renovation.or.jp

■8月までの記事はこちらから
 
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1863号・2021年9月17日紙面から掲載

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2122

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る