土地活用
2017年11月3日更新
保有資産の体質改善図る|不動産コンサルティングマスターの土地活用の手引き[8]
不動産は持っているだけで十分に価値を発揮するものなのでしょうか。今回は、複数の不動産を持っている場合の資産整理の考え方をお伝えします。
土地活用
不動産の断捨離を考える
収益が見えるROA分析
よく知られるようになった言葉に「断捨離」があります。提唱したやましたひでこ氏のホームページによると、「モノの片づけを通して自分を知り、心の混沌を整理して人生を快適にする行動技術。片づけを通して『見える世界』から『見えない世界』に働きかけていく」という意味合いがあるようです。不動産を複数持っている人にも当てはまる言葉ではないでしょうか。
不動産を複数保有している場合、「ROA分析表」を活用して不動産資産の整理を行うことがあります。「ROA分析表」は、土地や建物の健康診断のようなもの。不動産資産を相続税評価や取引価格という数字にすることで資産に対する収益性を見える化し、その結果を元に不動産資産の整理、改善を図る手法です=図参照。まさに、冒頭で紹介した断捨離の概念が当てはまります。
図/ROA分析イメージ
※保有資産をより有効に活用するために、ROA分析表で比較することで体質改善を図ることができる
相談者の中には、ROA分析によって不動産資産の価値を具体的な数字で見極めることができるようになり、収益性の劣る資産を売却して得た金銭を、ほかの不動産資産の借入返済に充てることで、保有資産全体の価値を上げることができた例があります。
将来のリスク回避にも
多くの不動産を持っていない場合や、これから不動産を購入する際にも、ROA分析の考え方は応用することができます。少ない不動産資産であっても、それが十分に活用できているのか。不動産の専門家である不動産コンサルティングマスターに分析してもらうことで、価値の改善を図ることができます。
また、これから不動産を持ちたいと思う方の場合は、事前に購入したい不動産のデメリットを、ROA分析を通して専門的な観点から知ることができます。それにより、将来起こり得るリスクを事前に回避でき、複雑に絡み合う不動産の悩みを頭の中で整理することもできるようになります。
現在、沖縄県内の不動産コンサルティングマスター登録者は、115人います(2017年10月末時点)。保有不動産を専門的に分析し、税理士や司法書士、土地家屋調査士、弁護士、行政書士、公認会計士などと連携し最善の提案を行って行きますので、ぜひご活用ください。
[文]
金城久雄(きんじょう・ひさお)
1963年、嘉手納町出身。(有)iホーム不動産コンサルティング代表取締役。狭小地有効活用や住宅プランニングを数多く手掛ける。沖縄県不動産コンサルティング協議会理事。
沖縄県不動産コンサルティング協議会
098-861-3402
http://okinawa-consul.com/wp/
<不動産コンサルティングマスターの土地活用の手引き>
- vol.08 保有資産の体質改善図る
- vol.07 不動産のプロ活用で安心
- vol.06 子世代の活用 発想柔軟に
- vol.05 広がる住まいの選択肢
- vol.04 暮らしの変化見据えて
- vol.03 土地の有効活用①
- vol.02 土地代を抑えて一戸建て
- vol.01 不動産の困りごと解決
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1661号・2017年11月3日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
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- 比嘉千賀子
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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。