相続
2025年3月21日更新
家族全員の将来考え対策を[相続計画始めよう!地主・家主の生前対策⑫]
家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をしている全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が会員名を連ねる。当連載では、同ネットワークに寄せられた相談をもとに生前対策を紹介する。今回は、所有している更地にアパートを建てる相続対策を検討している方の相談。

家族全員の将来考え対策を
家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をしている全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が会員名を連ねる。当連載では、同ネットワークに寄せられた相談をもとに生前対策を紹介する。今回は、所有している更地にアパートを建てる相続対策を検討している方の相談。相談者の現状

Oさん(80代) 配偶者はなし、子ども3人
駐車場二つ、更地、自宅を所有。そのほか、現金もある。「更地にアパートを建てて相続対策できないか」と考えている。また、3人の子どものうち1人は収入が不安定なため、将来が心配。財産をどのように分けたら良いのか。

更地を売却して現金化
まず、Oさんが所有する財産の価値を分析し、相続人全員のライフプランシミュレーションを実施。その結果、将来1人が赤字になることがわかりました。 また、相談者は相続対策として所有する更地にアパートを建てたいという希望があったため、そのシミュレーションも行ってみました。すると、相続人全員のライフプランは黒字になったものの、さまざまな要因から、対策としてはあまり有効でないことが判明しました。
要因はいくつかありますが、この更地は入り組んだ場所にあり、土地の形状や接道に問題があって建築コストが高くつきます。アパートを建てたとしても、部屋数に応じた駐車場の確保が難しく、将来の空き室リスクが高くなってしまいます。さらに、相談者の年齢を考えると、対策を急ぎ行う必要性が出てきたため、最初に更地を売却することになったのです。
生前対策前後の収支 (万円)

収益物件購入で資産組換
更地の売却代金(2500万円)を自己資金にして、金融機関から借り入れをして新しく収益物件(アパート)を購入しました。
このような対策は「資産組換」といわれ、所有する財産を別の財産に交換することを意味します。収益物件選びの際は、立地やそのエリアの将来性、家賃改善の可能性、ランニングコストの見直しなどを含めた分析・選定が重要です。
借り入れをして収益物件を購入した結果、概算で相続税が下がりました。これが「相続税圧縮」という考え方です。相続税はプラスの財産からマイナスの財産を差し引きます。借入金はマイナスの財産として相続税算定の際に差し引かれ、相続財産が抑えられる相続税圧縮といわれるのです。
今回は資産組み換えをすることで相続税が圧縮され、子どもに多く現金を残すことができ、新たに優良な収益物件を増やすことで相続人全員のライフプランが改善されました。相続対策には、ご家族の将来を視野に入れたシミュレーションが必要不可欠だといえます。
今回は資産組み換えをすることで相続税が圧縮され、子どもに多く現金を残すことができ、新たに優良な収益物件を増やすことで相続人全員のライフプランが改善されました。相続対策には、ご家族の将来を視野に入れたシミュレーションが必要不可欠だといえます。
今回のポイント
【課題・悩み】
・相続税がいくらかかるか不安。
・財産の分け方をどうしたらいいか。
・相続人の一人が将来のライフプランが赤字。
・相続対策として更地にアパートを建築した方がいいのか。
【改善策】
・更地を売却して現金化。その現金を自己資金にして、金融機関から借り入れして収益物件を購入。
※資産組み換えによって相続税を圧縮し、相続人全員のライフプランが黒字になり、余剰資金も2倍以上になった。
※プライバシー保護のため、内容を一部変更しております。
全国幸せ相続計画ネットワーク

【執筆】
全国幸せ相続計画ネットワーク
共同代表・亀島淳一
士業(税理士、司法書士、弁護士)を中心に、全国の相続の専門家が集う組織。「相続で家族をもめさせない」「相続で優良財産を減らさない」「子や孫を将来お金で困らせない」という信念を持ち、「相続計画」という新しい考え方の普及・啓蒙活動を行っている。
相続相談窓口:電話=050・1809・0106
https://souzoku-planning.org/
【課題・悩み】
・相続税がいくらかかるか不安。
・財産の分け方をどうしたらいいか。
・相続人の一人が将来のライフプランが赤字。
・相続対策として更地にアパートを建築した方がいいのか。
【改善策】
・更地を売却して現金化。その現金を自己資金にして、金融機関から借り入れして収益物件を購入。
※資産組み換えによって相続税を圧縮し、相続人全員のライフプランが黒字になり、余剰資金も2倍以上になった。
※プライバシー保護のため、内容を一部変更しております。
全国幸せ相続計画ネットワーク

【執筆】
全国幸せ相続計画ネットワーク
共同代表・亀島淳一
士業(税理士、司法書士、弁護士)を中心に、全国の相続の専門家が集う組織。「相続で家族をもめさせない」「相続で優良財産を減らさない」「子や孫を将来お金で困らせない」という信念を持ち、「相続計画」という新しい考え方の普及・啓蒙活動を行っている。
相続相談窓口:電話=050・1809・0106
https://souzoku-planning.org/
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2046号・2025年3月21日掲載