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2025年2月21日更新

将来負担になる財産を整理[相続計画始めよう!地主・家主の生前対策⑪]

家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をしている全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が会員名を連ねる。当連載では、同ネットワークに寄せられた相談をもとに生前対策を紹介する。今回は、畑やアパート、貸家など複数の不動産を所有する相談者の「アパートのローン返済額が大きい」というお悩み。

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将来負担になる財産を整理

家族がもめないための「幸せ相続計画」の普及・啓蒙をしている全国幸せ相続計画ネットワーク。60を超える士業や企業が会員名を連ねる。当連載では、同ネットワークに寄せられた相談をもとに生前対策を紹介する。今回は、畑やアパート、貸家など複数の不動産を所有する相談者の「アパートのローン返済額が大きい」というお悩み。
 
相談者の現状
Oさん夫妻(60代) 子どもは30代(単身者)
 
収益物件4棟、田畑や貸地(事業用定期借地)も合わせて2200万円の収入。収益物件の賃料収入のうち、3棟はアパートで収入は計1890万円。だが、アパートのローンや管理費、固定資産税などの支出が1820万円と負担が大きい。その結果、手元に残るのは380万円。
 

個々の不動産を見える化
相談者は「所有しているアパートの毎月のローン返済額が大きい」ことが悩み。その負担を減らすため「返済額の多いアパートを売却し、ローンを返済したい」との意向でした。

ローン返済が重い物件を所有していると、「手放すことで返済が軽くなる」と思ってしまいがちですが、不動産を複数所有している場合、まずは個々の現状を「見える化」することが大事です。
 

生前対策前後の収支


流動・収益性低い財産を売却
今回のケースでは、所有する不動産はアパートのほか、貸家、貸地、田畑などと数が多かったため、不動産全体の価値を把握し、「見える化」をした上で対策を検討しました。シミュレーションの結果、単純に売却希望をしていたアパートだけを売ってしまうより、将来相続が起こった時、負担になる財産(流動性、収益性が低い)を売却することで、収支が改善されることがわかりました。

相談者の所有する不動産の中で、収益性と流動性が低くて相続時、負担になる財産は「人に貸している田畑」「未活用の更地」「築古の貸家」だったので、それらを売却し、アパート2棟分のローンを完済しました。

対策前は年間収支が380万円だったのが、対策後は1190万円と3倍近くに増え、収益が大幅にアップしました。

相続税を抑えるために、あえて借入しているという方も少なくありませんが、まだ若くて相続までに時間的に余裕がある場合は、一つ一つの財産の収益性を見直しましょう。その上でライフプランの改善、相続税対策を行ったほうが良いでしょう。

 
今回のポイント
【課題・悩み】
・アパートの返済額が大きくて収支のバランスが悪く、このまま子どもに引き継いでいいのか。
・返済額の大きいアパートを売却したい。

【改善策】
・将来、負担となる財産(貸畑4、未活用の更地2、築古貸家1)を売却。そのお金で、アパートローンの2棟分(5000万円)完済。
※アパートローンの返済で借入減となり、大幅に収支が改善。 


※プライバシー保護のため、内容を一部変更しております。

全国幸せ相続計画ネットワーク

【執筆】
全国幸せ相続計画ネットワーク
共同代表・亀島淳一

士業(税理士、司法書士、弁護士)を中心に、全国の相続の専門家が集う組織。「相続で家族をもめさせない」「相続で優良財産を減らさない」「子や孫を将来お金で困らせない」という信念を持ち、「相続計画」という新しい考え方の普及・啓蒙活動を行っている。

相続相談窓口:電話=050・1809・0106
https://souzoku-planning.org/

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2042号・2025年02月21日掲載

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