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2022年12月23日更新

[沖縄・お住まい拝見]家族身近で楽しく|濱元宏建築設計事務所+(株)GAB

[高低差ある台形地を生かして]「住んでいて楽しい家が造りたかった」と話すOさん。高低差を生かした造りで、駐車場に立つと、1階も2階も間近。大きな開口部から光、風、眺望を取り込み、開放的に暮らす。

駐車場から住宅を見ると、1階部分が半階沈んだ造り。約3メートル四方の開口部に沿って階段があり、その奥にあるテラスへと視線が抜け、開放感たっぷり。写真右手は子ども部屋の窓
駐車場から住宅を見ると、1階部分が半階沈んだ造り。約3メートル四方の開口部に沿って階段があり、その奥にあるテラスへと視線が抜け、開放感たっぷり。写真右手は子ども部屋の窓


家も心もゆったり

Oさん宅
RC造/自由設計/家族4人

駐車場に立つと、1階部分が駐車場土間より下がった位置にあり、2階がすごく間近で不思議な感覚を覚える。駐車場に面して大きな開口部があり、「駐車場から2階のテラス越しに見える、空の抜ける感じが好き」とOさん。開口部沿いに設けた木造の階段は、家族のコミュニケーションにも一役買っている。「子どもたちは階段下でおままごと。窓を開ければ、駐車場との荷物の受け渡しも便利。帰宅した時、子どもたちが階段で待っている姿を見ると、うれしくなる」と夫人。

室内は上下階で公私の空間が分かれていて、1階に寝室と子ども室、水回り、2階にLDKとテラス、ゲストルームがある。天井まで木張りで仕上げたLDKは、天井高3・4メートル。「人がたくさん呼べるように」と広さを確保した。隣接するテラスからの開放的な眺めは爽快。高窓からも光を取り込み、「天気がよければ、日中は照明不要。窓を開ければ風が抜け、エアコンの効きもいいので、省エネにもつながっています」

LDKの壁際には学習スペースと読書スペースを配置。夫人は「家族みんな、LDKで過ごすことがほとんど。気持ちいい空間で心にゆとりができ、子どもたちとの会話も変わりました」と笑う。

テラスに面したLDKは天井高3.4メートル。床も天井も木で仕上げた。学習スペースや読書スペースもあり、家族の時間を楽しむ
テラスに面したLDKは天井高3.4メートル。床も天井も木で仕上げた。学習スペースや読書スペースもあり、家族の時間を楽しむ
 

北側からの外観。家の形は敷地の形に合わせた、シンプルな台形型。敷地は写真の手前と右手が道路に面した角地になっているものの、塀を設けず、建物を道路から1メートルほど後退させることで、地域につながりを持たせている

北側からの外観。家の形は敷地の形に合わせた、シンプルな台形型。敷地は写真の手前と右手が道路に面した角地になっているものの、塀を設けず、建物を道路から1メートルほど後退させることで、地域につながりを持たせている
 

2階、南側に設けたテラス。正面奥にLDK、右手に階段があり、光と風を取り込む要に。隣地は畑で高低差が5メートルあるため、緑を望む眺めも爽快だ

2階、南側に設けたテラス。正面奥にLDK、右手に階段があり、光と風を取り込む要に。隣地は畑で高低差が5メートルあるため、緑を望む眺めも爽快だ



家時間が充実

下の子の小学校入学を見据え、夫人の実家にも近い八重瀬町に土地を購入。「高低差のある変形地でしたが、景色の良さが気に入って。住んでいて楽しい家を建ててくれる建築士を探しました」。

ネット検索で絞り込み、見学会へ足を運んで、数社にファーストプランを依頼。「費用面も踏まえ、一番敷地を生かした、個性的なプランを出してくれた建築士事務所に依頼しました」。

窓の位置や大きさ、使う素材など、建築士と一つ一つ相談しながら造り上げた。「庭ができて、それまで全く興味のなかった植物にハマっています。家庭菜園も始め、家のメンテやDIYも楽しみに。家で過ごす時間が充実しています」とOさん。家族と外の景色を身近に感じながら、手を加えて楽しむ。


ここがポイント
高低差生かし個性豊かに

敷地は台形状で、北側と西側が道路に面した角地。東側には住宅が近接しているが、南側は畑で眺望も開放的だ。しかし、立体的に見ると、北東から南西に向けて約2メートル下がる高低差があり、建物の荷重をしっかり支えられる支持地盤は、敷地境界線の一番低いポイントから、さらに1メートル低い位置にあった。「敷地の高低差と眺望を生かしながら建築コストを抑え、いかに明るく涼しい家を実現するかが課題でした」と、建築士の濱元宏さん。コストの掛かる盛り土や、新たなよう壁を設けず済むよう、建物の形と立体的な配置に工夫を凝らした。

まず、西側にあった既設のよう壁を撤去。建物は支持地盤に据え、敷地の高い北側と東側の外壁は地中に1メートルほど埋め、逆に低い西側は基礎を1メートルほど地上に出すことで、高低差を解消した。そのため、北側道路から住宅を見ると1階が半階下がった状態で、「屋根の大きなひさしと、駐車場土間に挟まれた1・5階程度の空間と、大きな開口部が楽しげな雰囲気を醸し出す家になりました」

建物は敷地の形に合わせた台形状で、凹凸をつけて北側に駐車場、南側中央部にテラスを配置。室内は、眺めを楽しめるようLDKを2階に据え、1階には寝室と子ども室、水回りをまとめた。「1階は天井高2・2メートル。天井懐を設けず、階高を低くすることで、2階との階段も通常より少ない13段になり、スペースと上下階の移動距離を抑えました」

2階のLDKは、天井高3・4メートル。南側のテラスに面して大きな開口部を設け、光と風を取り込む。天井高を生かして高窓も設けているが、道路に面した西側は窓を小さくし、視線と西日をカット。天井は厚さ30ミリの木張りで仕上げ、屋根からの熱を和らげる。

ダイニングからリビング、テラスを見る。西側のコーナーに設けた高窓から入る自然光が、天井の木を照らし、柔らかな雰囲気を演出。食事をしながらも、テラス越しに開放的な眺めを楽しめる
ダイニングからリビング、テラスを見る。西側のコーナーに設けた高窓から入る自然光が、天井の木を照らし、柔らかな雰囲気を演出。食事をしながらも、テラス越しに開放的な眺めを楽しめる

グリーンを壁のアクセントにした1階の寝室。写真左手のレースカーテンの奥はクローゼット。扉でなくカーテンで仕切ることで圧迫感が減り、湿気もこもりにくい
グリーンを壁のアクセントにした1階の寝室。写真左手のレースカーテンの奥はクローゼット。扉でなくカーテンで仕切ることで圧迫感が減り、湿気もこもりにくい
 

姉妹2人で使う1階の子ども室。「できるだけLDKに集まるように」と寝るだけの機能と広さに限定した。左手の窓が、駐車場に面している

姉妹2人で使う1階の子ども室。「できるだけLDKに集まるように」と寝るだけの機能と広さに限定した。左手の窓が、駐車場に面している

1階の玄関。2階へ上る階段は、蹴込み板のないスケルトン。狭いスペースが明るく開放的な雰囲気に。脇には大容量のシューズクロークが設けられている1階の玄関。2階へ上る階段は、蹴込み板のないスケルトン。狭いスペースが明るく開放的な雰囲気に。脇には大容量のシューズクロークが設けられている



[DATA]
家族構成:夫婦、子ども2人
敷地面積:177平方メートル(53.5坪)
1階床面積:73.58平方メートル(22.2坪)
2階床面積:73.58平方メートル(22.2坪)
建ぺい率:41.6%(許容50%)
容積率:89%(許容100%)
用途地域:第一種低層住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:濱元宏建築設計事務所+(株)GAB
構造:KKS 坂本憲太郎
施工:(株)GAB 濱元宏、豊崎孟史
電気:屋宜電気 屋宜宗春
水道:(有)ライフ工業 我喜屋奨

問い合わせ
濱元宏建築設計事務所
 電話=098・987・7331
  http://gab.okinawa/


撮影/比嘉秀明 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1929号・2022年12月23日紙面から掲載

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週刊タイムス住宅新聞編集部

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