こだわリノベ
2021年12月10日更新
海景色を堪能 ホテルライクな家|全面改修・築13年・マンション・RC造
[こだわリノベ]恩納村にあるオーシャンビューの中古マンションを購入したSさん。和室をなくし、リゾートホテルのような空間に改修した。内装や家具の選定も空間コーディネーターに依頼。「僕たち好みの空間になった」と満足げに語る。
立地を重視し、海を望む中古マンションを購入。リノベーションしたSさん宅。和室をなくして、LDKを広くした。Sさん夫妻の希望でリビング・ダイニング全面に大柄の壁紙を用い、ネイビーのソファを配した。それらが空間のアクセントとなっている
▼リノベーション前
Sさんの要望
「リゾートホテルのような空間で、海を眺めて過ごしたい。和室は不要」
仕切りがなく広々としたLDK。Sさんが希望したネイビーのソファなどインパクトの強いアイテムを取り入れながらも、洗練された印象。「空間コーディネーターさんが、私たちの希望をうまくまとめてくれた」
恩納村の高台に立つマンションからは西海岸がきれいに見える。この景色を存分に楽しみたいと、テラスにも外用のテーブルセットやリクライニングチェアを置いた
▼リノベーション前
リノベーション前は和室があり、天井から下がる「垂れ壁」があった。床もダークブラウンのフローリングだった
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リノベーション後。和室をなくし、ダイニングへチェンジ。照明は「ダクトレール」を付けて位置を自由に変えられるようにした
家具や内装コーデもプロにお任せ
恩納村の西海岸を望む中古マンションを購入したSさん。県外で生活しているが、沖縄に“癒やしのセカンドハウス”を求めた。「景色を重視して物件を探し、インターネットで見つけたのがこのマンションです」と話す。
「リゾートホテルのような空間で海を眺めて過ごしたい」とリノベーションを依頼した。間取りの変更は、和室をなくしただけ。だが「LDKは広く感じるし、どこにいても海がきれいに見える」と話す。
大きく変えたのは内装。「ホテルっぽい中にも、好きな色・柄を取り入れたい」と、リビング全体に花柄の壁紙を用いた。夫人のお気に入りは寝室。「全面ティファニーブルーにしてもらった」。壁全体を特徴的な青緑色にし、リネン類も淡い色を用いたことで上質ながらやわらかい雰囲気だ。
ホテルライクな空間に、個性的な色・柄を反映させるのは難しい。実現できたのは「内装だけでなく家具選びまで、空間コーディネーターさんにお願いした」から。コーディネーターは、マンションを購入した業者に紹介してもらった。「私たちの要望をバランス良くまとめてくれ、洗練された雰囲気になった」と満足げに語る。
リモートで家づくり
生活の基盤は県外ということやコロナ禍も重なり、リモートでの家づくりとなった。完成まで来沖できなかったが、「内装や家具などのイメージは、3Dの間取り図で確認できたので、まったく不便はなかった」と話す。
さらに、食器類や電化製品、消耗品の準備もコーディネーターに依頼。「来沖したときには、すぐ生活できる状態になっていて助かった」と話す。「沖縄らしい焼き物など、地元のプロならではの、センス良い物を選んでくれた。早く家族や友人を招いてお披露目したい」と目を細めた。
中古マンション購入&リノベを選んだ理由
景色の良さ、生活のしやすさ、ゴルフを楽しめる環境を備えているのが恩納村だった。一戸建ても考えたが、メンテナンス面を考えるとマンションが良いと思った。インターネットで恩納村のマンションを探して1カ月。タイミングよく、企業の保養施設として使われていたという、状態の良い居室が空いたので購入した。
▼リノベーション前
以前の寝室は、白壁にフローリングの床とよく見るタイプの居室だった
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リノベーション後。寝室は夫人の希望で「ティファニーブルーにしてもらった」。やわらかい色味の壁紙に合わせて、空間コーディネーターの森田さんがリネン類や観葉植物も選んだ。ラグジュアリーながら優しい雰囲気になっている
Sさん宅 リノベのカギ
県外に住む施主で、リモートでの家造りだったが、3Dで作った間取り図でイメージを共有。家具や内装も、その3D図面に落とし込んでやりとりをした
3D画像でイメージ共有
空間コーディネートを手掛けたGIFTの森田めぐ美さんは、「施主は東京にお住まいのため、LINEやメール、電話でやりとりした」と話す。 「『和室をなくしてホテル風の空間にしたい』というのは聞いていたので、最初の打ち合わせの際、3Dの間取り図に、イメージに合うような内装・家具を入れて提案したところ、気に入っていただいた」
「当初は、ホワイトの内装や家具を提案した」が、夫妻の希望でソファはネイビーに、リビングは柄クロスに変更。「そこになじむよう、家具は濃い色味のウォールナットなどに変えて、全体のバランスを取った」。変更は、3Dに落とし込んでやりとりしたことで「リモートでも、イメージの共有ができた」。
また、Sさんの要望で食器や家電、リネン類や洗剤などの消耗品まで森田さんが準備した。「近年、増えている民泊施設のコーディネートでは、備品までトータルで準備することもある。その延長線として対応した」
森田さんだけでなく、ホームステージャーやインテリアコーディネーターが同様のサービスを提供している。「プロが見た目や機能性を考えて準備するので、細部まで上質な空間にしたいとか、自分でそろえるのが大変という場合は依頼するのも一つの手だと思う」と話した。
打ち合わせで使用したSさん宅の3D間取り。3Dで間取り図を作り、そこに内装や家具も入れ込んだ画像を使って施主とやりとりした。施主は「リモートでもイメージを共有できた。完成した家との差異もほぼない」と話す
食器なども森田さんが準備した。施主は「私たちが選ぶより、地元のプロが選んでくれた食器の方がステキ。すぐ生活できるのもありがたい」と話した
[DATA]
家族構成:夫婦
躯体構造:鉄筋コンクリート造
築年数:13年
床面積:78.23㎡(約23.66坪)
工期:約2カ月
内装デザイン・空間コーディネート:GIFT 森田めぐ美
施工:興産アメニティ㈱
[問い合わせ先]
GIFT
090-4721-0101
giftinteriordesign.com
撮影/矢嶋健吾 取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1875号・2021年12月10日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
- スタッフ
- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。