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2020年8月21日更新

花ブロックの内に遊び場|㈲真玉橋設計事務所

[お住まい拝見|補強CB造]花ブロックの壁が目隠しになっているGさん(31)宅。その内側には光と風が入り、約25帖のテラスで子どもたちが遊ぶ。LDKにつながる掃き出し窓は、軍用機の音を遮るGさんこだわりの防音サッシ。子どもの入学前に理想のシンプルな家を手に入れた。


花ブロックのスクリーン壁が印象的なGさん宅。隣家からの視線を程よく遮り、塀の代わりになっている。積む高さや幅を変えることで軽やかな印象にしている
 

光・風入れ、視線・音遮る

Gさん宅  補強CB造/自由設計/家族4人 


入学前に理想の住まい

真っ白な平屋のGさん宅。隣接して外人住宅が2棟ほど建っているが、家々の間に塀はない。その代わりにGさん宅の目隠しとなっているのが、幅や高さにリズムをつけた花ブロックのスクリーン壁だ。夫人(31)は「見た目もすごくいい上に、布団やビニールプールを干すのにも重宝している」と満足げ。

その壁の内側には奥行き2・9メートル、幅14・4メートルのテラスを挟んで、約20帖のLDKがある。開け放った子ども室や和室が一体になって実際の面積以上の広さが感じられ、子どもたちも走り回るという。

広いテラスは子どもたちの遊び場だ。「コロナ禍で休校になった時期は、向かいに住む長女(小1)の同級生も遊びに来て、次女(3)も一緒に水遊びや縄跳びなどをしていた。家を建てる前と比べて外で遊ぶことが多くなった」と夫人。テラスに面するLDKには幅約5メートルの掃き出し窓が取られ、「室内からもテラスに目が届くから安心」。


子ども室からLDKを見る。Gさんがこだわったという防音サッシの掃き出し窓は、天井いっぱいまでのガラスで室内を明るく、広く見せてくれる


子どもの遊び場になっている約25帖のテラス。軒も深く取られていて「夏は直射日光が当たらず過ごしやすい」とGさん。タイルは色や質感、張り方の他、雨や水遊びで転ばないよう滑り止め効果なども吟味したという


サッシこだわり明るく

「子どもが小学生になる前にマイホームを建てたい」と、20代後半から家づくりを始めた夫婦。土地はGさんの祖父から譲り受けた。ホームページなどで住宅の施工事例を見て、気に入った建築士に依頼。「高級感がある雰囲気だったので予算に不安はあったものの、建築士は予算内に収めた上でそれ以上のデザインや住み心地のいい家を提案してくれた」と夫婦は喜ぶ。

基地に近い地域でGさんが特にこだわったのは防音サッシを入れたLDKの掃き出し窓。防音サッシは規格品でデザインの自由度は低いが、ガラスの欄間を組み合わせて天井いっぱいまで開放的な開口にすることで、室内は明るく伸びやか。「親戚からは、『防音サッシの窓じゃないみたい』とうらやましがられる。全部の窓に防音サッシを使い、閉めきれば軍用機の音もほとんど聞こえない」と話す。

「シンプルで白く、子どもたちがいつも目の届くところにいてくれる理想通りの平屋。子どもたちの成長に合わせて一緒に料理したり、部屋を分けて使ったりと、これからが楽しみ」と夫婦はほほ笑んだ。


和室。部屋数をしぼるために省くことも考えたが、次女が産まれてくることもあって残したという。奥にある納戸は夫人が考えた収納プランに合わせて棚の高さなどを決めている


LDKの北側にある子ども室は、可動式の仕切り壁で2部屋に分割できる。今は子どもたちの遊び部屋で、LDKと一体に使っている


ここがポイント
部屋数少なくシンプルに

設計を担当したのは(有)真玉橋設計事務所の野里雅樹さん。夫婦が心配していたコスト面は、「要望を聞き取り、必要最低限の部屋数や広さにすることで調整した」。LDKを中心に各部屋を配して廊下も省き、「シンプルにすることでコストを抑えられる」と説明する。コンパクトにまとめた水回りはキッチンにも近く、家事がしやすい動線になっている。また、施主が各専門工事業者と直接契約する分離発注方式で、「原価に近いかたちで品質も仕上がりもいい家になった」と話す。


キッチンはアイランド型で「テラス側・水回り側からの動線がスムーズで使い勝手がいい」と夫人。写真左手に水回りがある

夫婦の要望や周りの外人住宅に合わせて、構造は補強コンクリートブロック造の平屋に。隣家と向かい合わせになる南面は花ブロックを使ってプライバシーを確保し、その内側に広いテラスを設けた。「視線が気になりにくくなり、カーテンを閉めきることもない。花ブロックを積む高さや並べる幅は変化をつけ、軽やかに見せるようにした。光と風も入るテラスは、子どもたちが遊べるもう一つのリビングになる」と話す。

サッシやテラスのタイルなどの建材選びに熱心だったGさんに加え、夫人も収納計画を細かく考えており、「棚の高さや配置が明確になり、無駄の少ない収納ができた」と野里さん。「20代後半という若さで家づくりを始めたGさん夫婦の夢を一緒にカタチにすることができた」と喜んだ。


玄関ホール。正面の光取りのコートにも防音サッシを用いている。左側の靴箱はロボット掃除機が入るように床から浮かせている


サービスコートは仕事に出る日中も洗濯物を干しっぱなしにできるよう花ブロックで囲った。広さもあるため、自転車や高圧洗浄機なども置いている

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[DATA]
家族構成   :夫婦、子ども2人
敷地面積   :309.9㎡(約93.74坪)
1階床面積:106.02㎡(約32.07坪)
建ぺい率   :38.4%(許容60%)
容 積 率    :34.21%(許容200%)
用途地域   :第一種中高層住居専用地域
躯体構造   :補強コンクリートブロック造
設  計   :(有)真玉橋設計事務所
         野里雅樹、玉城慧太郎
         大城達人(CM)
構  造   :與儀建築工房
施  工   :(株)孝建設
電  気   :(株)ミシマ・プラン
水  道   :(有)西里設備工業
その他10社による分離発注

問い合わせ
(有)真玉橋設計事務所
 ☎ 098-937-2777
 http://www.madanbashi.com

 
撮影/比嘉秀明 取材/川本莉菜子 
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1807号・2020年8月21日紙面より掲載


 

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川本莉菜子

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好奇心が行動源。まち歩きで面白いことを発見した時に興奮し、脇目振らずに追いかけて迷子になること多し。人が住む・暮らす場所にある歴史、知恵、繋がりの面白さを見つけて発信していきたいです。よく県外出身かと聞かれますが、生粋のウチナーンチュです。

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