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2017年9月8日更新

住空間プロデューサーの上原牧子さんが暮らしを楽しむインテリア「シニアになっても快適に」

[文]上原牧子さん(住空間プロデューサー)Vol.6

過ごしやすい住まいの工夫

身体変化予測し柔軟に対応

少しずつ秋へと近づいてきた9月は敬老の日もあり、何かと家族で過ごす時間も多くなります。そんな時こそ、シニア世代に向けた暮らし方を話し合ったり、高齢者のいるお宅ではいま一度、住宅環境の安全チェックをするいい機会かもしれません。今回は、シニア世代が快適に過ごせる住まいについて、すぐに取り入れられるポイントなどを事例を含めて紹介します。


住まいはその時々の年齢や健康状態、生活スタイルなどで快適に過ごせる間取りが変わったり、年を重ねることによる身体能力の変化にも考慮する必要があります。
住まいで一番大切なことは、ストレスなく健康的な生活を楽しく送れることではないでしょうか。現在、使いづらいと感じている場所の不満や不安を解消し、長く快適な生活を続けられるように住空間を工夫しましょう。

に合うもの選びストレス

いまのシニア世代は活発で、子育てを終えて自分たちの暮らしや余暇に力を注ぐ方が多い印象があります。
下の2枚の写真は、以前、60代~70代向けにコーディネートしたマンションの1室です。こちらの物件は落ち着いたシックなインテリアでまとめ、デザイン性やおしゃれな感じを残しながら、身体機能の衰えなどに配慮した家具の選定や照明計画を行いました。
例えば、毎日使うダイニングチェアは軽くて動かしやすいもの、ソファは2人掛けや3人掛けの大きなタイプではなく、ゆったりとしたパーソナルチェア(1人掛け)にし、家具の配置換えなどが一人でも容易にできるようにしました。
毎日使う家具に関しては、体に合うものを選ぶことでストレスが軽減されます。チェアなどは座面が高いと太ももを圧迫して血流が悪くなりますし、床にきちんと足が付かないと落ち着かなくなります。そういう場合は、家具メーカーに依頼してチェアの脚をカットしてもらうこともできます。
照明については、高齢になるにつれ視力が衰えると同時に、わずかな色の違いが見分けづらくなります。基本的には天井の全体照明に加えて、必要な場所には部分照明を設けることも大切です。
インテリアは、メリハリのあるカラー使いで、はっきり見分けがつくように工夫しています。

Point1

家具は動かしやすく、色使いにメリハリ


シニア世代向けにコーディネートしたマンションのリビング。ソファは家具の配置換えが一人でもできるように一人掛けタイプを置いている。インテリアは全体的にシックな雰囲気でまとめているが、高齢者の目の見え方に配慮し、メリハリのある色使いではっきり見分けがつくようにしている

毎日使うダイニングチェアは、軽量で背もたれがつかみやすく、動かしやすいデザインとした

 

新築時から将来の改修を意識

新築住宅の場合は、設計の段階で将来のことを見据え、後々手すりが取り付けられるよう壁の下地に補強材を入れておく、寝室内またはその近くにトイレを増設できるように、あらかじめ排水や水回りなどを計画しておくとよいでしょう。
写真下は寝室からつながるトイレを設けた例ですが、将来のために手すりを付け、介護が必要になった場合にも使いやすいようシャワールームを兼用しています。

Point2

寝室近くにトイレ


風通しや明かりを感じられる大きな窓や、清潔感のある白いタイルにデザインタイルをアクセントで加えることで気持ちも明るくなります。
写真下は玄関先に腰掛けを置いた事例。靴の脱ぎ履きや手荷物を置いたりするのに便利です。ちょっとしたことですが、少しの工夫が毎日の暮らしやすさ、生活の質を高めることにつながります。インテリアに調和したアイテムを選んで暮らしを楽しみたいですね。
そして、快適な暮らしには片付けやすい空間づくりも大切な要素です。そのコツについては、右の囲みを参考にしてください。整理整頓が苦手な方、物が多くて何から手を付けていいのやら…という方は、ライフオーガナイザーなどお片付けのプロに相談し、今後の環境を整えていくのもいいでしょう。

Point3

玄関に腰掛け




片付けのヒント

過ごし方を基準に手放す

片付けしやすい空間づくりのコツを、ライフオーガナイザーで「み.Life」主宰の大湾かよこさんがアドバイスしてくれました。
やはり片付けやすい空間づくりは、「物が少ない」ことにつきます。とはいっても、生活に必要な物を選び抜く作業は気力も体力も使いますので、早いうちから物の整理を進めたいものです。
物を整理するときはまず、その空間でどんな過ごし方をしたいのかを具体的に想像してみましょう。そして、その過ごし方に見合った物を残していきます。
それでも人によっては、思い入れのある品々はなかなか手放せないかと思います。そんな時は、小さくても展示スペースを作って飾るといいでしょう。飾る物も年に1回は入れ替えてみると気分転換になりますし、ついでにお掃除もできます。




物が出し入れしやすい「収納のゴールデンゾーン」は、床から60センチ~125センチ(年齢に応じて5センチ~10センチ低くなる)の範囲。ここに、使用頻度の高いものを収めておくとよいでしょう


物の出し入れを楽に
シニアになると、目の見え方の変化や関節の動く範囲に変化が出てきます。若いころには高い所への物の出し入れが苦にならなかった方でも、だんだんとおっくうになるものです。
その点で言えば、つり戸棚や天袋は、あっさりと使わないで空にするのも手です。物を戻しやすい場所か、戻しやすい入れ物かを優先にして、快適な空間にしていきましょう。

<問い合わせ先>
「み.Life」
090-3797-2051
info@mi-life.net
 




上原牧子さん(うえはら・まきこ)
(有)ムーブプランニング専務取締役。住空間プロデューサー。インテリアコーディネーター、二級建築士、アートライフスタイリスト、ライティングコーディネーターの資格を持ち、トータルで空間をプロデュースする。

上原牧子 オフィシャルWEBサイト
http://move-makiko.com
ムーブプランニング
098-860-3202
http://move‐planning.com


暮らしを楽しむインテリア
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1653号・2017年9月8日紙面から掲載

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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