インテリア
2017年5月12日更新
住空間プロデューサーの上原牧子さんが暮らしを楽しむインテリア「気になるトレンドを先取り」
[文]上原牧子さん(住空間プロデューサー)Vol.2
ミラノサローネ2017 リポート
空間演出のヒントに
ことし4月にイタリアで開かれた世界最大のインテリアイベント「ミラノサローネ」から、インテリアのトレンドを三つのポイントに分けて紹介します。
「ミラノサローネ」とは、毎年イタリア・ミラノ郊外北西部にあるローフィエラ会場で開催される、世界最大規模の家具見本市です。期間中は165カ国から34万人余りが訪れ、にぎわいます。家具のバイヤー以外に建築やインテリアの業界関係者、ファッションやグラフィックに携わっている人など、集う人々の職種はさまざま。会場は広く、日本最大の展示面積を誇る東京ビッグサイトのなんと約6.5倍! 1日ではとても回りきれないほど巨大な広さです。
会場内には世界中のインテリアメーカー2000社余りがブースを構え、それぞれの最新商品と共に空間をしつらえています。世界の最新デザインが凝縮している「ミラノサローネ」は、その年のインテリアトレンドの発信の場になっています。
その会場でインテリアのトレンドをじかに見て、触れて、感じたことを、「インテリアと植物」「スタイルとカラー」「空間とアート」の三つのポイントからお伝えします。
Point1
インテリア×植物
「ダイナミックにアレンジ」
会場を回る中で目に付いたのは、空間にダイナミックに植物をアレンジしているブースが多いことでした。植物を多く取り入れることで内と外との境界である中間領域をあえて作り出し、室内に居ながら外の開放感を感じられる空間となっていました。
住宅のテラスなども、おしゃれなアウトドア家具や撥水効果のあるファブリックを使うことで、リビングの延長のようなくつろげる空間にすることが可能です。
人気のあった家具メーカー「baxter(バクスター)」のブース。植物を大胆に取り入れることで、内と外をつなぐ中間領域をうまく作り出している
天井をくり抜いてシンボルツリーを配置/写真左。ブラックカラーと植物のグリーンでモダンな空間に/写真右
Point2
スタイル×カラー
「クラシカルな要素をプラス」
インテリアスタイルはモダンな中にもどこかクラシカルなテイストを感じさせるデザインが多く、家具の素材では珍しい柄の石材や疑似マーブルの天板など、新素材も見られました。
インテリアのカラーはスモーキーカラー(下参照)をベースに、空間のアクセントになる家具や小物などにトレンドカラーのテラコッタやターコイズブルーが多く使われていました。これらの色をインテリアのスパイスとしてファブリックや小物などに配色することで、トレンド感のある空間演出ができます。
クラシックモダンのベッド空間は、スモーキーカラーで統一することで上質な印象の空間に
木素材にさまざまな塗装手法で仕上げた面材/写真左。珍しい柄の石材やターコイズブルーの小物をインテリアのスパイスとして取り入れる/写真右
スモーキーカラーの例 |
Point3
空間×アート
「現代アートを大胆に飾る」
どのブースもそれぞれの空間や生活シーンに合わせたアートをすてきに演出していました。壁に大きなアートを大胆に、または個性あふれるオブジェをシンボル的に飾っているのが印象的でした。現代アートを取り入れることで、オリジナリティーあふれる楽しい空間をつくることができます。
オブジェを空間の真ん中に配置
ユニークなアートが空間のアクセントに
上原牧子さん(うえはら・まきこ)
(有)ムーブプランニング専務取締役。住空間プロデューサー。インテリアコーディネーター、二級建築士、アートライフスタイリスト、ライティングコーディネーターの資格を持ち、トータルで空間をプロデュースする。
◆上原牧子 オフィシャルWEBサイト
http://move-makiko.com
◆ムーブプランニングHP
http://move‐planning.com
暮らしを楽しむインテリア
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1636号・2017年5月12日紙面から掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 比嘉千賀子
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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。