インテリア
2017年4月19日更新
住空間プロデューサーの上原牧子さんが暮らしを楽しむインテリア「ファブリックでイメチェン」
[文]上原牧子さん(住空間プロデューサー)Vol.1
春はインテリアをリフレッシュ
カーテン選びのポイント
住宅や店舗などの設計、空間づくりをトータルで手掛ける空間プロデューサーの上原牧子さんが、日々の生活と仕事の経験から、暮らしを楽しむインテリアのエッセンスを提案します。新年度の4月、新しい生活に合わせてインテリアもリフレッシュしたい! という人は多いのでは? 初回は、カーテンを中心に手軽に季節感を演出できるファブリックや小物使いのポイントを紹介します。
心がワクワクする空間を
調和のとれたインテリアや居心地のいい空間は、毎日の暮らしを楽しく彩ってくれます。私がそれを身をもって実感したのは18歳の時、初めて訪れたシアトルでのホームステイ先でした。部屋ごとにインテリアスタイルが異なり、カラーコーディネートされた空間は、当時の私にとって夢のような住まいでした。こんなすてきな家で暮らせるなんて!! と心をワクワクさせたことを昨日のことのように覚えています。
それからインテリアに興味を持ち、建築士やインテリアコーディネーターなどの資格をとりながら20数年が経過…。大小合わせ1000件近くの物件に関わってきました。
仕事を続けながら結婚や子育てを経験。一人の生活者として、また母として女性として暮らしの中で工夫してきたこと、インテリアのお仕事を通して培ってきた経験などから、「暮らしを楽しむ」をテーマにお役に立つ情報をお届けしていきます。
4月は一人暮らしや新しい環境で生活を始める方、いつもの日常をリセットして、新しいことを始めてみたい! という方が増える季節。心ワクワク、楽しく暮らせるよう、お部屋のインテリアもリフレッシュしてみませんか?
インテリア研修で訪れたロンドンのお宅。赤のカーテンがステキです
表 ベースカラー 室内で多く使われている色で、 オフホワイトやベージュなど。 |
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ベージュ | オフホワイト |
「暮らし方」でテーマを絞る
インテリアをリフレッシュといっても、何から始めていいか悩む方は多いでしょう。手軽にイメージチェンジできるのが、カーテンやクッションカバー、ディスプレーなどです。わが家では春先になると、クッションカバーを明るい色や柄に変え、玄関先のディスプレーや、壁に掛けてあるアートを変えたりと、簡単にできることで季節感を楽しんでいます。
空間のインテリアを作り込んでいく場合、初めに「どういう風に暮らしていきたいか」「どんな部屋にしたいのか」をイメージし、テーマを設定します。テーマを絞ることによって、空間づくりがしやすくなります。
例えば、「癒やしを感じる、森のような空間」というテーマにした場合、そのイメージに沿ってカーテンや小物を選んでいきます。木目の家具、木や葉っぱなど植物をモチーフにしたカーテン、植物を置くなど、ナチュラルなカラーでインテリアをコーディネートしていきます=上写真。
飽きのこないインテリアにしたい場合は、大きな窓にかかるカーテンなど面積の広い部分はベースカラー=上表参照=にし、クッションや小物で季節感のあるモチーフやアクセントカラーを使うといいでしょう。
クッションカバーやベッドリネンなど、肌に触れる素材はもちろん、カーテンも衣替えをするように季節に応じて変えるなど、ちょっとした工夫でインテリアをリフレッシュできます。ぜひ試してみてくださいね。
ベーシックな色合いの家具も、クッションカバーの色や柄で季節感を演出
色合いや柄で季節感を演出
写真1
写真2/季節に応じてレースカーテンを掛け替える
①ドレープとレースの合わせ方
ドレープがベーシックカラーの場合
レースカーテンにアクセント
ドレープ(厚みのある生地で仕立てたカーテン)をベースカラーにした場合、レースカーテンの色や柄でアクセントをつけます。右写真はドレープをベージュにした例。黄色やグリーン、白など柔らかな色合いで大判の花柄をあしらったレースカーテンを合わせると、春~夏にピッタリの爽やか印象になります。クッションを組み合わせるときは、カーテンに使われている色を取り入れると統一感が出ます=写真①。
寒くなってきたら、レースカーテンだけを掛け替えてイメージチェンジ。シルバーやゴールドで波模様をあしらったレースで、しっとり洗練された雰囲気に=写真②。
ドレープがアクセントカラーの場合
インテリア小物やクッションに同色
ドレープに強い色や柄が入っている場合は、近くに飾るインテリア小物やクッションに同じ色を使うと空間にマッチします。下写真のように、カーテンと同じ生地でクッションカバーを作ることもできます。カーテン生地を扱っているショップに相談してみてください。
②機能性にも注目!
カーテンにはさまざまな機能を備えたタイプがあります。特徴を理解して、取りつける場所や用途などに応じて適した種類を選びましょう。
光を遮る「遮光カーテン」
遮光カーテンとは字の通り、光を遮ることを目的としたタイプ。部屋に入る光の量を調節することができるため、昼でも部屋を真っ暗にして眠りたいという人や、シアタールームなどにお勧めです。
遮光率(外からの光をカットする割合)によって1級(100.00%~99.99%、人の顔を認識できない)、2級(99.98%~99.80%、人の顔や表情が分かる)、3級(99.79%~99.40%、表情は分かるが作業には暗い)とランク付けされ、等級が高いほど光を遮る性能が高いです。
視線を遮る「ミラーレース」
紫外線カットや遮像のための特殊な加工がされたミラーレースは、自然光を取り込んで明るさを保ちながら、外からは見えにくいという特徴があります。プライバシーを守り、防犯対策にもなります。
紫外線遮る「UVカットレース」
窓から入る紫外線は、肌や髪にダメージを与えたり、床や壁紙、家具などの日焼けの原因にもなります。明るさは適度に取り込みながら、紫外線は遮ってくれる「UVカットレース」。紫外線のカット率に応じて、透け感が変わります。
一般的にレースカーテンはヒダを寄せて使う繊維間を光が屈折、反射し、比較的遮へい効果が高まるといわれています。
③カーテン小物で遊ぶ
カーテンを結ぶタッセルやカーテンレールのデザインなどの種類も多種多様。同じカーテンでも、小物を変えればイメージチェンジできます。
寝室は遮光カーテンがいいの?
眠気を誘う睡眠ホルモン「メラトニン」は、脳が光を感知すると分泌が止まり、朝日を浴びることで体内時計もリセットされるそうです。寝室が遮光カーテンで朝日が入らなければ起きづらくなります。
夜間の外灯や看板のネオンなどが気になる窓があったり、日中に寝る方でなければ、人の生理機能を考えると、寝室は遮光性の低いカーテンで構わないのではないかと思います。
今月のSHOP
「sangetsu design studio」サンゲツ沖縄ショールーム
壁紙や床材、カーテンの商品を展示する。ショールーム内にあるリフォームアトリエでは、壁紙リフォームのビフォー・アフターをi Pad画面で体感できる(要Web予約)。沖縄県宜野湾市字大謝名215(レキオススクエア宇地泊2F)TEL.098-890-3788
上原牧子さん(うえはら・まきこ)
(有)ムーブプランニング専務取締役。インテリアコーディネーター、2級建築士、アートライフスタイニスト、ライティングコーディネーターの資格を持ち、インテリアはもちろん、子育てしやすい住まいづくりに力を注ぐ。
◆上原牧子 オフィシャルWEBサイト
http://move-makiko.com
◆ムーブプランニングHP
http://move‐planning.com
暮らしを楽しむインテリア
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1632号・2017年4月14日紙面から掲載
この記事のキュレーター
- キュレーター
- 比嘉千賀子
これまでに書いた記事:152
編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。