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2017年2月10日更新

旧耐震基準の住まい対象に「簡易診断」2月末まで|気になるコト調べます!⑮

県では、住宅の耐震診断や建て替え検討の足掛かりとなることを目的に、住宅を目視で調査し、おおよその耐震性を診断する住まいの「簡易診断」を昨年12月から始めた。申請は2月末まで。県土木建築部建築指導課指導班の上地賢主任技師は「1981年5月以前に建てられた住宅は、耐震診断・改修が必要。簡易診断は所有者負担が1万800円で済むため、わが家の耐震状況を知るきっかけにしてほしい」と呼び掛ける。事業を担当する県建築設計サポートセンターの中本清理事は「2月2日現在で申請受け付けは25件。今年度は50件に達し次第締め切るため、早めの申請を」と話す。

わが家の耐震状況 1万円で

耐震診断や建て替え検討の足掛かりに

 耐震性能低い住宅は8万戸 
簡易診断は簡易診断技術者(県主催の技術者講習会を修了した1級、2級建築士)が住宅の形やコンクリートの劣化状況を目視で調査し、外形から分かる情報で住宅のおおよその耐震性を診断、所有者へその結果を報告するものだ。上地主任技師は「診断の結果によって本格的な耐震診断調査に進むべきか、思い切って建て替えを計画するかの検討に生かしてもらい、沖縄県の住宅・集合住宅の耐震化を促進するのが目的」と説明する。
県の耐震改修促進計画によると、戸建て・共同含む県内の住宅のうち、耐震診断が必要なのは全体の26%で約14万戸。そのうち耐震性能が低いと想定される住宅は15%の約8万戸と推測されている。そのため、県では2012年度から14年度まで、診断と改修の補助事業を実施した。県内に多い鉄筋コンクリート造の耐震診断にかかる費用が約90万円であることから、県ではその3分の2にあたる60万円を上限に補助したものの、実施は5棟と伸びなかった。「所有者にとっては30万円の負担感は大きく、耐震診断の結果によっては補強や建て替えの必要も出て来ることが要因では」と推察する。そこで経済的負担を軽減しつつ診断申し込みのハードルを下げたのが「簡易診断」というわけだ。申し込みから結果説明までの流れは上図の通り。国の補助事業を活用していることもあり、所有者が支払う費用は1万円(税別)で済む。

 調査に2日 3段階で評価 
事業を担当する中本理事は「本格的な耐震診断は、専門業者がコンクリートコアの採取などを行い建物の強度や塩分量を調べるため、事前調査から最終報告まで4カ月ほどかかる。簡易診断は小型ハンマーで壁や柱を打診したり、クラック・スケールでひび割れ幅を計測。所要時間も半日~2日と短い」と診断内容を説明する。こうした外観調査と設計図面を基に評価シートを作成。建物の形状による耐震性能の計算、ひび割れ、老朽化による減点を加味して、「危険性は低い」「耐震性にやや疑問あり」「危険性が高い」の3段階で評価する。
申請開始から2カ月で技術者派遣が決定したのが25件。うち2件は診断を終了しており「耐震性が不安だったが受けて良かった。今後の補強計画の目安にしたい」と好評だ。中本理事は「問い合わせの多くは高齢者。金額的に申し込みしやすいこともあり、以前に比べ関心は高まっている」と手応えを感じている。

◆募集条件 以下の全てを満たすこと。
 ①1981年5月31日以前に着工された住宅。
 ②建物の構造は鉄筋コンクリート造、補強コンクリートブロック造、鉄骨造。
 ③建物の規模は3階建て延べ床面積300㎡以下。
 ④建物の所在地は沖縄県内。
 ⑤簡易診断の申請者は簡易診断を実施する住宅の所有者。
◆申し込み先 
県建築設計サポートセンター  098-879-1020 (平日9時~17時)まで


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 第1623号・2017年2月10日紙面から掲載

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