企業・ひとの取り組み
2025年1月24日更新
地球と人に優しい暮らし|齊藤雅子さん(macoro主宰)|家々人々[152]
読谷村で自然素材を使った健康住宅に住み、地球環境や人に優しいライフスタイルを提案している「macoro」の齊藤雅子さん(45)。macoroは25日に活動2周年記念日を迎える。自宅は活動の拠点ともなっており、「毎日、癒やされています」と笑顔で話す。
地球と人に優しい暮らし

1979年、東京都出身。2019年、家族で沖縄に移住。22年、読谷村で自宅として自然素材を使った健康住宅を新築したのと同時に、地球環境や人に優しい持続可能なライフスタイルと暮らしの雑貨を提案・提供する「macoro」を主宰。プライベートでは2人の男の子のお母さん。
■幼少期の暮らしの思い出は
出身地の東京都杉並区はとても恵まれた環境でした。私の学校は公園の真ん中にあり、学校と公園の境界線がなかったんです。年一回の全校写生会では、1日中公園で絵を描き、児童館では2泊3日のキャンプに無料で参加してました。中学生のころは友達と公園で段ボールハウスを作ったり(笑)、自然に囲まれ、自由な子ども時代でした。
■現在のお仕事を始めたきっかけは
東京から沖縄に移住し海を見る機会が増え、自然のつながりを深く感じるようになりました。移住直後は友達もなく、毎日、子どもたちと海を眺め、好きな雑貨屋を回っていました。そこで出合ったのがエコラップ。環境に配慮した商品が私の世界を変え、「多くの人に知ってもらいたい」と、活動を始めるようになりました。
■実際に活動を始めた感想は
目的は商品販売ではなく、暮らし方を伝えることです。指導者を迎えたワークショップでは、刺しゅうや藍染めを通じてモノを大切に使う知恵を共有しています。参加者と服を染めたり布巾をよみがえらせたりする中で、「こんなふうに使えるんだ!」って気付く瞬間が楽しいです。特に移住してきたばかりの方の交流の場になれたらうれしいですね。
■暮らしで気をつけていることは
天然木やしっくいなど自然素材でできたわが家はとても心地よく、私自身落ち込むことがあっても、床に寝そべるだけで癒やされます。多くの人を招きますが、皆さんにその心地よさを味わってもらいたい。空間を広く使うため、インテリアもシンプルにしています。その工夫の一つが壁の収納。床に物を置かなくなったことで空間が圧迫されずすごく効果を発揮しています。また間取りも家族の成長に合わせて柔軟に対応できるようにしています。毎日モノを大切に使い、環境に負荷をかけない工夫を常に考えています。
■今後の目標は
より多くの人とコラボして環境をテーマにしたワークショップを開催し、日常のモノを愛着のあるものに変える体験を提供したいです。スキンケア用品づくりなど、自分で納得できるものを選ぶ機会を作りたい。小さな選択の積み重ねが、地球と人に優しい未来を作ると信じています。
現在の住まい

天然素材でできた木造2階建ての家に夫と2人の子ども、義母の5人で暮らしている。庭のコンポストからできた肥料を使って、オーガニックコットンを栽培。その良さも伝えている。
プライベートはこんな顔
自宅で、刺繍、藍染め、草木染や講話会など、環境に優しい暮らしをテーマにワークショップを開いたり、リビング隣の部屋では環境に配慮したさまざまな商品を紹介、販売しています。撮影で着用している服も、藍染めして再び着られるようになったもの。すごく気に入っています。
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ホッ と空間
人の集うリビング
人の集うリビング

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2038号・2025年01月24日紙面から掲載