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2016年12月30日更新

沖縄県内の建築費事情についてアンケート|やっぱり家が欲しい!①

「週刊タイムス住宅新聞」では県内の建築士事務所や建設会社へ、県内の建築費事情についてアンケートを取り、30社から回答を得た。建築費用の目安、高騰の要因、コストを抑えるヒントを紹介する。

 Q1  3年前と現在の住宅建築費はそれぞれどの程度か(1坪あたり)
現 在…平均88.2万円     3年前…平均67.4万円
1坪あたり約20万円の高騰

 Q2  建築費高騰の要因は(複数回答可)
①人材不足による人件費高騰 (29件)
「需要に対して供給側の建設会社が圧倒的に不足。数年前の不景気で撤退した建設会社も多いと聞く」(建築士)
「縮小した建設業界のパイの中での急激な仕事の増加で、対応が不能となっている。これを機に、職人・技術者のレベルアップを図るべき」(建築士)
「公共・民間とも発注が多く、建設業界が売り手市場になり、競争原理が働かない」(建築士)
「作業員の不足。中でも型枠工は若手の育成ができておらず、人材不足である」(建設会社)
「コストを優先するばかりに、建築パフォーマンスの低下につながらないかが気になる」(建築士)

②資材価格の値上がり (21件)
「コンクリートの高騰」(建築士)

③その他 (3件)
「建設工期が予測しづらくなっていて、その分のコストがかかっている」(建築士)
「消費税率のUP」(建設会社)
「施主の要望が増えた」(建築士)

 Q3  建築費を抑えるための工夫
①シンプルな造り (7社)
「間取り、形をシンプルにして材料を絞る」(建築士)
「凹凸の少ない平面形状にしてコストを抑える」(建築士)
「構造・意匠の単純化。極力、人件費がかからないようにする」(建築・施工会社)
「造り付けの家具などは、メインの部屋のみにする」(建築士)

②小さな家 (5社)
「本当に必要な広さまで規模を縮小する」(建築士)
「面積をコンパクトに抑えつつ、機能・デザインを両立させることは可能」(建築士)
「階高の圧縮」(建築士)

③資材の見直し、使い方の検討 (4社)
「収納や仕上げ材は必要最低限にする」(建築士)
「安価な資材も、使い方次第」(建築士)
「内部建具や造作物などは既製品を活用してコストを抑える」(建築士)

 Q4  この厳しい状況でも、家を建てたいと思っている読者へアドバイス
土地購入について
「土地から購入する場合、変形地などの安い土地の購入を勧め、敷地を生かすアイデアを提案している。また、親の土地を生かして、2世帯住宅という手もある」(建築士)
「30坪から40坪程度の住宅では、割高になる傾向がある。親との2世帯や、兄弟で一緒に建てることも検討してはどうか」(建築士)
「土地の形状(狭小・崖地・変形地)や立地(密集地・幹線道路沿い)に問題があっても、魅力的な家を建てられる。設計事務所に相談してみてほしい」(建築士)

空間の考え方
「必要な空間・収納などを整理すればコストを抑えることも可能です」(建築士)
「優先順位を決めて、譲れない部分を軸にプランを見直していくと、小さくてもステキな家はできる」(建築士)

RC造以外の提案
「人件費を削減するため、鉄筋コンクリート造でなくコンクリートブロック造を提案している」(建築士)
「仕上げのみの調整では、コスト減にも限界がある。躯体の作り方や工法から、従来のやり方を見直す」(建築士)

工事に関して
「地盤補強や、土地造成などの基礎工法を見直す」(建設会社)
「工事の種類をなるべく減らすよう提案している」(建築士)
「設計と施工業者の会社が同一であれば、コスト減がしやすい」(建設会社)
「建築工期を2割程度延ばしておく(作業員不足との絡み)」(建築士)

建築士や建設会社との付き合い方
「坪単価の安さで会社を選ぶのではなく、外構工事やアフターメンテナンスまで含めて決めたほうが良いと思う」(建設会社)
「設計者との信頼関係がますます不可欠な時代。根気よく、自分たちが大切にしたい点を整理し、夢の実現を」(建築士)
「面積、資材、工法、コスト、すべてを俯瞰(ふかん)で見て調整し、施主にとって最もいい提案をしてくれる会社を選びましょう」(建築士)
「漠然とした思いではなく、設計者とよく話し合って思いを共有すること」(建築士)
「無理な注文はしない」(建築士)


 専門家は現状をこう見る(金融系シンクタンク/建築士) 
「借り入れはしやすい時期。新築一戸建てにこだわり過ぎず、検討を」
(株)海邦総研研究員 中山禎氏
今は建て時か? と問うと「家を建てたい人は、多少建築費が上がっても建てたいもの」とし、大切なのは「何を優先に家を選ぶか。多角的に考えるべきだ」と語る。
価格重視なのか、住みたい地域があるのか、利便性を追求するか。「その優先順位を踏まえ、住まいの形態を考えてはどうか」。
現在、一戸建ての建築費は「土地を含めて購入すれば4千万円以上することも珍しくない」と言う。
だが一方で「住宅ローン金利が低い上に、金融機関からの借り入れはしやすくなっている。しっかり返済計画を立てれば悪い時期ではない」との側面もある。
価格重視なら中古物件という選択もあるし、立地重視ならマンションも良い。
中山さん自身、3年前に新築マンションを購入した。「正直、自分がマンションを買うとは思っていなかったが、モデルルームを見て、『あり』だと思った」。
「さまざまな物件を見ることで、それぞれの良さが分かってくると思う。柔軟さとフットワークの軽さが取得実現のカギ」と語った。

「コスト減に一番効くのは面積を小さくすること。しっかり取捨選択を」
日本建築家協会 沖縄支部長 當間卓氏
人件費が高くなったという声に、「今までが安かった。人材不足が引き金になり、適正な価格になっただけ。だが、上げ幅が大きいため影響も大きい」と語る。
建築費高騰は、業界の構造的な問題のため数年で下がる見込みはないとし「家という空間の考え方を『リノベーション』するとき」と語る。
家に、30坪~40坪の広さを求める人は多いが「本当に、その広さが必要なのかよく考えてほしい」と説く。
「コスト減に一番効くのは、面積を小さくすること。固定観念を捨てて、自分に必要なものを取捨選択すること」とアドバイスする。 例えば、和室で無くても仏壇は置ける、浴槽を設置しなければ風呂場の面積は削れる、子ども部屋はつくらずリビングに勉強スペースを設けるなど。
「生活スタイルに合わせた家」との考え方を逆転させて「家に生活スタイルを合わせる、という考え方があってもいい時代だ」。
「我慢をするのではない。しっかり考えて、しっかり選ぶ。その先に、理想の家がある」と話した。
 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 年末年始特別号 第一集 第1617号・2016年12月30日紙面から掲載

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