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2016年12月9日更新

沖縄の観葉植物事情|植物と器で楽しむ Interior green⑨

今回は、沖縄の植物や生産者の話題を取り上げる「こぼればなし」の拡大版。プランタドール代表の新城圭吾さんが、沖縄の良品観葉植物とすご腕生産者について語る。

良品生み出す生産者の技

みなさん、観葉植物にもそのときどきで、はやりがあるのをご存じでしょうか? 種類や品種、フォルムなどいろいろあります。
私が植物に携わるようになって15年になりますが、感じていることは、みなさんに圧倒的に求められているのはこの連載で紹介してきた「定番」の植物だということです。中でも樹形にこだわり、よりインテリア性を備えたものが人気です。

露地栽培で生育早い 作り手で違う仕立て
そんな定番の良品植物を数多く市場に送り出しているのが、県内の生産者の方々です。愛知県や埼玉県、鹿児島県なども観葉植物の生産地として有名ですが、沖縄は気候的に恵まれ、県外のように霜や雪が降らないため、年中、露地栽培が可能です。植物の生育も早く、県外に比べて植物の回転率がいいのも利点かと思います。また、同じ品種でも規格外に大きいものがあったりと、県内では必ずびっくりするような良品に出合えます。
そして何より、生産者のみなさんの仕立てが素晴らしいのです。幹や枝に曲線美を表現したり、一枝に付ける葉の枚数を調整したり、あえて左右一方に幹や枝を寄せてみるなど、同品種でも生産者によって表現の仕方が異なり、樹形の仕上がりも違うのです。
生産者のみなさんは、「葉が付いてない状態から完成形がはっきり見える」と言います。その完成形に仕立てるため、一つ一つ丁寧に作業を進めていきます。何百鉢とある植物を一つ一つ見ながら、幹をひもで固定したり不要な葉を間引いたり(下写真)、地道な手入れで良品と言われる観葉植物が生まれます。


植物を仕立てる生産者。この背中、最高です!

毎月来るバイヤーもインテリアの一つに
そんな沖縄なので、多い人では毎月来沖して仕入れをする県外のバイヤーもいます。私も年に数回、バイヤーをアテンドしたり県外への卸し業務をしていますが、県内では考えられないくらいクライアントさんの植物に対する意識が高く、中にはほぼ県外への出荷という品種もあります。2020年の東京オリンピックに向けても、ものすごい数の沖縄の植物が流通されることが予想されます。
県外では各所にインドアグリーンをふんだんに使用した商業施設もあります(下写真)。コーヒーなどを飲みながら読書をしたり談笑したり、買い物したりと理想の空間!県内にもたくさんのおしゃれな建物や飲食店があるので、インテリアや外構の植物にもこだわった、このような場所が増えることを切に願います。県内の素晴らしい生産者が仕立てた植物たちを、もっと多くの県内の方々に見て感じていただけるよう発信していこうと思っています。


県外の某商業施設のインドアグリーン
 

流通は県外メイン 沖縄ではなかなか見られない県産植物 

県内の生産者の手で増産

シルバー色の強い葉に、シュッとした雰囲気が人気の「アグラオネマ」。数多くの種類がある中でも流通量がごくわずかで、正式名も定かではない品種がこの「アグラオネマSP」。県内の優良な生産者が地道に増やし、現在は少量ながら市場に流通しているが、100%県外への出荷


県内の優良生産者が仕立て、最近流通し始めた。ツヤのある小さめの丸い葉がかわいらしい「フィカス・ジャンボリーフ」。


ツヤのある深いグリーンの葉が印象的で、幹もしなやかな「フィカス・ビーバー」。

力強くもエレガント

シルバーグリーンの広葉がとても美しく、力強さとエレガントさを兼ね備えた「アガベアテナータボーチンブルー」。テラスなどに重厚感のある器と合わせて飾るも良し、庭に植栽するも良しの素晴らしい品種。高額だが人気種のため、ほぼ県外で流通。生産量は県内が圧倒的に多いが県内では流通していないのが悔しい

近年、人気が高まる

広葉でダイナミックなフォルムが特徴の「アンスリウムジャングルブッシュ」。耐陰性に優れ、室内観葉植物として近年人気が高まっている。県内でも数多く生産されているが、流通は少ない

けた違いのサイズ

約7メートルの「ブラッサイア」。定番で流通量の多い品種だが、このサイズはめったにないであろうと思われる個体
 


県内の園芸店などでも見かける、人気のコンシンネ。写真は同種だが高さ約7メートル、樹齢30年とサイズ、樹齢ともけた違いで迫力の大きさ! 県外の商業施設に飾られる予定で、県内では見られないのが残念


執筆・提案
しんじょう・けいご/PLANTADOR代表。「花屋Ru-ga」で植物についての基礎・応用を学び、2009年に独立。14年に浦添市大平に販売店舗「PLANTADOR Segundo」をオープン。主に植物の室内コーディネート、住宅の植栽、植物販売などを手掛ける
 
『週刊タイムス住宅新聞』Interior green<9> 第1614号 2016年12月9日掲載

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