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2016年11月11日更新

細幹がスタイリッシュ[ココロバ]|植物と器で楽しむ Interior green⑧

インテリアグリーンを楽しむコツと上手な育て方を、プランタドール代表の新城圭吾さんがレクチャー。丸い葉と動きのある細い幹が特徴の「ココロバ」は、スタイリッシュさの演出にうってつけのインテリアグリーンだ。

細幹がスタイリッシュ

人気高く品薄[ココロバ]
Q.ココロバってどんな植物?
丸葉で動きのある樹形 “心葉”で気持ち豊かに
タデ科ココロバ属の植物で、原産地は熱帯アメリカ、西インド諸島になります。
原産地では浜辺に自生しており、ブドウのような実を付けることから海のブドウ「シーグレープ」と呼ばれています。実際、「ココロバ」よりも「シーグレープ」という品種名で市場に出ていることが多いかと思います。でも、私の店ではあえて「ココロバ」で表示し、呼んでいます。ココロバ=心葉だと思っているからです。
ココロバの魅力は、何と言っても丸い葉と曲がった幹。葉脈は赤く、自然に動きのある樹形になりやすいのも特徴です。太くたくましい幹の観葉植物も魅力的ですが、ココロバのような細い幹の木はスタイリッシュです。現在、インテリアプランツとしての人気は高く、良質なココロバは品薄状態です。
サッカー選手で例えますと、受け手の事を考えて幾種ものパスを織り成した元ポルトガル代表「ルイ・コスタ」と言ったところでしょうか。インテリアグリーンとしてライフスタイルにココロバを取り入れると気持ちが豊かになり、あなたのハートに“心葉”が芽吹くのではないでしょうか。

Q.育てる上で気を付けたいことは?
柔らかな日差しの場所に湿度が高い環境が好み
比較的寒さが苦手。夏の直射日光も苦手です。夏はレースのカーテン越しの光が当たるような場所に置いてください。また、湿度が高い環境を好みますから、エアコンの風が葉に直接当たらないようにし、毎日、霧吹きで葉に水をかけて湿度を保つようにしましょう。適正な場所での管理が大切です。
沖縄ではなかなか気温が10度を下回ることはありませんが、屋外で育てている場合、10度以下では室内に取り込むことをおすすめします。水やりは土の表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりあげてください。
時折、葉先が黒くなったりすることがあります。原因は一概には言えませんが、根詰まりの可能性があります。葉先が黒くなった際は鉢底を確認してみてください。もし鉢底から根が出ている場合は、ひと回り大きいサイズに植え替えをおすすめします。その際、用土を全てフレッシュな培養土にして植え替え、はみ出ていた根はカットします。あわせて傷みのある葉は切り落としましょう。


丸い葉と動きのある細い幹が、スタイリッシュな印象を与えるココロバ
 

枝葉バランスの妙​

個体の持ち味全開


壁面が打ちっ放しの吹き抜けスペースに、約2.3メートルサイズのココロバをマットな黒の器に合わせてコーディネート。自然に動きのある枝に、ボリューム、バランス共に良く付いた葉がとてもキュート。ココロバの特徴がよく表れている、なかなか出合えない個体でした。

植物と器に共通点持たせ

個人宅のリビングに納品した約2メートルの大鉢サイズ。丸い葉のココロバと、器の切り口と形状が丸い個性的な器と合わせて丸々つながり。植物と鉢で共通点を見つけコーディネートするのもインテリアプランツの楽しみ方ですね。

スタンダードな器で​

約2.3メートルサイズのココロバを、スタンダードなマットの白い器に合わせて。後日、テレビ台とテレビが設置されることになっていたため、テレビにかからない樹形と高さを意識して選びました。

屋外と室内で「剛と柔」

中庭のデッキスペースにあるアロエフェロックスと、室内のコーナーにさりげなく置いたココロバの組み合わせが、まるでライオンに追いかけられて隠れている羊のようなコーディネート。「剛と柔」。ココロバは、スリムな樹形にバランスよく付いた葉が愛らしい印象を与える約1.8メートルサイズを、丸みのあるグレーの器に合わせました。

こぼればなし
タイプは2種類
ココロバには実は、2種類のタイプがあり、一番の違いは葉の大きさです。葉が大きいタイプが輸入もの、葉が小さいのが昔から日本に自生していたタイプです。
10年ほど前、人気急増により輸入タイプが市場に出回りましたが、葉が大きく、枝や幹が必要以上に曲がり過ぎてバランスが悪く、インテリア性に欠けていたのを記憶しています。現在はめっきり少なくなりましたが、輸入タイプでも枝や葉のボリュームを整えれば、インテリア性は上がります。
反対に、葉が小さい国内タイプは枝や幹の曲がりのクセも少なく、自然な樹形になりやすいです。葉の大きさも小さいため、一般的な住空間に適しているのはこのタイプだと個人的には思います。植物の背景が分かるとまた、植物選びの楽しさが一つ増えるのではないでしょうか。


国内タイプは葉が小さい


輸入タイプ


執筆・提案
しんじょう・けいご/PLANTADOR代表。「花屋Ru-ga」で植物についての基礎・応用を学び、2009年に独立。14年に浦添市大平に販売店舗「PLANTADOR Segundo」をオープン。主に植物の室内コーディネート、住宅の植栽、植物販売などを手掛ける
 
『週刊タイムス住宅新聞』Interior green<8> 第1610号 2016年11月11日掲載

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