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2025年12月26日更新

高齢者に物件を貸すために必要なことは? 沖縄で65歳からの部屋探しをサポートする不動産会社が解説|住まいでつながる未来の安心 共助で支える、高齢社会の賃貸経営④

県内最大規模の管理戸数を抱える中部興産のグループ会社・興産アメニティでは65歳からの部屋探しをサポートする「R65不動産沖縄」事業を行っている。同事業を担当する久田尚志さんが県内の現状や課題について執筆。今回は、高齢者に物件を貸すための具体的な取り組みを紹介します。

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執筆/興産アメニティ(株)久田尚志


関係者でリスクを分散

県内最大規模の管理戸数を抱える中部興産のグループ会社・興産アメニティでは65歳からの部屋探しをサポートする「R65不動産沖縄」事業を行っている。同事業を担当する久田尚志さんが県内の現状や課題について執筆。今回は、高齢者に物件を貸すための具体的な取り組みを紹介します。


 
 Q・高齢者の入居をためらう理由は? 
県内の「高齢者の住まい」の実情を当連載に反映させるため、皆さんの不安や悩みを教えて下さい。今回は、借主(入居者)、管理会社、オーナーの方などにお伺いします。
「高齢者の入居を躊躇する理由とサブリース」
Googleフォームからご回答ください。


「誰がどう動くのか」確認

「あと2週間で、今の家を出なきゃいけないんです」。60代後半の男性から、退去日間際になって相談が入りました。

住んでいたアパートが取り壊しになるため、4カ月前から市内の不動産会社に電話をかけ続けていたそうです。しかし、年齢を伝えた途端、「ちょっと難しいですね」。申し込み審査以前に、門前払いでした。

弊社には週に1〜2件、こうした相談が寄せられます。条件が合えば提案できる物件もありますが、なかなかマッチングできないケースも少なくありません。県内の不動産情報サイトには1万件以上の賃貸物件が掲載され、築30年以上で家賃3万円代の物件もあります。しかし、高齢者が入居できない状況が続いています。

管理会社を通じて聞こえてくるのは「オーナーさんが『もし何かあったらどうするの?』と言っています」という声。そこで、県内の社会福祉協議会と連携し、以下を整理しました。

□緊急連絡の窓口/親族または地域の支援者(社会福祉法人)が対応

□見守りの方法/水道メーターに取り付けたIoT機器で生活を確認。異常があれば通知が届く仕組み。加えて週1回の訪問も実施

□いざという時の流れ/管理会社から警察・救急への連絡、親族への引き継ぎまでの手順化

□残置物や原状回復/ご家族が対応。家族がいない場合や相続放棄の場合は、家賃保証会社による補償や、居住支援法人による残置物処理受任の仕組みも活用可能


上記をオーナーに説明したところ、「それなら受け入れられる」と判断が変わりました。「困ったとき、誰が、どう動くのか」を知ることで、オーナーは安心したようです。つまり「拒否」ではなく「不安」だったということです。

「高齢者を受け入れる=貸す側がリスクを背負う」と思われがちですが、関係者が少しずつリスクを分担することで、持続可能な形で住まいを支えられます。
 


一室だけのサブリースも

サブリース(転貸)といえば「1棟まるごと借り上げ」のイメージが強いですが、最近は「1室だけ」という形も出てきています。

これまで入居がつかなかった築古物件や、長く空いていた部屋でも、事業者が借り上げることで安定した家賃収入が生まれます。家主にとって大きなメリットです。

県内では、居住支援法人レキオス(那覇市)が空き家を改修・入居支援して転貸する事業に取り組んでいます。精神科看護の支援に取り組む㈱N・フィールド(中城村)でも1部屋を借り上げて転貸する事業を展開しています。

弊社でも1室を借り上げ、見守りサービスや補償の手厚い保険などに加入いただいた上で転貸する取り組みをしています。家主は空室リスクがなくなり、入居者は安心して暮らせます。見守りの仕組みがあれば、万が一の時に発見が早くなり、原状回復の費用も通常の退去とさほど変わらない金額になります。

単身高齢者は確実に増えていきます。見守り体制を整えた部屋は早く埋まり、入居期間が長く、原状回復の頻度も減る。経営の安定にもつながるでしょう。

「まず1室から」始めるには、いざという時の相談先をつくること。家主の皆さまと一緒にその一歩を踏み出せたらと思っています。




くだなおし/興産アメニティ「R65不動産沖縄」担当。
TEL:098(882)1717
https://r65.kosanamenity.com/

毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2086号・2025年12月26日紙面から掲載

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