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2025年9月26日更新

家族の幸せを形にしたい|棚原彰悟さん(T home株式会社 代表取締役)|家々人々[160]

「後悔しない家づくり」をモットーに住宅の設計建築を中心に手がけるT home(株)代表取締役の棚原彰悟さん(35)。2児の父親でもある棚原さんの家づくりには未来を見つめる優しいまなざしがある。

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家族の幸せを形にしたい

たなはら・しょうご/1990年、北中城村出身。一級建築士、インテリアコーディネーター、建築積算士。沖縄職業能力開発大学校卒。県内設計事務所、建築会社を経て、2022年、「T home(株)」を設立。ことし6月、北中城村安谷屋に新事務所をオープン。プライベートでは6歳と1歳半の2人の子を持つお父さん。


■幼少期の暮らしの思い出は
同じ敷地に親戚3家族が暮らしていて、本家の庭が遊び場でした。よく土を掘って川を作ったり、手作りのブランコに乗ったりしていました。絵を描くのも好きで、特に家の絵を描いていました。大工だった父が設計士という仕事があることを教えてくれて興味を持つようになりました。


■沖縄職業能力開発大学校で学んだ後、一級建築士も取得
進学先は、高校の進路の先生に教えてもらい、決めました。一級建築士の資格取得は、学科試験を2回、製図試験を2回受けて、トータルで3年かかりましたが、学生時代の仲間が取得していたので、それを励みに頑張りました。

■住宅設計建築をメインにする理由は
前職では公共事業も経験しましたが、住宅設計で施主とお話しして進めていく方が楽しく、僕には合っています。

僕の実家は大きな家じゃなくて、最初は自分の部屋がありませんでした。「大きな家を建てたい」という夢を小さいころから持っていたんです。家を建てる人は夢を持って建てる。僕にとって家とは家族の幸せを形にすること。それを一緒につくっていくのが楽しいんです。以前、手がけた住宅の施主さんが「帰ってきたくなる家になった」と言ってくれたときには、すごくやりがいを感じました。

■今後の目標は
まず、湿度調整に特化した家づくりをもっと広めたいです。家づくりはデザインの話題になりがちですが、湿気対策は重要な部分。「後悔しない家づくり」をテーマに、セミナーで正しい知識を伝えていきたいです。木造住宅を基本としているのも、湿気対策や快適性、コストを総合的に考えた結果です。ただし、土地によってはコンクリート造の方が良い場合もあるので、施主にはメリット・デメリットをしっかり説明します。

二つ目は、家族のライフステージに合わせて変化できる住まいの提案です。子ども部屋を最初から細かく区切るのではなく、成長に合わせて仕切りを作っていく。家族の成長と共に変化していく住まいはすてきだなと思います。

そして三つ目は、自分の家を建てることです(笑)。海が見える土地を探していて、環境を生かした家づくりができればと思います。

子どもたちが「今日は海がきれいだね」と自然に反応してくれるのを見ていると、感受性を育てられる環境のぜいたくさを感じます。子どもの可能性を広げられるような住環境をつくりたいですね。



 子どものころの住まい 

両親と姉の4人家族で住んでいたコンクリートブロック造の2階建て。1階が駐車場、2階が住居で父親が増築した(点線で囲まれた部分)。庭には鶏がいたほか、パイプで組み立てられた手作りのブランコもあった。


プライベート

2022年、T home(株)を父親と二人で創業しました。仕事人間で、家づくりを熟知している父は、俯瞰(ふかん)した視点を持ち、主体的に考え、現場でも次の職人の仕事を考えて行動してくれる。その信頼感は大きいです。みんなが気持ちよく良いエネルギーで造った家は、やっぱり良い家ができるような気がしています。
 
◇    ◇    ◇
 
 
 ホッ  と空間
海が見えるベランダ
現在は家族4人でマンションに暮らす棚原さん。「海が見えるベランダからの景色が好き。眺めているだけでホッとします」と語る。「子どもたちも毎日海や空の色の変化に気付き、反応するんです」と目を細める。
 

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2073号・2025年9月26日紙面から掲載

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