家づくり
2025年12月12日更新
クリスマスパーティーや忘・新年会はぜひわが家で! 一級建築士が推す深い理由|お財布とヒトにやさしい住まいのヒント⑨
当連載では住居が家計や人間関係、幸福感にどのように影響するかを一級建築士の村山創さんが解説する。今回は、クリスマスパーティーや忘・新年会など人との交流が増える年末年始だからこそ考えたい「人との交流」について。いつもは外で集まる親戚・友人などを自宅に呼び「家での集い」を楽しんでみませんか、という提案。

文・図表/一級建築士・村山創
社会的資本を高める住まい
人生を豊かにする「交流」

「つながり」を育む家
12月は、クリスマスや忘年会など、人との交流が増える季節。いつも以上に笑い合うなど、心が温かくなる瞬間が多くなります。
こうした「つながり」は、実は私たちの人生において、とても大きな意味を持っています。心理学や社会学の研究でも、家族・友人・地域・職場・オンラインのコミュニティーなどのネットワークを指す「社会資本(ソーシャルキャピタル)」は、豊かな人生をつくる重要な要素とされています。
こう考えると、「人とのつながり」を育む住まいは、幸福度を高めるための大切な土台になると思います。
集まりたくなる空間
住宅の設計や相談に携わる中で、住まいは単なる「箱」ではなく、人と人を結びつける「場所」になると強く感じています。
人が集まりたくなる空間、誰かを招きたくなる家は、住人の交流を豊かにし、結果的に人生の満足度を引き上げてくれます。それは少しの工夫でかなえることができます。
◆リラックスできるウッドデッキやテラス
◆庭やベランダで会話が楽しめるBBQスペース
◆家族や友人と料理を楽しめる対面型・回遊型のキッチン
◆風景が楽しめる、居心地のよいリビング
◆広がりのある空間
などの工夫で、人が集まり、笑顔が生まれる回数は驚くほど増えていきます。家という場所は「自分のため」だけでなく、「大切な人とのため」にもあるべきです。そう考えると、住まいは社会資本を高めるための、非常に効果的な演出の場になります。
行事や記念日を活用
誕生日、季節の行事、忘年会・新年会、子どものイベントなどは、交流を生む絶好のチャンスです。特別な準備をしなくても、「せっかくだから家で集まろうか?」と声をかけませんか。
特におすすめなのは「食事」を中心にした交流。おいしいものを囲むと人は自然と笑顔になり、肩の力が抜け、会話も弾みます。2人でも3人でもいい。小さな集まりが積み重なることで、気づけば「人が集まる場所」になり、そこに住む人の社会資本は自然と増えていきます。
その交流の楽しさをさらに大きくしてくれるのが「写真」です。後から見返したときに楽しかったトキメキを何度でも味わうことができます。
これは「思い出の配当金」とも言います。思い出の配当金が多いほど、人生は豊かに感じられていきます。家の中に飾られた写真や絵を目にするだけで、日常に優しい彩りが生まれます。
人を招くのに難しい準備は必要ありません。玄関に季節のオーナメントや植物を飾るだけでも、訪れた人は「歓迎されている」と感じてうれしくなるものです。おもてなしとは、相手を思う気持ちの表現です。

今の時期なら、玄関にリースやクリスマスっぽいドライフラワーなどを飾るだけでも、来客は「歓迎されている」と感じうれしくなるものです
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社会資本が豊かになるほど、人の幸福感は高まると言われています。その土台となるのが、日々を過ごす〝住まい〟です。
家が変わると暮らしが変わり、暮らしが変わると交流が増え、交流が増えると人生が豊かになります。
ぜひみなさんの家が、誰かと笑い合える「心地よい舞台」になりますように。そして、その舞台を彩るたくさんの思い出が、これからの人生の支えになりますように。

むらやま・はじめ/
一級建築士、創環境Design代表。フラット35適合証明技術者。設計の仕事をしながら、住宅関係の講演会や一般消費者に向けて住宅づくりの情報をSNSで発信している
https://hajimemurayama.my.canva.site/
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2084号・2025年12月12日紙面から掲載











