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2025年5月23日更新

家族時間育む間取り提案|川口久美子さん(琉球ストーク(株) 間取りプランナー、住宅収納スペシャリスト)|家々人々[156]

琉球ストーク(株)(那覇市、川口幸治代表)で間取りプランナーとして活躍する川口久美子さん(43)。幼少期の暮らしや子育て経験から得た「住まいへの気づき」を提案に生かし、多くの家族の暮らしを豊かにしています。

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家族時間育む間取り提案

かわぐち・くみこ/1981年、神奈川県出身。短大で服飾造形を学び、大手アパレルメーカーに入社。東京と神奈川の店舗で店長を務める。2012年、結婚。沖縄移住。20年、夫が営む「琉球ストーク(株)」に入社。間取りプランナー、住宅収納スペシャリストとして家づくりをサポートしている。3人の子の母。


■幼少期の暮らしの思い出は
神奈川県の2LDKの木造借家に家族4人で暮らしていました。中学まで個室はなく、リビングに家族が集まる時間が当たり前。長距離トラック運転手だった父が帰宅すると、私はいつも父の膝の上に座り、家族と時間を過ごしました。

狭い家でしたが、家族の距離の近さはとても良かった。当時は自分の部屋が欲しいと思いましたが、今、子どもを育てる立場になり、家族が一緒に過ごすことの大切さを実感しています。子どものころから理想の間取りを紙に描く趣味があり、家への憧れがあったのかもしれません。

■沖縄移住後の感想は
結婚を機に沖縄へ移住し、夫は3年目に自宅兼事務所を建てました。当時はアパレルの仕事で忙しく、家のことを考える余裕がなかったため、家づくりは夫任せでした。

子どもが増えると収納不足や動線の悪さを痛感。1階が事務所で2階に水回りが集中していて不便なんです。子育てしながら家事をこなすには、効率的な動線と収納が不可欠だと実感しました。そのうち「もし建て替えるなら」と考えるようになりました。そんなとき、夫が自社で設計から施工まで手がける方針に転換したんです。

■間取りプランナーとしての感想は
収納計画が最も重要だと感じています。私は従来の規格サイズより、実際の使い方に合わせた収納を提案しています。例えば、詰め替えパックやティッシュボックスがぴったり入る奥行き17センチの収納をキッチン裏に作ったり、玄関横に子ども用ロッカーを設けたり。とても好評で、1年後の点検で提案が生かされているのを見るとうれしいです。

■ご自身の暮らしでの成功事例は
階段の踊り場を洗濯スペースに変え、乾燥機と作業カウンター、引き出しを設置し、一連の洗濯作業ができるようにしました。クローゼットの扉も取り払い、子どもたちが洗濯物を片付けやすいようにして、家事を家族みんなで分担できるようになりました。

■今後の目標は
家づくりは奥が深く、家族に合った提案が重要です。そのためにスキルアップしたい。施主から学ぶことも多く、一緒に家づくりを楽しんでいきたいです。家族が過ごす時間を大切にする間取りを提案し、「琉球ストークで建ててよかった」と言われるように頑張ります。

 
 子どものころの住まい 
2LDKの木造借家に両親、兄と4人家族で暮らしていた。「狭い家で、家族はいつもリビングにいて団欒があった。その距離の近さが良かったんだと親になり分かりました」と話す。


講師でも好評
木造住宅専門の設計施工を行う夫の幸治さんと共に、間取りプランナー、住宅収納スペシャリストとして、子育て世代向けの家づくりをサポートする川口さん。実際に3人の子育て経験を生かした提案が好評だ。昨年は沖縄県トータルリビングショウで、片付けと収納計画について講演。テンポよく分かりやすいと講師でも好評を集めた。

 
◇    ◇    ◇
 
 
 ホッ と空間
好きに囲まれる事務所
「私は根っからの仕事人間。仕事場にいるときが一番ホッとする」と笑う川口さん。最近、改装したばかりという事務所は、壁紙、照明、時計や植物など、川口さん好みのインテリアでコーディネートされている。「自分の好きなものに囲まれ仕事をしています」とにっこり。

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2055号・2025年05月23日紙面から掲載

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