家づくり
2025年5月9日更新
住まいのリテラシーを高める|お財布とヒトにやさしい住まいのヒント①
今号から始まる当連載では、住環境が家計や人間関係、幸福感にどのように影響するかを一級建築士の村山創さんが解説していく。初回は「住まいのリテラシー」について。最近「ITリテラシー」や「金融リテラシー」などの言葉を良く耳にするようになったが、「住まいのリテラシー」とは何なのか、村山さんが説明する。
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文・図表/一級建築士・村山創
今号から始まる当連載では、住環境が家計や人間関係、幸福感にどのように影響するかを一級建築士の村山創さんが解説していく。初回は「住まいのリテラシー」について。最近「ITリテラシー」や「金融リテラシー」などの言葉を良く耳にするようになったが、「住まいのリテラシー」とは何なのか、村山さんが説明する。
はじめに
住まいのリテラシーを高める
「住」学ぶ機会は…
皆さん、こんにちは。私は建築士として、住宅の設計や住まいづくりのお手伝いをしています。講演会やセミナーの講師をすることもあり、「住まい」について話す機会も増えてきました。
そうした中で気づいたことがあります。それは「住まいのことをきちんと学ぶ機会がなかった」という人が、とても多いということです。学校では「住環境」について教わることは、ほとんどありません。
しかし、住まいは私たちの暮らしの土台。家族の健康や安心、日々の心地よさに深く関わっています。だからこそ、住まいについての「基本的な知識」=「住まいのリテラシー」を少しずつでも身につけていくことが、とても大切です。
リテラシーとは
読み書きする力、ある分野に関する物事を正しく理解して自分で判断する力
例えば…

住まいのリテラシーを高めるメリット

知識と判断力付ける
「リテラシー」という言葉は、もともと「読み書きの力」という意味ですが、今では「ある分野に関する物事を正しく理解して、自分で判断する力」のことも指します。
例えば、スマホやパソコンを使うには「ITリテラシー」が必要です。操作方法を知っていれば便利に使えますし、ウイルスや詐欺から身を守れます。
それと同じように、「住まいのリテラシー」があれば、自分や家族がより幸せになる、将来への暮らしを考えたり、備えたりすることが柔軟にできるようになります。「無理のない住宅費」、「光熱費を抑える省エネ」、「健康に暮らせる空間」、「自分だけの最適な住宅」、こういったことを、感覚やイメージだけではなく、「知識と判断力」をもって選べるようになるのが、住まいのリテラシーを高めるということなのです。
◇ ◇
この連載では、12回にわたって「住まいの基本」についてわかりやすくお話ししていきます。これから家を建てる人も、今の暮らしを見直したい人も、ぜひ気軽に読んでみてください。
住まいに関する基礎知識を学ぶことで、人生の安心や楽しさがぐっと広がります。連載を通し、「住まいのリテラシー」を少しずつ育てていきましょう。

むらやま・はじめ
一級建築士、(株)幸健ホーム設計室長、沖縄木造住宅協同組合事務局長。設計の仕事をしながら、住宅関係の講演会や一般消費者に向けて住宅づくりの情報をSNSで発信している
https://hajimemurayama.my.canva.sITe/
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2053号・2025年5月9日紙面から掲載
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