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2025年3月28日更新

自然が育んだ創作の源|森野由美さん(株式会社ディアーリュウキュウ 代表取締役社長)|家々人々[154]

国際通りで「星砂ガラス工房」を営む(株)ディアーリュウキュウの代表取締役社長の森野由美さん(50)。星砂を取り入れたオリジナルのガラスアクセサリーに込める思いは深く、幼少期の自然体験が原動力と語る。

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自然が育んだ創作の源

もりの・ゆみ/1974年、埼玉県出身。10歳で東京へ移り、30歳のとき沖縄に移住。琉球ガラス販売の仕事に就く。後にオリジナルのガラスアクセサリーを創作。星砂をガラスに入れた作品が大ヒット。国際通りに「星砂ガラス工房」を構え、2017年、法人化。(株)ディアーリュウキュウの代表取締役社長に就任。ことしで創業16周年。


■幼少期の暮らしの思い出は
10歳までは埼玉県で暮らしていました。野山が残り、イノシシも出るような場所で、幼稚園や学校から帰ると一目散に森へ向かい、秘密基地を造ったり、川に引っこ抜いた木を渡して橋を架けたり、毎日暗くなるまで探検していました。今の会社経営の課題も冒険しているような気持ちで取り組んでいます。

その後、東京に移ってからは重度のアレルギーに悩まされていました。沖縄に移住してから元気になり、インスピレーションがどんどん湧いてきて、自分で考えて一から生み出し、それで人を笑顔にすることに喜びを感じています。

■ガラスアクセサリーを製作販売するようになった理由は
沖縄に来て最初に、ガラス関係の販売の仕事に就きました。沖縄のガラスの美しさに魅了され、「沖縄ならガラスだな」とピンときました。自分でお店を持ちたいと思い、アパートを借り、ほとんど独学で研究を始めました。

国際通りで物件が見つからず、あるTシャツショップの一角を借りて屋台を出させてもらったんです。条件は一日数万円のノルマと朝10時から夜10時までの営業を365日休まず続けること。必然的に作品作りは夜中。今振り返ると自分でも驚くほど必死で取り組みました。

転機は星砂をガラスに入れた作品を作ったとき。予想以上の売れ行きで、夫も会社を辞めて一緒に作りました。体も精神も弱かった私は、この経験で鍛えられました。

■実際に店を経営した感想は
人を雇うことも初めてで、最初は課題が多かったのですが、「お客さんを笑顔にすること」、「会社の業績を上げること」、「みんな笑顔で働くこと」という明確な目標を設定したことで、チームワークもよくなりました。

私たちのアクセサリーは、沖縄で一つ一つ手作りしています。作品に取り入れている星砂も、八重山の漁業協同組合から砂を購入し、そこから星砂を探し出しています。星砂が見つかる確率は千個に一個。手間は掛かりますが、だからこそオンリーワンの価値のあるものが生まれる。海外製の安い商品が多い中、沖縄産として頑張って残っていきたいという思いが強いです。

■今後の目標は?
「MADE IN OKINAWA」が少なくなった観光地に、沖縄の魅力いっぱいのお土産を増やしていきたいです。

沖縄でものづくりをする人口を増やし、いつか本物の沖縄お土産ストリートを作るのが夢です。


子どものころの住まい
10歳まで埼玉県の自然豊かな環境で暮らしていて、周囲の野山で日が暮れるまで探検ごっこをして遊んでいた。

手作りの楽しさ伝える
星砂を入れたガラスアクセサリーの手作り体験が好評です。コロナ禍で事業を再構築し始めたのですが、お客さまだけでなく私たちも体験を提供できる喜びを感じています。
 
◇    ◇    ◇
 
 
 ホッ と空間
ヨガをするリビング
重度のアレルギーから回復した経験のある森野さんは「心と体の健康の大切さを実感している」と話す。コロナ禍には、ヨガインストラクターの資格も取得。いずれは健康事業も手がけたいと意欲を見せる。ヨガの知識を生かし、リラックスタイムを過ごしている。

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2047号・2025年3月28日紙面から掲載

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