庭・garden
2025年1月4日更新
【プロがつくる庭】マツ主役に格式高く 建物で景色切り取る|㈲ナカムラ造園土木
施工/㈲ナカムラ造園土木
Tさん宅(沖縄市)
Tさん宅(沖縄市) 施工/㈲ナカムラ造園土木
マツ主役に格式高く 建物で景色切り取る
ピロティ駐車場横の庭。「イメージしたのは足立美術館の『生の額絵』。天井や壁で景色を切り取ることを想定して、木や石を配置した」と庭師の仲村さん
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改善前 以前の庭は直線的だった
足立美術館をイメージ
沖縄市のTさんの庭は、ピロティ駐車場の横にある。建物に遮られた狭い景色を逆手に取り、足立美術館の「生の額絵」のように、鉄筋コンクリートの額縁で景色を切り取る。
以前はクロキやヤシが直線的に並ぶ庭だったが、プロに依頼したことで「立体感が出て、格式が高い庭になった。やっぱり餅は餅屋」とTさん。
新たに植えたのは双幹のリュウキュウマツ。大きくはないが、鳥が羽を広げるように二股の枝を悠々と伸ばす。その後ろに並ぶクロキは既存のまま。石や灯籠などの景観物も入れて和風庭園にした。
庭師の仲村弘喜さんは「日本庭園は奥行きを感じさせることが大切。心木となるリュウキュウマツを手前に出し、奥に向かって高く土を盛ることで立体感を演出した」と話す。
門扉前にもリュウキュウマツを新たに入れた。頭上に伸びるマツは斜幹ならではの迫力がある。仲村さんは「敷地内外、どちら側からでも美しく見えるよう樹形を整えた」と話す。 Tさんは「新しく入れたマツの成長が楽しみ。子や孫の代まで引き継いでいきたい」と目を細めた。
門扉の前で斜めに枝を伸ばす「門かぶり」のリュウキュウマツ。敷地の外から見ても内側から見ても「どちらも正面になるように樹形を整えた」と仲村さん
敷地内から見た斜幹のマツ
作庭/㈲ナカムラ造園土木
電話/098・964・5670
取材/東江菜穂
週刊タイムス住宅新聞 2025年新春号
第2035号・2025年01月04日紙面から掲載
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- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。