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2023年1月20日更新

排せつ臭気や処理を軽減[介護を支える 住まいの工夫⑱]

介護が必要な人も、介護をする人も、安心して安全に暮らせる住まいの整え方を紹介するコーナー。今回は排せつ支援で役立つさまざまな福祉用具について、福祉用具専門相談員で福祉住環境コーディネーターの大城政人さんが紹介します。

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介護を支える住まいの工夫 ⑱

排せつ臭気や処理を軽減

在宅介護で寝室とトイレが離れていると、夜間や介護者が居ないときの排せつに悩みや不安を持つ。「だからと言って、すぐに介護用オムツを使用するのは抵抗感を示す人が多い。排せつは人間の尊厳に関わること。本人の意思も尊重しながら、適切な排せつ支援の用具を選択できれば、要介護者、介護者の双方にとって大きな負担軽減につながります」と話す大城政人さん。

福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーターとして、在宅介護を支援してきた大城さんは、「近年、排せつ支援の福祉用具は機能性が高く、多種多様で介護保険サービスの適用を受けられるものもある。本人の症状に合わせた適切な用具選びがとても大切なので、まずは福祉用具の専門家や作業療法士・理学療法士などに相談してほしい」と話す。

例えば、よく普及しているという尿器は、「従来の一般的な800ミリリットルタイプだと、尿器を斜めにした際や処理するときに、こぼしてしまうことも多い。臭いの原因にもなり、在宅介護にはあまり向いていない」と指摘。こぼれ防止機能がついていたり、排尿すると自動的に吸引するタイプで容量も大きいと安心して使用できる。

実際に、自動採尿器を利用している70代男性から「夜中のトイレで何度も家族を起こさないで済む。以前は申し訳なさから、水分摂取を減らすなどしていた」と感想が寄せられたという大城さん。「夫人も夜はすごく助かっていますと喜ばれました」と笑顔を見せる。


在宅も介護ロボット

近年は施設だけでなく、在宅介護の現場でも、「介護ロボット」の導入が進む。排せつ支援では、腹部に装着したセンサーが、膀胱(ぼうこう)の状況を受信機に送信し、トイレのタイミングを知らせてくれる排せつ予測デバイス機器も登場。「介護者がトイレに誘導するタイミングの空振りを防ぎ、介護の負担軽減につながる」と、大城さんは期待を寄せる。

退院直後で介護保険サービスの利用が間に合わない場合も、自費レンタルで在宅介護を支援している大城さんは「福祉用具選びは本人の症状や住宅環境に合わせて提案することがとても大切。ぜひ相談してほしい」と呼び掛ける。




機能進化で処理を軽減 排せつタイミング予想も

夜間のトイレは、ふらつきなどで転倒のリスクも高まり、介助する家族の負担も大きい。立ち上がりや座位が保てる場合は、以下のような用具の活用も介護生活の安全や負担軽減に役立つ。

①尿瓶
①尿瓶
一晩中の尿量なら1000ミリリットル以上ある大容量タイプがおすすめ。写真は傾けてもこぼれないタイプになっていて安心して使える。男女用がある。

②自動吸引
②自動吸引
男女用があり、受け口で尿を感知すると自動で吸い取りタンクにためる仕組み。タンク容量も大きく、一晩中の尿をためることができる。介護保険サービスでレンタル可能(条件あり)。

③排せつ予測デバイス
③排せつ予測デバイス
おなかに貼って装着したセンサーが、膀胱(ぼうこう)の変化を捉え、データをクラウド上で解析し、受信機に送信。トイレのタイミングを知らせてくれるので、誘導の声掛けが空振りせず、自力排せつをサポートできる。介護保険サービスで購入可能(条件あり)。

④自動ラップ式ポータブルトイレ

④自動ラップ式ポータブルトイレ

木製家具調のポータブルトイレ。内部の装置が自動で排せつ物を密封。臭いの拡散を防止し、バケツ洗浄の手間がない。使い方を間違えると故障の原因になるため、利用者の症状によっては不向きな場合もある。介護保険サービスで購入可能(条件あり)。


おおしろ・まさと/(株)シルバーサービス沖縄取締役営業部長、福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級


取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1933号・2023年1月19日紙面から掲載

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