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2022年11月4日更新

【沖縄】【プロがつくる庭】犬が喜び駆け回る 花映える広い芝庭

金城樹次さん・利奈さん宅の庭(名護市)

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23㍍のドッグラン

石のテーブルでBBQ

名護市にある金城樹次さん(52)利奈さん(59)宅。門を抜けると、石張りのアプローチが玄関ポーチまで続き、左手に芝庭が広がる。

奥にはシャリンバイやフクギが並び、その木陰で愛犬の「ハチ」がくつろいでいる。そうかと思えば、ハチは門の近くにあるアレカヤシに向かって23㍍ほどを一直線に走り抜ける。金城さん宅の庭はドッグランも兼ねているのだ。

随所に設けられた花壇には、オオベニゴウカンやマツバボタン、アベリアなどカラフルな花々。それらに誘われ舞い飛ぶチョウを、ハチが楽しそうに追いかける。利奈さんは「普段は家の中で飼っているけど、外に出たくなったらハチは自分で玄関まで行って合図する。自由に走り回れるのでストレスはなさそう」と目を細める。

中央には石のテーブルとイス。足元の白いコンクリートと、芝の緑とのコントラストが鮮やかだ。ここで家族や同僚とバーベキューをするほか、「朝は小鳥のさえずりを聞きながら庭を眺めてコーヒー。仕事から帰ってきた後は夫婦で晩酌をする」と利奈さん。もちろんハチも一緒だ。開放的な空間で、人も犬も思い思いに過ごしている。

シンボルツリーのアレカヤシ。庭を手掛けた比嘉さんは「虫がつきにくく、弱い風でも葉が揺れるので見た目にも涼しく感じられる」と話す


石張りのアプローチ。白い南部石灰岩をメインにしながら、れんがで洋の雰囲気を演出。ポーチの色に合わせて黒っぽいタイルも取り入れた。左側のれんがで囲まれた部分にはハチの足跡がついている


ニチニチソウやストレリチアなど花いっぱいの花壇。奥にあるデッキや室内からも楽しめる​

直線確保しつつ管理ラクに

犬好きの気持ちを理解

今年1月、水道工事のために、金城さん宅の以前の庭は掘り返された。工事が終わり、再び庭を整えようと考えながらハチの散歩をしていた時、造園の広告看板を発見。利奈さんは「連絡してみると、家が近くて犬も飼っていた。犬好きの気持ちが分かるはずと思って」依頼することに。「花いっぱいの洋風の庭」と「ドッグラン」を求めた。

依頼を受けた比嘉辰吉さんは、れんがや南部石灰岩で花壇を製作。「南部石灰岩は白いので花の色がよく映える」と説明する。庭を囲むフェンスの白い塗装も同じ理由だ。

以前はアプローチなども含めて全体に芝生が敷かれていた。しかし、管理が大変だったという。

そこで比嘉さんは「ハチが全速力で走れるように」と長い直線は残しつつ、芝生の3分の1ほどをコンクリートや石張りで覆い、芝刈りの負担軽減を図った。

特に力を入れたのが石のテーブルやイス周辺。以前からあるものだが、芝を刈りにくい場所でもあった。コンクリートで管理の手間を省きつつ、そのコンクリートは中の砂利が表面に見える「洗い出し」で仕上げた。「集いの場でもあるので滑り止めも兼ねている」

利奈さんは「管理もしやすくなって大満足。これからも季節の花を楽しみながら、ハチが思う存分遊べるようにきれいな状態を維持していきたい」と話した。

利奈さんお気に入りの花々

2センチほどの小輪の花が咲くニチニチソウ

コートダジュール

ハイビスカス


奥まで続く芝生でくつろぐハチ。奥に見えるアレカヤシをゴールに見立てて走り抜けたりする


新築時からある、石のテーブルとイス。かつては子どもの部活の打ち上げなどもしていた思い入れのある場所。手入れしにくいのでコンクリート敷きにした。洗い出し仕上げで表面に見える砂利は、れんがの色に合わせてピンク色の砂利を使った


フェンス沿いに並ぶシャリンバイやクロキ、フクギなど。木陰を作ったり、目隠しとしての役割がある。木の下部や内側をすっきりさせるせん定で、風も通りやすい


ハブよけのため、フェンスの裏側には目の細かい金網も付いている
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設計・施工/NATURAL ガーデン ☎090・2966・3394


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1922号・2022年11月3日紙面から掲載

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スタッフ
出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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