家づくり
2022年5月27日更新
[沖縄]建材ピックアップ|屋外用の家具で庭をリビングに
リゾートホテルなどで目にする屋外用の家具。最近は個人住宅でも見掛けるようになった。県内で屋外用家具を取り扱う2社に最新事情や製品選びのポイントなどを聞いた。
最新事情 個人住宅や会社などコロナ禍で需要増す
仕事や趣味を外で耐久性や耐水性のある屋外用家具が、昨今のアウトドア人気やコロナ禍で注目されている。
テラスにソファを置けば自然を堪能できるリビングになり、木陰にテーブルを置けば開放的なダイニングになる。ホテルなどで非日常感を演出するために取り入れられることが多いが、コロナ禍で需要が少し変化してきている。「個人住宅やオフィスからの需要もあります」と家具メーカー、㈱モーブル・沖縄ショールームの村上亮介さんは話す。仕事をしたり、読書などの趣味を楽しんだり、『日常生活を屋外で』という考え方も少しずつ増えているようだ。
ニーズの高まりを受けて同社では今夏、屋外家具の新シリーズ「KAIS(カイス)」の提供を始める。「従来の屋外用家具は、欧米仕様のサイズやデザインが多かった。KAISは日本のライフスタイルに合わせたコンパクトな商品が多く、リゾートホテルから個人住宅の庭まで幅広いシーンにフィットする。屋外でも上質なデザインの商品を長く使ってほしい」と話した。
今夏登場の屋外用家具シリーズ オリジナル素材を活用した「KAIS(カイス)」
(株)モーブル(那覇市安里)
水ぬれOKのクッション材などを用いたソファセット。肩肘2Sソファは39万9000円~。
カイスシリーズのクッションには、同社オリジナルのマットレスコア材「ライトウェーブ」が用いられている
屋外用家具シリーズ「カイス」のダイニング3点セット(31万5000円~)
4月20日に沖縄ショールームを開設した福岡の家具メーカー㈱モーブルは、ことしの夏から屋外用家具の新シリーズ「KAIS」の提供を始める。国内外で活躍するデザイナー・佐々木章行氏が手掛け、デザイン性の高さも特徴だ。さびにくいアルミ製のテーブルや椅子をはじめ、オリジナルのポリエチレン製コア材「ライトウェーブ」=下写真=を活用したソファなども提供する。同社の村上亮介さんは、「ライトウェーブは通気性・通水性に優れ、ウレタンと比較すると劣化しづらい。クッションカバーも通水、撥水(はっすい)、止水の三つの生地から選べる。水洗いも可能なためメンテも楽です」と話した。
◆問い合わせ/同社沖縄ショールーム
(電話=098・943・7325)
製品事情 室内家具と変わらぬデザインで水濡れOK
水より直射日光に注意
(有)ラパンは15年以上前から、人工ラタン(籐)を用いた屋外用家具を提供している。「天然のラタンだと、ぬれると腐食しやすく耐久性が低いことから、人工で提供している」と同社の柳信英専務は説明する。「外置きの家具は塩害にも強く、軽量で持ち運びしやすいものが良い。特に沖縄は台風も多いので、避難させることも考えて選びましょう」とアドバイスする。
同社では人工ラタンをはじめ、セラミック、人工大理石やHPL(木繊維と樹脂を圧縮した素材)など、多彩な素材の屋外用家具を提供している。「技術革新で、屋外用家具も進化している。見た目は木や石など自然素材のようだが、耐久性が高く軽量な人工素材を使った〝ハイブリッド家具〟も増えている」と話す。室内家具と変わらないデザイン性の高さも特徴だ。
長持ちさせるためには、定期的に水洗いして塩を落とすことと、「実は風雨より、直射日光の方が劣化の原因になる。日が当たらない場所に置いたり、使わないときはしまっておくなどを心掛けてほしい」と話した。
人工ラタン製 軽くて耐久性も高い
(有)ラパン(北谷町)
ラパンで提供している屋外用の家具。一般的なソファよりも座面が広く、横にもなれる「デイベッド」が人気
人工ラタン製のガーデンラウンジチェア&オットマン(3万3000円)
(有)ラパンでは、アジアンテイスト漂う人工ラタン製の屋外用家具を販売している。「耐久性が高く、軽量。加工もしやすいのでオーダーにも対応できます」と同社の柳信英専務。「わが社は中間業者を挟まず、製造先と直接やりとりしているので、コストが抑えられるし小ロットでも注文可能」と話す。人気があるのは座面が広く、寝っ転がることができる「デイベッド」=下写真=だそう。
◆問い合わせ/(有)ラパン
(電話=098・989・5910)
「スタッキング(重ね収納)」で移動もラク
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屋外用の家具は、台風時などは片付ける必要があるため、「スタッキング(重ねて収納)できるアイテムが便利」とラパンの柳専務。写真は、同社で扱っている製品で、必要に応じて一つのチェアを二つにすることができる(テーブルと椅子2脚セットで9万8000円)
編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1899号・2022年5月27日紙面から掲載
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- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。