家づくり
2022年3月18日更新
[沖縄]建材ピックアップ|愛車を守るカーポート
愛車を日差しや風雨から守るカーポート。屋根と柱だけで構成するシンプルな造りで、ガレージに比べて安価に設置することができる。県内で人気のカーポート製品や、選ぶ際のポイントなどを紹介する。
カーポートとは
柱と屋根だけで構成する駐車スペースが「カーポート」=上イラスト。「ガレージ」は、屋根と出入り口があり、三方を壁で囲われた建物タイプだ。カーポートはガレージに比べて構造がシンプルなために安価で、狭いスペースにも設置できる。しかし、出入りが自由なので防犯性が低く、横から吹き込む風や飛来物は防ぐことができない。
三方を壁で囲った駐車スペースは「ガレージ」
特徴 柱と屋根で構成 シンプルな造り
コロナ禍で庭をきれいにしたり、駐車場を整備したり、気になっていた部分に手を付ける人が増え、エクステリア商品の売り上げが伸びている。「カーポートも本年度、例年の1・5倍ほど売れています」と話すのは、エクステリア製品の専門店、Nissho沖縄支店の小野百千万支店長。車を守るだけでなく、ちょっとした遊び場やDIYなどの作業スペースになることも需要増につながっている。
同社で取り扱うカーポート製品は、サビに強くて加工も容易なアルミ製が主流。車社会の沖縄では、2台以上が止められる製品が売れ筋だ。価格の目安は「2台用で60万円~、3台用で90万円~です」。
耐風性も重要。「製品に表記されている耐風性能をチェックしましょう」。数値の目安となるのが、国が定めた「基準風速」。過去の台風に基づいて地域ごとに算定された予想風速だ。台風が多い沖縄は全国で一番強く、毎秒46㍍となっている。「なので、耐風性能が46㍍以上ある方が安心です」とアドバイスする。
資材高騰で値上がり中
ちゅらら工房㈱では、カーポートの製作も行っている。「敷地に合わせた大きさ、形で提供できます」と同社代表の具志直人さん。
同社では、鉄骨造の要望が多い。「鉄骨は加工に手間が掛かるため、費用と工期がかかります。しかし、強度はかなり増す。台風の多い沖縄では、安心感のある鉄骨製が人気です」と話す。
「ただし、鉄骨のみだとさびやすいので、表面を溶解亜鉛メッキ加工するなどの対策が必要。塩害にも強くなり、長持ちします」とアドバイスする。同社では鉄骨+溶解亜鉛メッキ加工製のカーポートが、1台用で約70万円~。
カーポートは、建築資材の影響を大きく受けて、値上がりが続いている。小野支店長は、「世界情勢の影響もあり、4月以降も値上がりすると思われる。設置を考えている方は、早めに相談することをおすすめします」と話した。
採光や木造に配慮した製品も
シンプルな造りのカーポートだが、多彩な製品がある。例えば、暗くなるのが嫌ならば、屋根の一部を透明板にした製品を選べば採光を確保できる。また、木造住宅の外観に合わせ、カーポート屋根部の側面に木彫パネルを用いた製品もある。
製品 台風や塩害に強い&アイデアカーポート
屋根部を楽しく活用!「テラス型カーポート」
日進ホールディングス(宜野湾市)
下には車2台とバイクを駐車。上部はテラスとして活用
日進ホールディングスでは、屋根部をテラスとして活用できるアイデアカーポートを提供している。同社の津嘉山代表は「骨組みは耐久性の高い鉄骨造です。テラスの床部分は、要望に合わせてウッドデッキや、コンクリート敷きなどにもできます」と話す。テラスでバーベキューをしたり、日当たりが良い時は洗濯干し場としても重宝する。「完全オーダーメードなので、広さやデザインは自由。わが社は鋼材のデザインパネルも提供している。それを組み合わせれば、ほかとはひと味違うおしゃれなカーポートになりますよ」。上写真のような3台ほど止められる広さで230万円~。
カーポートの上部はウッドデッキのテラスになっている
裏表両面で発電する「ソーラーカーポート」
3台用、8kWの太陽光発電パネルを搭載。価格は230万円~
4月からは屋根部にソーラーパネルを用いた「ソーラーカーポート」の販売も始める。津嘉山代表は、「パネル部は両面ガラスモジュールで、裏表両面から受光する。地面の反射光も受光するので発電効率が高い」と話す。「テラスタイプもソーラーパネルタイプも価格はほぼ同じ。遊び場もほしいという方はテラスタイプを、電気料金を導入費用の回収にあてたい人はソーラータイプがおすすめです」
◆問い合わせ/日進ホールディングス
(電話=098・892・3338)
沖縄支店で一番人気「ブローニα 1500タイプ(ビニフレーム)」
耐風圧強度が62m/秒「レオンポートneo GR(YKK AP)」
Nissho沖縄支店(うるま市)
「ブローニα1500タイプ」。「価格と耐久性のバランスが良く、沖縄支店で一番人気」とNisshoの小野支店長
肉厚の6本柱で、耐風性能が高い「レオンポートneo GR]
【ブローニα 1500タイプ(ビニフレーム)】耐風圧強度が46m/秒(毎秒46メートル)あり、価格も2台用で65万円程度(工事費込み)と、「価格と耐久性のバランスが良いので沖縄支店で一番売れています」と小野支店長。カラーも豊富で、「木造住宅に合わせて屋根の側面に木目パネルを用いたり、採光を確保するために屋根の一部を透明パネルにしたり」とオプションが多いことも人気の理由だ。
【レオンポートneo GR(YKK AP)】同製品は、業界で最高クラスの耐風性能「62m/秒」仕様。6本の柱で支える。「柱の太さは普通のカーポートと変わらないが、肉厚があり強度を増している。強風の影響を受けやすい場所にもおすすめ」と小野支店長。梁(はり)の本数も多いほか、破損しやすい屋根部に専用の補強部材を用いて高い耐風圧強度を実現している。
◆問い合わせ/Nissho沖縄支店
(電話=0120・20・8900)
鉄骨でオーダー製作 亜鉛メッキ加工で塩害にも強い
ちゅらら工房(株)(西原町)
ちゅらら工房が手掛けた鉄骨製のカーポート。写真は3台以上止められる。「敷地の形状や広さに合わせて製作します」と具志代表
外壁塗装や防水・外構工事の専門店・ちゅらら工房は、カーポートの製作・設置も行っている。「台風の多い沖縄では、強度の高い鉄骨造のカーポートをおすすめしています」と具志直人代表。鉄骨材に溶解亜鉛をメッキ加工しており「腐食を防ぎます。塩害対策にもなり、長持ちします」と説明する。敷地形状・広さに合わせて作ることができるほか、「塗装も専門なので、要望に合わせてカラーリングすることも可能です」と話した。
◆問い合わせ/ちゅらら工房(株)
(電話=098・945・7170)
編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1889号・2022年3月18日紙面から掲載
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- スタッフ
- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。