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2022年4月28日更新

沖縄|【ひと】整理収納で暮らしと心が整う|渡名喜 一珠美さん|整理収納アドバイザー&整理収納教育士

片づけを通し「自分軸」を持つ大切さを伝え続ける渡名喜一珠美さん(51)。昨年は新たに、子どもの生きる力や自立心の育成に取り組む「整理収納教育士」の資格を取得。アップデートし続ける熱い思いを聞いた。

片づけで笑顔をつなぐ



渡名喜 一珠美 さん
整理収納アドバイザー&整理収納教育士


-仕事を始めたきっかけは?
専業主婦歴10年目の2014年に整理収納アドバイザー1級の資格を取得したことに始まります。以前「片づけ上手だから資格取ってみたら?」と友人に言われたことを思い出して、チャレンジ。取得後、2年くらいは自宅の片づけをする日々でしたが、この実践で、それまでの私のやり方は間違っていたことに気づきました。

具体的には、使う物か使わない物なのかの選別もせずに、棚や引き出しに収納していただけだったんです。だから必要なときにすぐに使えないし、慌てて物を探すことになっていたのだと理解しました。片づく仕組みの学びと実践で毎日の暮らしが快適に。私自身笑顔が増え、家族もうれしそうだったんです。

そこで、この経験をたくさんのママたちに伝えたいと思い、2017年から「楽々生活アドバイザー」の活動をスタート。片づけの知識を学ぶ「片づけ講座」や依頼者の自宅に出向いて一緒に片づける「お片づけレッスン」を中心に活動しています。


-レッスンでの工夫は?
自宅に出向いてのレッスンのご依頼の多くは30代~40代の産休・育休中のママや、一人では片づけが難しいご高齢の方です。レッスンでは「捨てることから始めないお片づけ」という考え方を大切にし、依頼者の思いをひもといていく作業に力を入れています。「これ、みんなが捨ててというので捨てようかと思って」というご依頼者の声には「みんなって誰ですか?」と問いかけ、「分からない」という場合には「ご自身はどうしたいですか?」と再度質問します。「これは思い出の品だから残したい」との声が出れば、残すことに。3時間のレッスン中、この問いかけを、しつこいと思うくらい繰り返すんです。

すると、最初は戸惑っていた方も判断の軸がしっかりしてきて、ご自身で捨てるか否か決められるように。片づいた棚や部屋を眺めてうれしそうに笑います。この、依頼者の笑顔が、この仕事の何よりの魅力です。


ラベルを貼るとどこに何があるか一目瞭然。使いたいときにすぐに取り出せて便利

-今後の目標は?
整理収納教育士の資格を生かした片づけ講座やワークショップを、学生や若者を対象に開催したい。仕事をはじめ、将来子育てをする際にきっと役に立つと思うからです。また、手紙や家電の保証書、取扱説明書など、たまっていく家の中の書類を整理する「おうちファイリング(R)アドバイザー」の資格も取得したので、その活動にも力を入れたい。

ことし活動5年目。「家族を笑顔でつなぐ! 職場を笑顔でつなぐ! 社会を笑顔でつなぐ!」をモットーに、人を笑顔にするお片づけ術を広げていけたらと考えています。

自立心育むお片づけ
小中学生向け講座も

トランプカードを使って整理収納を体験できるワークショップ風景


これまでにも小中学生向けに片づけ講座を開催してきた渡名喜さん。2021年には、パパ・ママをはじめ教育現場や子育てに関わる全ての人たちに整理収納の知識や技術をより分かりやすく伝えたいと整理収納教育士の資格を取得。今年3月には大手小学生向け学習塾とコラボし、「子どもの自立心を育むお片づけ」と題して親向けのオンライン講座を開催した。

「暮らしの中で“片づけ=気持ちいい”の声かけを行う」、「子ども自身で判断ができるようになったら親はできるだけ口出ししない」など、子どもが片づけを継続したくなる環境づくりが重要であると説明。参加者からは「怒るのはNGだったと反省」や「片づけができる仕組みを息子と一緒に考えたい」といった感想が寄せられた。


〈プロフィル〉となき・かずみ/1971年、那覇市生まれ。約10年間の専業主婦期間を経て、2014年、整理収納アドバイザー1級の資格を取得。17年、「お片づけレッスン」と「整理収納セミナー」を開始。高校3年生と小学6年生の2児の母。
◆問い合わせ 050・5480・5428


第1895号・2022年4月29日紙面から掲載
取材/高良まき子(ライター)

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