企業・ひとの取り組み
2022年2月18日更新
沖縄|【ひと】異なる経験を生かす|杉林正基さん・山根 豊|okina One Home
杉林正基さん(38)と山根豊さん(47)は、ハウスメーカーや工務店,設計事務所などでの経験を生かし、2020年に設計事務所「okina One Home(おきなワンホーム)」を設立。2人は「金額を明確にするなど、異なる経歴だからこそできる形がある」と話す。
自由設計でも金額明確に
okina One Home
山根 豊 さん(左)
アーキテクトデザイナー
杉林 正基 さん(右)
アーキテクトコンシェルジュ
-建築を志したきっかけは?
杉林 昔から絵を描いたり工作するのが好きでデザイナーに憧れていました。当時住んでいたニュージーランドの人々は引っ越しの多い国民性で、家を見る機会も多かった。その影響か、中学の頃には建築を志し、日本に戻った後はハウスメーカーや工務店、設計事務所で働いてきました。
山根 私は身近に大工がいて、現場の話を聞いたり図面を見たりしていました。高校で建築を学んでいた時、自分の発想で計画するのが楽しくて、そのまま建築の道に。設計・施工会社を経て、設計事務所も立ち上げました。
-共同で新たに事務所を設立した経緯は?
杉林 何度か一緒に仕事をする中で「売り上げよりも、お客さんの満足度を高めたい」と意気投合。2人の経験を合わせたら、新しい形の事務所ができるのではと考え、共同で立ち上げました。
山根 新しい形の最も特徴的なものは、金額の明確化。自由設計ながら、求める家の規模が分かれば、相談時でも設計料などを含めた金額が伝えられます。最初に金額を明示することでお客さんに安心してもらえる。施工現場を経験し、何がどれだけ必要かなど細かい部分も把握しているからできることです。
また、施主が各業者と直接契約することで中間マージンを省ける「コンストラクションマネジメント方式」を採用。ハウスメーカーの明確さと設計事務所の自由さを備えつつ、金額とデザインが両立するよう心掛けています。
-今後の目標は?
杉林 従来の形式にとらわれず、カメレオンのように時代の変化に対応しながら、常に新しい家造りにチャレンジしていきたいですね。
沖縄スタイルの住宅の外観
求める家をイメージしやすく
沖縄スタイルの住宅の外観
okina One Homeでは、「求める家をイメージしやすいように」と、これまで手掛けた中で多かった4つのスタイルをあらかじめ提案している。
スタイルは、シンプルな「沖縄」、ウッドデッキのある「カリフォルニア」、れんが調の「ブルックリン」、南欧風の「プロヴァンス」の4種類。金額も明確で、例えば沖縄スタイルなら30坪の3LDKで2203万円(外構工事やオプションは含まない)だという。
山根さんは「これらに当てはまらない場合は、フリースタイルもあります。お客さんと一緒に楽しみながらプランを提案していきます」と話した。
〈プロフィル〉
すぎばやし・まさき/1983年、茨城県生まれ、ニュージーランド育ち。オークランド大学建築学科卒業後、関東や沖縄のハウスメーカーや工務店、設計事務所で勤務。2020年、山根氏と共同でokina One Homeを設立し、アーキテクトコンシェルジュに就任。
やまね・ゆたか/1974年、うるま市出身。工業高校卒業後、県内の設計・施工会社や設計事務所に勤務。2009年、空間スタジオアンドワークスを設立。20年、okina One Homeのアーキテクトデザイナーに就任。
◆okina One Home
うるま市赤道763-55-1 電話0120・985・437
第1885号・2022年2月18日紙面から掲載