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2021年10月1日更新

【プロがつくる庭】観葉植物を地植え 南国リゾートの庭

福原さん宅の庭(本島南部)

雰囲気異なる沿道

コロナ禍も苦にならない

アレカヤシ、シンノウヤシ、セローム、ドラセナ、アグラオネマ―。これらは普段、観葉植物として鉢に入れられた状態で見かけることが多い。しかし、福原さん宅の庭では、いずれも地植え。亜熱帯的な景観を生み出している。

メインとなるのは、建物と壁に囲まれたパティオの庭。高さ3・5㍍のドラセナのソングオブインディアを中心に、冒頭の植物たちがエネルギッシュに葉を広げる。それらが風に揺れる様子はまるでリゾートだ。その中でアイチアカの赤紫色の葉やクロトンの黄色い葉、根元から顔をのぞかせる白い琉球石灰岩がよく映える。

東西を道路に挟まれた敷地で、各沿道にも庭がある。東側は幅数十㍍にわたり、琉球石灰岩や多様な熱帯植物を配置。一方、西側は本部石でかたどった池にアレカヤシなどの島が浮かんでいる。

福原さんは「コロナ禍で在宅時間は長いが、庭でリフレッシュできるので苦にならない。旅行したいという気持ちもなくなった」と、南国の庭を満喫している。


パティオの庭。背の高いソングオブインディアのほか、ヤシ類など多種多様な熱帯植物が植えられており、琉球石灰岩の間からはボストンシダやアスパラガスがあふれるように葉を茂らせる。庭を手掛けた當間さんは「人がよく過ごす応接室の向かいにある植栽=写真右側=は、石組みや植栽にボリュームを出した」

パティオの植栽を近くから見た様子。葉の形や色が一つ一つユニークで、どこから見ても絵になる。特にアイチアカの赤紫色の葉があることにより、花がなくても華やかな印象


建物と壁に囲まれたパティオ。正面1階に応接室がある。福原さんは「コロナが落ち着いたら、ここに親戚やお客さんを呼んで月見やバーベキューをしたい」と楽しみにしている


2階書斎から見たパティオの庭。「パティオだけでなく、塀の外の街路樹、その奥に広がる木々も見えて気持ちが落ち着く。書斎で作業している時に、ふと見るとリフレッシュされる」と福原さんのお気に入りの景色だ

雰囲気異なる沿道

剪定で枝や葉を減らし、風を抜けやすくする。風圧によって木が倒れたり、折れたりする被害が少なくなる。塩害も軽減するほか、周りに枝や葉が飛んで排水口が詰まるなどの二次被害防止にもつながる。

人のつながりも生む

「隣家の壁が濃い茶色だったので、うちも建物の一部を濃い茶色にした」というほど、福原さんは景観という点で隣との連続性も意識していた。そのため當間さんは、隣家の庭で使われている植物や石を取り入れながら庭を設計した。

例えば、西側にある本部石の池は、「隣家の庭に敷かれた本部石の川から流れ込むイメージ」と當間さん。また、北隣が芝庭、南隣がロックガーデンの東側では、「北側は芝をメインにしつつ、南に行くにつれて、徐々に琉球石灰岩の割合を増やしていった」という。

実際、数十㍍かけてグラデーションのように庭の表情が変化しているため、取材時も最初はどこからどこまでが福原さん宅の庭か分からなかった。

「水まきしているとウオーキング中の人からよく話しかけられるんですよ」と福原さん。庭の話に花が咲くという。景観のつながりを意識したトロピカルガーデンは、人のつながりも生んでいるようだ。



西側の庭。左奥の隣家の庭と同じ本部石でかたどった池に、(手前から)カンボジアーナ、リュウゼツラン、アレカヤシの島々がオブジェのように浮かぶ

東側の庭の北端。写真右奥の板塀の向こう側にある隣家の庭と景色がつながるよう芝庭になっている

東側の庭の中央部。パティオの塀の外側にあたる。上写真の延長上にあるが、芝と琉球石灰岩が織り交ぜられているほか、外壁の色も違うため、趣が異なる


東側の庭の南端。琉球石灰岩の砂利が敷かれるなど、石の割合が多い


設計・施工/㈲繁樹園


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1865号・2021年10月1日紙面から掲載

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