【プロがつくる庭】れんがで彩るナチュラルガーデン|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

家づくりのこと

庭・garden

2020年12月4日更新

【プロがつくる庭】れんがで彩るナチュラルガーデン

vol.11 このコーナーでは、プロが作った庭を紹介する。今回はガーデン小屋のあるかわいらしい庭を紹介する

庭・garden

タグから記事を探す

Tさんの庭(読谷村)
メンテの手間が大幅に減


改善後
改善前
アンティーク風れんがを敷き詰めたTさんの庭。花壇は手入れしやすい高さに設置。以前の芝庭に比べ、かなりメンテナンスの手間が省けたそうだ


れんが敷きの庭が単調にならないよう、サークル模様の広場をつくった。奥は階段状の菜園。ジャガイモや玉ネギ、ネギ、ニンジン、ホウレンソウ、ナス、トマト、レタスなど、いろいろな野菜の苗を植え、種をまいた


キッチンから庭へ続く掃き出し窓の外には、日よけのパーゴラを設置。室内からも庭を眺めて楽しめるようにパーゴラの足元には花壇を設けている


水はけ良く快適

Tさんは、管理が大変だった芝庭をアンティーク風のれんが敷きに改庭。随所に曲線的な花壇が配され、優しい雰囲気のナチュラルガーデンになった。

庭を手掛けた北めぐみさんは、「排水工事をした上にれんがを敷いたので、大雨の後もすぐ水が引く。いつでも快適に庭に出られるようになりました」と話す。蚊やバッタも少なくなり、草取りからも解放されて「メンテナンスの手間がかなり減ったそうです」。

一面、れんが敷きの庭は多くの人の憧れだ。だが、「床」は面積が広く、インパクトが強いため見た目が単調になってしまうこともある。それを払拭するため、「れんがの種類を変えたり、サークル模様を描いて〝踊り場〟的なポイントをつくりました」。日よけのパーゴラなどもアクセントとなっている。

「今はまだれんがの印象が強いですが、植物が茂ってくることで緩和され、より良い雰囲気になってきます」




今の時季(11月~12月)の北さんの庭
今の時季の、北さんのお店の庭。北さんは「植物を剪定してスペースを空け、土を耕して肥料を入れ、苗を植え付けていきます」と説明する



春~初夏(3月~5月)の庭
花いっぱいの春の庭。「沖縄のガーデンが一番美しい時季です。開花する花の種類も多く、毎年うっとりしてしまいます」と北さん



秋(9月~11月の庭)
秋には空色の「アズレアセージ」が満開になる。「長い花穂が風になびいて美しいです」



夏(7月~8月)の庭
夏は高性タイプのマリーゴールドや百日草、ケイトウなどの一年草が彩りになる。「暑さに強い多年草もベースの植物として植えています。ペンタスやサルビア、ニチニチソウなどが目を楽しませてくれます」


庭のおくりもの(浦添市)
ベースの木植えて年中美しく


今は植え付けの適期

植物を植える際、北さんが心掛けているのは「なるべく、一年を通して庭が美しく見えること」だ。
まずは年中、緑を茂らせる樹木や小低木などを植える。「これが庭のベースになります。空いたスペースに季節のお花を植えて、変化と彩りを添えています」

植物の配置としては、背が高くなる植物は庭の外周に植え付ける。「現実的な外の世界をシャットアウトしてくれ、近所からの目隠しにもなります」

つる性の植物は、パーゴラや壁、フェンスに誘引することで、目線の高さで花や緑が楽しめ、庭に立体感が生まれる。

花壇にはしだれ性の植物を植えると、「花壇の輪郭を程よく隠し、こなれた良い雰囲気を演出してくれる」。

11月~12月は「沖縄で、一番植え付けに適した季節。種まきや挿し木にも良い時期です」と話す。取材時、北さんの庭も植え付け真っ最中だった。「伸び過ぎた植物を程よく剪定し、一年草を抜きます。そして空いたスペースの土を耕し、肥料も施してから季節の苗の植え付けをしていきます」

「庭の施工は植物を美しく見せるためのステージづくりだと思っています。冬でも温暖な沖縄だからこそ花の絶えない庭を楽しんでもらいたい」と話した。




目の高さで楽しめるつる性植物。白いルリマツリが涼しげだ


しだれ性の植物は、花壇の主張を和らげてナチュラルな雰囲気を演出する(浦添市・Kさん宅)



設計・施工/庭のおくりもの 
ブログ niwano22.ti-da.net
住所・浦添市港川2−29−5
営業日は木・金・土
098・878・0355


編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1822号・2020年12月4日紙面から掲載

庭・garden

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
東江菜穂

これまでに書いた記事:350

編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

TOPへ戻る