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2016年6月10日更新

人気が高い[フィカス・ベンガレンシス]|植物と器で楽しむ Interior green③

インテリアグリーンを楽しむコツと上手な育て方を、プランタドール代表の新城圭吾さんがレクチャー。白い幹と丸い葉が愛らしい「フィカス・ベンガレンシス」は、樹形の豊富さも魅力だ。

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白幹と丸葉でかわいい

人気が高い[フィカス・ベンガレンシス]


Q.フィカス・ベンガレンシスの特徴は?
幹色・葉形さまざま サイズや樹形も豊富

クワ科フィカス属の植物で、ゴムの木の仲間です。インテリアグリーンの中では人気の高い中心的な品種で、白い幹と丸みを帯びた葉先のかわいらしさが人気の理由でしょう。サッカー選手で例えますと、愛くるしい笑顔で決定的な仕事をして恐れられていた元フランス代表のパパンといったところでしょうか。

フィカス・ベンガレンシスは、実は葉形や幹色にいろいろなタイプがあり、それも魅力の一つ。葉形は丸いタイプのほかにシャープなタイプ、幅広タイプがあります。幹は白幹から若干茶色がかったものまで、さまざまです。
サイズや樹形も豊富です。ゴムの木の仲間は小鉢サイズでも比較的雰囲気がありますが、サイズアップするにつれ樹形などのバリエーションは豊富になっていきます=下写真。置きたい場所に合わせてサイズや樹形などが幅広く選べるのもフィカス・ベンガレンシスの魅力です。



【特大サイズ】高さ約2・5メートル。天井まで3メートル以上ある場所で見栄え良く見える。ホテルのロビーや商業施設など広い場所に向いている


【大鉢サイズ】高さ1・8メートル。枝ぶりが良く、葉のボリュームもある樹形は、空間に余裕のある場所への配置が好ましい


【中鉢サイズ】高さ約1メートル。上部に葉のボリュームを持たせ、幹のラインをスッキリさせたスマートなタイプ。床置きや台に載せて


【小鉢サイズ】高さ約45センチ。デスクや棚上のアクセントに



Q.育てる上で気を付けたいことは?
明るい場所が好み 風通して害虫予防

比較的成長の早い印象のあるゴムの木の中では成長が遅いタイプだと思います。そのため、葉が落葉した後、新しい葉が出るまでの時間も、ほかのゴムの木に比べると遅いです。
生育環境は室内の明るい場所を好み、耐陰性は普通です。寒さには弱く、10℃以下になる環境には適していません。ここ沖縄ではあまり気温を気にせず、年間を通して楽しめると思います。
風通しが悪くて空気中の高温・乾燥状態が続くと、天敵のハダニやカイガラムシが発生しやすくなるので注意しましょう。水やりは環境にもよりますが、土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が出るまでたっぷりあげます。水やりの際に葉の表裏に霧吹きでしっかり水を吹きかけると害虫予防になるので忘れずに。

 

器で遊び 増す存在感

【デザイン性のある器で】

まず最初に、温かみのある床色や壁色に合わせて、デザイン性のある器をセレクト。器ありきで、それに合わせて選んだ植物がフィカス・ベンガレンシスでした。器の切り口と形状が丸で、葉も丸。形を統一することでインテリア性がグッと上がります。丸々づくしのこの組み合せを、私たちは「よいこのあゆみ」と命名しました(笑)。


【間接照明の間に】

間接照明の間に、高さのあるフィカス・ベンガレンシスを配置した例。こだわった点は、間接照明の間に収まり、圧迫感を感じない事。全体的に線が細く、葉もポイント的に付いた樹形を選びました。
器は低めにし、植物で高さを出すようにコーディネート。器の色は、壁のベースカラーの白系と、ポイントに使われている茶系に合わせたツートンカラー。床面は木ですが光沢があるので、器もツヤのあるものを合わせました。飾る場所の素材に合わせて器を選ぶのも、インテリアグリーンの楽しみの一つです。


【家具を邪魔しない】

リビングに「インパクトがありつつ優しい雰囲気の植物を」との要望でコーディネートした例。後日搬入されるテレビボードの高さを考慮して、枝などがテレビにかからないよう、高さのある器を用いました。


※写真はPLANTADOR提供


<こぼればなし>
ところ変われば…
仕事柄、県外の同業者を沖縄の生産者の農場に案内することがあるのですが、初めて来沖される方は、街路樹や公園などにフィカス・ベンガレンシスや、寒さに弱いガジュマルの大木=下写真=が植栽されていることに大変驚かれます。そして「ほんと、うらやましいなぁ」「うちらでは室内ありきの植物が外で使用できるって、本当にいいですね」と、口々に言われます。こちらでは当たり前の景色も、ところ変われば当たり前じゃない。沖縄は恵まれた環境なんだなと気付かされます。



[執筆・提案]
新城圭吾(しんじょう・けいご)
PLANTADOR代表。
「花屋Ru-ga」で植物についての基礎・応用を学び、2009年に独立。14年に浦添市大平に販売店舗「PLANTADOR Segundo」をオープン。主に植物の室内コーディネート、住宅の植栽、植物販売などを手掛ける


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『週刊タイムス住宅新聞』Interior green<3> 第1588号 2016年6月10日掲載

 

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